終わりがあるから大切にできる!?『残り30年ジャーニー 悔いなき人生を歩むための50の教え』大住力

残り30年ジャーニー 悔いなき人生を歩むための50の教え
  • どうしたら、いまここを輝かしいものにできるでしょうか。
  • 実は、終わりを想定することが重要かも。
  • なぜなら、終わりを知ることは、人生に向かうことになるから。
  • 本書は、いよいよ人生に向き合うための1冊です。
  • 本書を通じて、自分という生き方に胸を高鳴らせることができると思います。
大住力
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人生の期待を知るには?

知らず知らずに、あるいは、気付かないふりをして、過ごしている気がしませんか、人生について。

でも、いつか終わりが来るものです。これは、命あるものに定められた宿命です。

そこから誰も逃れることができません。

それなのに私たちは、死をなんとか意識しないように、気づかぬふりをして過ごしています。

誰もに平等な死と向き合うことで、恐怖を振り払い、不安を払拭し、そして、自分自身の人生と向かい合うことができます。そして、人生が自分自身に期待していること、つまり、自分の役割について向かっていく勇気を得ることができるのです。

また、誰もが迎える死という現実に、その前に平等であることに気づき、もしかしたら、他者とつながるための糊代をつくることができるかもしれません。

死とは、再生であるともよく言われています。

そのように、終わりを想像することは、実は創造であり、そこから生み出される爆発的なエネルギーで私たちはいまここをさらに輝かしいものにできるはずです。

そんな、限りある人生の可能性について、本書『残り30年ジャーニー 悔いなき人生を歩むための50の教え』を通じて大住力さんは、伝えてくれます。

大住力(おおすみ りき)さんは、1965年生まれの広島県出身で、人材育成と社会福祉の分野で顕著な功績を残されている方です。

1990年に株式会社オリエンタルランドに入社し、約20年間にわたり東京ディズニーランドや東京ディズニーシー、イクスピアリなどの大型プロジェクトの立ち上げや運営、マネジメントに携わりました。社内では、ウォルト・ディズニー氏の研究会を立ち上げ、現場スタッフのモチベーション向上とディズニー哲学の浸透に尽力されました。

2009年に同社を退社後、2010年には難病と闘う子どもとその家族を支援する公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を設立し、代表として活動されています。この法人は、アメリカのギブキッズザワールドの日本唯一の運営団体として、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏と一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏を最高顧問に迎えた組織です。

また、一般財団法人ソコリキ教育研究所の所長として、人材育成や組織活性化のための研修・講演活動も精力的に行っています。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、ボランティアサポートセンターのアドバイザー(人材教育担当)を務めるなど、社会貢献活動にも積極的に取り組まれています。

ディズニーで培った人材育成のノウハウと、難病の子どもたちへの支援活動を通じた深い人間理解を融合させた独自の視点から、多くの企業や団体に価値ある示唆を提供し続けています。

あなたはどこへだって行ける

本書を読み終えると、本当にこの気持ちを自分の中に芽生えさせることができます。

それは大住力さんのこれまでの人生、そして、彼が関わってきた、ディズニーの生みの親ウォルト・ディズニー、そして「難病とその家族へ夢を」の創設きっかけとなったアメリカの団体​「ギブ・キッズ・ザ・ワールド(Give Kids The World)」創設者であるヘンリ・ランドワースさんの挑戦と変化の連続の人生に、勇気をもらえるからだと思います。

彼らに共通するのは、自分の役割と使命を無視せずに、大切に掴んだこと、そして、そこから見られるビジョンに従って素直に真摯に自分の人生が期待するように生きたことによります。

そうでなければ、大住力さんのように44歳のときに周囲の反対を押し切ってまで、自分の役割を社会に対して還元するためにいわゆる安定を捨てて、自らの団体を立ち上げるという試みをすることは難しいことだったと思います。

本書では、残り30年というひとつのキーワードを軸に、自分の人生と向き合うきっかけを提供してくれます。

30年という、長いようでいて、実はとてもとても短い時間――。

人生を例えば、90年と捉えれば、30年という期間は、3分の1に相当します。何かに熟達するには短い期間かもしれませんが、何かを初めて、そしてひとつ、ふたつ成果をもたらすには十分な時間とも言えます。

奇しくも自然のサイクルは20年ともいわれており、30年あれば、きっとひとつの循環を越えて、なにかものごとをなし、手応えを得ることもできるかもしれません。あるいは、その過程自体を充実した時間の集積として、幸福を感じながら過ごすにはあまりにも貴重で長い時間と感じることもできるかもしれません。

自然のサイクルについては、こちらの投稿「本当に“人を活かす”ために(前編)― 式年遷宮に学ぶ 人間社会の自然なリズムと組織の知恵 ―」もぜひご覧ください。

あと何度・・・!?

大住力さんが強調するのは、次の言葉に集約されています。

「野生にかえり、本能を出せ」ということです。

私たちは実は非常に弱い動物で、いつ死が訪れてもおかしくないような環境で生きてきました。

それが文明や技術の発達で、その死から少し遠いと幻想的に思ってしまえる社会とネットワークを築いてきたのです。だから、死を身近に感じることはない。

でも、実際のところ、明日があるなんてことは、誰にも保証されていないことなのです。

今日が人生最後の日だったとしても、あなたは昨日と同じことをするか?と問われた時に、私たちは、120%の賛成をすることができるでしょうか。大住力さんは、問いかけます。

人生という終わりのある旅路を想定した時に、次のような問いかけ持つことができるでしょう。

  • あと何度、この場所を訪れることができるだろう?
  • あと何度、この人に会えるだろう?
  • あと何度、大切な人たちと大笑いできるだろう?
  • あと何度、・・・

「これが人生最後のチャンスかも知れない。そうであるなら、いまを存分に味わうことだ」と考えるようになったのです。

人生の捉え方、残り30年の捉え方は、人それぞれさまざまだと思います。でもわたしたちに残されている「時間」を見える化することで、確実に私たちの思考と、言動は、変わるのです。

自分の人生をないがしろにしてはいないか?

そうした問いも、残り30年を想定した時に見出されるのではないでしょうか。

周囲にあまりに流されてきてしまった、本当に大切な人との時間をつくることができていない、本当に自分の信念から行動することができていないかもしれない・・・そうした、想いを抱いたままでいていいのか?という問いです。

大住力さんは、「役割」という象徴的な言葉でこれを定義します。

この「役割」というのは、ディズニーの言葉“ミッション”に相当するものです。“デューティ(作業)”に対して、自分が気づいたこと、自分が使命だと感じていること、そして自分が内発的にプラスアルファを積み上げる仕事を、ディズニーでは“ミッション(すなわち仕事)”と呼んでいます。

人生が所与として提供されている感覚ではなく、自分の役割を通じて、その手段としての会社や仕事を見ていくパラダイムシフトが、残り30年という時限を通じて起こすことができます。

自分の役割を見つけるヒントは、実は「怒り」にあるかもしれません。

普段の生活のなかでふと感じる、「これ、おかしくないか?」「どうしてこうなっているの?」という怒りや違和感に対して、なぜそう感じるのかを自問自答してほしいのです。
そこにある答えが、あなたが自分の“役割”を見出し、一歩を踏み出す起点になる可能性は大いにあると思います。

怒りには、前に向かう力があります。それは嘆きや不安という感情とは一線を隠します。怒りは、自分の想像するビジョンと現実とのギャップを指摘する感情でもあるということです。

自分の感情にもっと素直になってもいいのではないかとという大住力さんの助言に気づきます。

自分に嘘をつかないこと。過去のつらい経験から目を逸らさず、正当化もせず、自分と正面から向き合って対話することです。

ありのままの自分のその先に、実は“役割”を見出すヒントが、すでにいまここに、手元に握られていることに気づかせてくれます。

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自分の役割とは?

残り30年という時限と、そして自分の“役割(ミッション)”と向き合って見るために、次の5つポイントを活かしてみましょう。

1.他人と比較せず、自分とも戦わず、ひとりで向き合うこと。
2.嘘をつかない、正当化しない、言い訳しないこと。
3.視点を変え「自分が間違っているかもしれない」と仮説を立ててみること。
4.一つひとつの事象を点で捉えず、点同士を線でつなぐ(関連性)を見出してみること。
5.ものごとをポジティブに捉え、ポジティブな選択をすること。

上記のような5つの論点を通じて、自分が「どうありたいか」を探る道に分け入ることです。その道を歩みながら、自分像を模索していけば十分。最初から確固たる自分というのは存在しないのです。

スティーブ・ジョブズさんの著名な言葉に「Connecting the dots(コネクティング・ザ・ドット)」というものがあります。大学時代のムダとも捉えられがちなカリグラフィの授業の受講経験があったから、当時のコンピュータのフォントに我慢ができなかったこと、UI/UXという概念がそもそもコンピュータに大切なのだと、抽象度をあげて彼は捉えることができたのでしょう。

まさに、点と点は、どこで線となり、意味となって、自分の前に現れるかわからないということです。

結局は自分のものごとの見立てや行いが、自分の人生をつくるということです。

仕事が面白くないのは、仕事のせいではなく自分のせいなのです。

実は世界というのは、それが事実そこにあるのではなく、自分というフィルターを通じて捉えることができたのが、それぞれの人にとっての世界です。

すなわち、世界というのは、自分の捉え方でいくらにでも変えていくことはできる。そして、そうしたものごとの見立てに応じて、行動した結果が、また世界を変えていくポジティブなスパイラルへと、自分自身を導いていってくれることになります。

わたしたちは、自分の“役割”を果たし、幸せになるために生きています。

大住力さんは、「難病と子どもとその家族へ夢を」という公益社団法人の活動を通じて、難病の子どもとその家族にさまざまな体験機会を創出する活動をしています。その活動には、企業研修と連携しながら、従業員が参加しフォローアップするプログラムが伴走しています。

この出会いはとても貴重なものです。

例えば、このボランティア活動に参加した製薬会社の方からは、直接患者さんと向き合う機会を得られることにより、自身の仕事に対する“役割”と重要性を再認識することができるようになると言います。

そこには、単なる金銭交換というものではなく、そうした手段を越えた、人と人とのつながりの重要性を知ることができるのです。

実は人のつながりというのは、相互依存的であるということです。

  • 誰かを支えているようで、誰かに支えられている。
  • 誰かに与えているようで、誰かに与えられている。
  • 人はただ生きているようでいて、人に生かされている。

人は、人に生かされている

人とともにあることが、実は、人生をより良くしていくし、実は人に生まれたからには、その人生というのは人とともにある宿命なのだということを、知ります。

私が大好きな映画『イン・トゥ・ザ・ワイルド』の一幕を思い出します。

『イン・トゥ・ザ・ワイルド』は、ジョン・クラカワーの実話に基づく同名の書籍を映画化した作品で、監督はショーン・ペンです。(ちなみに監督ショーン・ペンが主演の『アイ・アム・サム』も大好きな映画です)

映画は、主人公クリス・マッキャンドレス(エミール・ハーシュ)が、裕福な家庭と学歴を捨てて、アラスカの荒野に一人で旅立つ姿を描いています。彼は、自然の中で本当の自由を求め、世界を探索しようとしますが、次第に孤独と自然の厳しさに直面します。

あらすじとしては、クリスは大学を卒業した後、家庭や社会の枠に収まることなく、自己探求のためにアメリカを横断する旅を始めます。彼は人々と出会いながらも、最終的にはアラスカにある「バス66号」と呼ばれる放棄されたバスにたどり着き、そこで自然と向き合いながら一人で生活します。しかし、彼は予想以上に自然の厳しさを実感し、食料不足と体調不良に苦しむことになります。最終的に彼は命を落とします。

映画の最後に、クリスが残した言葉はこちらです。

「Happiness is only real when shared.(幸せは、分かち合って初めて本物になる)」

この言葉は、クリスが孤独の中で自分が幸せを感じることの本質に気づいたことを示唆します。彼の最期は、自然との対峙だけでなく、孤独と向き合わせられ、真の人間関係の重要性に目覚めるものとなりました。

瞬間瞬間を切り取ると人生というのは、かわりばえの乏しい昨日と同じ連続と、ともすれば見られてしまうこともあるかもしれません。

でも、30年、人生という時限をもって改めて感じれば、いまここのかけがえのなさ、そして、ありがたさに気づき、それを大切に扱ってみようという気持ちを奮い立たせてくれるようです。

大住力さんの著書については、こちら「私たちが“まだ”知らないこととは!?『一生の仕事が見つかるディズニーの教え』大住力」やこちら「【自分が死ぬ日を設定すると!?】一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー|大住力」もぜひご覧ください。

また、大住力さんの団体・活動については、こちら「公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢を」とこちら「ソコリキ教育研究所」のサイトもぜひご覧ください。

まとめ

  • 人生の期待を知るには?――人生の時限を見つめることです。
  • あと何度・・・!?――あなたは人生の中で、こうして体験できるでしょうか。
  • 自分の役割とは?――自分も含めた他者との関係性の中で見出しましょう。
大住力
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