- 事業を前に進めるにはどうしたらいいでしょうか。
- 実は、PDCAを地ですすめることかも。
- なぜなら、それを確実に、そして高速にできること自体が独自の能力となります。
- 本書は、事業を前に進め、成果を期待できるか、真剣に考える1冊です。
- 本書を通じて、自身の事業の推進について、ヒントを得ることができます。

プロジェクトを成功に導くものとは?
本書は、ストレートに語ります。
PDCAを徹底すれば、今とは比べ物にならないほどの前進と進化が期待できるが、それを知る人は少ない。
しかし、PDCAを知る人は多いでしょう。
でも、事業の推進において、PDCAは企画書言葉になり、実際には、どのような運用をするのかを明確化していないケースが多いのではないでしょうか。
著者・冨田和成さんは、営業目標であったり、個人の目標であったり、とにかく何かを達成し、確実に発展させていくためには、PDCAを確実に、継続的に回すことが重要であると強調します。
よく言われることですが、次のような一般論に経つと、なぜPDCAが考え方だけが共有され実行されないのかということを理解することができるかもしれません。
- やりたいと思う人10000人
- その中で、実際にやる人100人
- その中で、続ける人1人
それだけ、実際に始めてみて、さらに続けるということは、とても難しいことなのです。
これは、おそらく人事評価という一連のプロセスにも当てはまるようにも感じます。人事評価こそ、目標の立案、行動計画、推進、絶え間ない振返り、期末の達成度の確認と次年度の目標設定という、PDCAを真摯に回していくプロジェクトです。
でも、実際には、その循環は、年内のどこかで途切れるか、あるいは、年に1回(期初と期末)にしか回らず、実際には全く機能していないようなことも多々あるように思えます。
特に人事領域におけるPDCAについては、ぜひこちらの1冊「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」もご拝読ください。リーダーというスタンスについて明確にビジョンとロジックと、そして、方法論を示してくれる素晴らしい1冊です。

世の中のキャッチアップの速度は、日進月歩で早まっています。
PDCAを始めることだけではなく、高速に回していくこと、その仕組みをつくることが、いかに重要か、安易に想像できる環境を私たちは生きています。
同時に、顧客もPDCAを求めています。実行と改善を繰り返してくれるビジネスパートナー的営業と、売り物を売ったきり何もない営業では、軍配がどちらに上がるのかは明白です。
企業・リーダーの価値もPDCA力で決まる。
重要なのは、PDCAというのは、上位概念と下部概念の何層かに分かれているいるということです。それらをまず特定し、言語化することから始める必要があります。
ちなみにこの論点については、こちらの1冊「大切なことに対して、資源を集中させていくために!?『イシュー思考』和氣忠」が非常に明快に問題の特定とその解決のための課題設定のラダリングについて述べられていますので、ぜひご覧ください。

まず意味あるPから!?
PDCAを設定するときは、まず大目的を検討してみることから始めましょう。
- 「自分はどこへ向かおうとしているのか?」
- 「果たして今の努力は意味があるのだろうか?」
- 「この方法をこのまま続けていていいのだろうか?」
このような論点をよく考えるうえで、疑問や違和感を持つようなことがあるとすれば、とくにその部分の点検が必要でしょう。最終的に目指すゴールが見えてないPDCAほど虚しいものはありません。
ゴール設定の段階では、「なぜそのPDCAを回すのか」という理由を見失わないようにすることが肝要である。
最終的なゴールを見定めたうえで、それを達成するためには、細かな論点に分解してみて、どのようなアクションがどのような指標の元計測されるべきなのかを検討するPDCAの指標設計図を最初に描いていみることが欠かせません。
例えば、ダイエットをするとして、その成果目標を体重10キログラムを1年で落とすことを目標としたとします。
その時、例えば、いくつかの論点が検討できるでしょう。体重は、インプットとアウトプットその差分によって決まっています。つまり、インプットを減らして、アウトプットを多くすれば、身体に残留するエネルギー量が低下するので、体重が落ちるイメージを持つことができます。
よって、インプットを減らすこと・・食事について検討する。アウトプットを増やすこと・・運動について検討する。という形で、論点をわけて検討することができるようになります。
さらに、食事で言えば、朝昼晩、完食という機会点、その中で、何をどれだけ食べるのかという内容の論点に分けることもできますし、運動も同じことができます。
それらを一度、たなおろししてみることで、全体像を俯瞰しながら、今の自分と目標設定に合わせた現実的なチョイスをすることができるようになるのです。
ちなみに、ロジックの深掘りは、5段階くらいまで行ってみるのが良いと著者・冨田和成さんは、語りますが、この点について、上述の著書「大切なことに対して、資源を集中させていくために!?『イシュー思考』和氣忠」における和氣忠さんのお考えにも符合します。
いろいろな選択肢が出てくる中で特に以下の3つをケアして選んでみるとよいでしょう。
1.インパクトの最も高いものを最低でもひとつえらぶ。
2.インパクトが劣っても短い時間でできそうなものがあれば選ぶ。
3.同列の課題が並んでいたら、気軽さを基準にして絞り込む。
この設計をしっかりしておくことで、何よりも自分自身が、このPDCAを大切にしてみよう!という気持ちを重視することが可能になるはずです。
最初からなんだかよくわからないものに、賭けるのは、誰もがいやなものですからね。
PDCAを回す中で、次に実行と検証が重要です。
検証といっても、特別に大掛かりな調査をするという意味ではない。あくまで「実行した結果、計画通りに進んでいるか」「何か想定外の障害が生じていないか」を、定期的かつ頻繁にチェックすることである。
みなさん、銀行口座を定期的にチェックするでしょうか。月1の会社・顧客からの入金があるか?クレジットカードの支払は済ませられる原資があるか?投資に回せる余力はどのくらいあるか?などなど、おそらく定期的にチェックしているよ!という方がほとんどではないか、とも推察します。
事業におけるPDCAだって同じような感覚だと思います。
それがたまたま、中間KPIという指標なだけで、マインドセットと構造は一緒です。

楽しさこそ継続のもと!?
何より貴重な時間というリソースを重視しながら、PDCAを経て、最適配置を考えるために次のような論点をケアしてみることも忘れずに。
1.優先度の高いことこそ、十分な時間を割いてみる。
2.不完了を可視化して迅速に処理する。
3.委任・アウトソースを積極的に検討する。
4.〆切効果に依存しすぎない。直前にやるのではなく、空いた時間を適切に使って処理する。
5.プッシュ通知などを遮断して集中する。
6.大きなタスクは早めに分解して部分的に着手・外部委託を図る。
7.完成度の「上限」を意識する。
8.同じ時間を二重にも三重にも活用する。(例えば1コンテンツをつくることが、取材にもアウトプットにもなるなど)
これらを意識しながら、リソースの再配分を通じて、PDCAがさらに早く回ることができる環境を作ってみることが重要です。
著者・冨田和成さんのチームでは、こうしたPDCAを皆で意識して、日常的に管理・運用するために、鬼速PDCA週報を運用しています。
次のようなコンテンツで構成されているものです。
1.今週の活動:カレンダーによる個人の時間リソース配分の見える化。
2.KGI・重点KPIの進捗:週次ターム進捗数値を確認できる。
3.今週の振返り(改善点・伸長点):現状とのギャップを認識し、論点を確認する。
4.今週の重点課題や成功仮説のアップデート:ここがメンバーとのナレッジシェアになる。
5.時間資本の再配分:1週間の工数をたなおろしし、再構成する。
6.来週の活動方針・予定
7.その他(相談事項・よもやまなど)
8.今週の問い:会社として考えてほしい「問い」を提供することで、思考が活性化される。コーチング的役割のセクション。
これらの取り組みをさらにAIの力を借りることで、省人化、精緻化することが可能になります。
確かにPDCAを回すということはストイックです。
でも、ここまできたらいったんストイックにまわしてみることさえもなんだか楽しそうだ!と思ってしまうことのほうがいいかもしれません。
「前進を続ける人生のほうが絶対に楽しい」
楽しさが、継続を後押ししてくれる力になってくれそうですね。
まとめ
- プロジェクトを成功に導くものとは?――それこそPDCAの実行と継続です。
- まず意味あるPから!?――大目的と下部構造を明確にして意味あるPDCAの初期設定を。
- 楽しさこそ継続のもと!?――意味あるPDCAを回して、楽しい習慣を創りましょう。
