- 人は、なぜ絶望するのでしょうか?
- 実は、選択肢が残されていない時に、人は絶望するのです。
- つまり、選択肢を持ちつづけているかぎり、人はそれを希望として前に進むことができます。
- 本書は、選択肢を増やす、つまり学ぶことについて考える1冊です。
- 本書を通じて、学びとは何なのかを問います。

学ぼう!?
本書は、出口治明(でぐち はるあき)さんによる学びとは何か、を考える1冊です。
出口治明さんは、1948年に三重県美杉村(現・津市)で生まれた実業家・教育者です。京都大学法学部を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社し、企画部や財務企画部で経営企画を担当しました。
その後、ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを歴任し、2006年に同社を退職しました。
同年、ネットライフ企画株式会社(現・ライフネット生命保険株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。58歳での起業でした。2008年に生命保険業免許を取得し、ライフネット生命保険株式会社として営業を開始しました。
2012年には同社を東証マザーズに上場させ、2013年からは代表取締役会長兼CEOを務めました。 2017年に会長職を退任し、2018年1月より立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任しました。
出口治明さん、読書家であることが知られており、自身でも読書や人生について多くの著書を生み出し続けられています。
出口治明さんは、APUの学長内諾の後、突然病気で倒れられてしまう経験をしました。APUの学長として学び舎を盛り上げ、そしてご自身でも大好きな読書や旅行を楽しまれようとしていた矢先でした。
人はどんな時に絶望するか、出口治明さんは、語ります。
そもそも人間はなぜ絶望するのでしょうか。絶望とは、自分には選択肢が残されていないと思い込んでしまう状況です。
絶望しか残されていない状況に仮にあったとしても、学ぶことで、ものごとを別の角度から見ることができるようになり、歳を重ねても、仮に身体が不自由になったとしても、学ぶ力と意志が残されている限り、私たちは、よりよく生き続けるのぞみを持つことができるのです。
「学ぶ」ことは、生涯にわたって人生を豊かにしてくれます。
人生をより面白くするために、私たちは学ぶことができます。
常識を疑うことから始めよう?
学ぶということはすなわち、周囲から与えられた「常識」を疑うことに繋がります。
ここにポイントがあります。私たちは、知らず知らずに、社会から「常識」という固定的なものごとの見方を植え付けられえて生きています。
これに対して、学びを深めていくことができれば、「ちょっと待てよ」「本当にそうなのかな?」と疑うことができるようになります。
いつの時代もイノベーションを生み出す偉人たちが現れました。
その背景には、正しく疑うマインドセットがあったのです。
常識というのは、なかなか疑うのが大変なときもあります。なぜなら、多くの人が信じているので、まず自分一人がそれを疑う視点を持つことは、他の人と違う行いをしている必要があるからです。
また、それを疑って、その気持をどう発散していけばいいか?ということもつきまといます。
発散することができなければ、自分の中に不健全なストレスとして溜め込まれてしまって、どこかで、不都合が生じてしまうからです。
それが時には、研究かもしれないし、仕事かもしれないし、起業かもしれないし、何らかのアクションとして結実して行くことで、よりよいスパイラルを自らの周囲に創っていくことができるのです。
人が学ぶのは、学校で良い成績をとるためでもなければ、偏差値の高い学校に行くためでもありません。学ぶことは、自分の人生の選択肢を増やすことです。その結果、人生をより自由に生きられるようになります。そのために僕たちは学び続けるのです。
ひとつものごとを学ぶことができれば、ひとつ世界を広げることができます。
学ぶことによって、世界が広がることを体験していること。
これは、人生をよりよく、面白くするものにしてくれる、一番の方法なのです。

学びとは!?
出口治明さんは、島崎藤村の言葉を引用します。
「人の世には三智がある。
学んで得る智、人と交わって得る智、みずからの体験によって得る智がそれである」
(『藤村の歩める道』)
3つのタッチポイントを自ら積極的に創りながら、学びのスパイラルを創っていきましょう。
大切なことは、学びとは、
1)疑ってみること、2)その理由や解決を検討してみること、そして、3)実際に行動してみて、あたらしい「なぜ」を見つけて、1に戻ること。このスパイラルであること
を意識してみることです。
このスパイラルを回すことができれば、他者と学びをよりよく共有することだって可能です。
また、インプットだけではなく、3つ目の実施というアウトプットというのも非常に重要です。
1の視点を得るためには、自分がついつい見つけてしまう視点を大切にしてみることです。その時にぜひ、「いい人」からはみ出てしまうことを怖がらないでもいいということです。
「いい人」からはみ出た人たちを受け入れないような社会には、未来がないと思います。
自分の着眼点を大切に進んでみましょう。
出口治明さんの著書については、こちらの投稿「【「思考の型」の身につけ方!?】本の「使い方」1万冊を血肉にした方法|出口治明」やこちら「【社会について自ら考える!?】「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには|出口治明」もぜひご覧ください。


まとめ
- 学ぼう!?――それが人生を楽しむことになります。
- 常識を疑うことから始めよう?――前提を疑うことから本当の学びが始まります。
- 学びとは!?――3つのステップによるスパイラルを創り出すことです。
