空は人を映す!?『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』荒木健太郎

読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし
  • 私たちの心と環境、両方を見つめることは可能でしょうか。
  • 実は、空を見上げてみることがいいかも。
  • なぜなら、空は、心を移す鏡だし、また、循環の目に見える形だから。
  • 本書は、空とは何かを問う1冊です。
  • 本書を通じて、科学と心の接点としての空、太古の昔から人々が見上げては、感じてきた空の神秘について改めて見つめることができます。
荒木健太郎
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空は人を映す?

昔から人は、空を見上げては、自分自身の心を映してきました。

嬉しいことがあったときに見上げる青空は、まるでお祝いをしてくれているように見えますし、悲しいことがあって落ち込んでいる雨は、空が一緒に泣いてくれているような感覚を見ます。

これらは、文化的な表現にも良く登場して、空模様は、人の心をよく映し、そしてエレガントに物語を彩ってきたと言えるでしょう。

私たちは空の下で生きており、空を見上げることで多様な思いを繰り広げられるのです。

一方、「気象学」を人は発達させてきました。

これは、空の動きや大気の流れなどを観測、分析し、天気予報や災害予防の一助にするものです。

人間が生きていくためには、自然のダイナミックな変化にいかに備えるかが、昔から課題で、これを捉えることができれば、もっと自然の中で、自分たちが準備をしながら、豊かな生活を守れると確信していたのです。

気象学では、地球を覆う空気である「大気」の流れや、雲、雨、雪、雷などを、まずは観測することで、そらへの理解を深めようとします。

少しの知識を持っているだけで、世界が、そして頭の上の空やダイナミックな地球の大気に別の視点で、思いを馳せることにつながっていきます。

天気には匂いがある!?

実は、雲の種類は、400種類以上あります。

さまざまな雲が形や成り立ち、色も含めて、分類され発生しては、消えるを繰り返しています。

空の雲は、水蒸気のあつまりです。

発達した積乱雲(夏によく見かける縦に長くて大きな雲)では600万トン、つまり、25メートルプール1万杯くらいの水分量(東京ドーム5杯くらい)で構成されています。

これは、小さめの湖や沼の貯水量と同程度で、一つの積乱雲はまるで、天空の湖のような存在です。

ゲリラ豪雨となり、一時期に大量の雨をふらされてしまえば、地上が氾濫することも容易に想像できるのです。

ひとたび積乱雲が発達すれば、土砂降りになるのも頷けます。

土砂降りというキーワードで思い出すのが雨の匂いです。

実は、雨にも、雪にも匂いがあります。

きっと誰しもが懐かしいイメージを思い浮かべる匂いです。

例えば、雨が降るときには、なんだか、土っぽいにおいがします。

じつは、この土っぽい雨の匂い、名前がついているんです。

「ペトリコール」という名前で、ギリシア語で「石のエッセンス」という意味です。

このペトリコールは、晴れた日が続いたあと、久しぶりの雨が降るときに、地上から上がってくる匂いです。

またもう一つ「ゲオスミン」という匂いもあって、これは雨上がりの匂いです。

土の中にいるバクテリアなどによって作られる有機化合物が雨水によって広がることで発生します。これは「カビのようなにおい」と表現されることもある匂いです。

雪が降る直前にも「ツン」とするような匂いがします。

これは、雪が降る直前には空気を冷やして、水蒸気に変わる過程で、気温が下がるので、その時人の嗅覚が鈍るからです。

このように、空は視覚や触覚だけではなく、嗅覚をも通じて、わたしたちに密接な存在であることがわかるのです。

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なぜ天気予報は外れるのか?

実は、気象学で、シミュレーションをすることは、まだまだとても難しい課題だそうです。

なぜなら、誤差が広がっていくから。

大気の運動には「初期値の小さな差が時間とともに増大する」というカオス(混沌)的な性質があり、ちょっとした誤差でも、時間が経つと無視できない大きさに成長します。

この概念は、アメリカの気象学者エドワード・ローレンツが1972年に発表したもので、次の言葉で有名です。

ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を起こすのか

これは、研究発表発表での演題であったそうです。

これは「バタフライ・エフェクト」と呼ばれており、いまや、カオスや混沌、そしてそれによる作用をイメージする代名詞となっています。

地球の動きは非常にダイナミックです。そして、この大きな循環がなければ、生命が生まれることはなかったし、私たちが、生き続けている環境がなくなってしまうのです。

同時にこの複雑さに、私たちの社会や人の挙動をリンクさせることもできるでしょう。

大きな循環によって、人も社会も絶えず大気のように胎動しているのかもしれません。

相互に関係を持ちながら、互いに構成していく存在として、雲の水蒸気と私たち人と人の活動がなんとなく重なって見えるようです。

関係性を見つめる時、こちらの1冊「間(ま)を意識せよ!?『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』井上慎平」も大変刺激的です。ぜひご覧ください。

まとめ

  • 空は人を映す?――心も、社会をも、映す鏡のような存在かもしれません。
  • 天気には匂いがある!?――雨にも、雪にも、特有の匂いがあり、昔から名前がつけられていました。
  • なぜ天気予報は外れるのか?――それは、大気の循環が極めて複雑だからです。
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