- どうしたら豊かな発想を持ち、毎日を楽しく彩ることができるでしょうか。
- 実は、ものごとの見立ては、知識や思考に左右されるかもしれません。
- なぜなら、私たちが認識する世界は、私たち次第だからです。
- 本書は、さまざまな知識の掛け算の思考について、思いを馳せる1冊です。
- 本書を通じて、同じものを見ても、さまざまな発想が浮かぶようなそんな世界観に向かいます。

世界はもっと美しくなる?
著者・西岡壱誠さんは、次のように語ります。
頭がいい人が見ている世界は美しい。
人によっては、ぜんぜん違う景色が見えている、段違いに面白い世界観が見られているということを本書の冒頭で語ってくれています。
たとえば、電車が好きな人格の人なら、「あ、この電車は、**っていう電車で、こういう特徴があるな~」とか、駅名を見て、「あ、渋谷って『さんずい』と『谷』だから水害が多そうだなぁ~」とか、地図や地理が好きな人なら想像できるでしょう。
実は、同じ風景を見ていたとしても、知識、教養、思考の型が異なれば、まったく違う世界が見えているのです。
世界や社会というのは、このように人によって全く見え方が異なるものなのですね。
つまりこれを活用するのであれば「学び」についても考え方をアップデートさせることができるのではないかと考えます。
つまり、知識、教養、思考の型をアップデートして、当たり前を疑い、自分自身の固定化したものの見方や世界の捉え方を柔軟化させることはとても可能性のあることだと捉えることができるのです。
学びとは、そうした型の進化をもたらすものです。
単なる知識の詰め込みではなく、その知識を元に、新しいものごとの見方を手に入れていくことで、もっと豊かな世界観を手にする行程です。
4つの思考を意識しよう?
例えば、私たち日本に暮らし、日本のカルチャーに馴染みのある人であれば、「緑色」のことを「青色」と呼ぶことが多いことに気づくのではないでしょうか。
- 青信号
- 隣の芝生は青く見える
- 青汁
- 青あざ
- 青々とした葉
- などなど
この背景には、青色というのが特別な色であるからこそその様になったというのが定説です。
色の構成は、青、赤、白、黒です。この4色があれば、混ぜ合わせることでたくさんの色を作っていくことができます。
この大切な色のニュアンスを名残にしているからこそ、私たちは、青を優先するのです。
私たちが日常的に当たり前に使っている言葉にも、世界を知るヒントは隠されているのですね。
一見関係なさそうな事柄を紐づけたり、結びつけたりして、仮説を立ててものごとを見てみることもとても大切です。
同じ景色を見ていたとしても、知識や教養・思考の型があれば、全然違う景色が見えて、なんの変哲もない景色であっても、「面白い」と感じるのです。
いくつかの思考のかたちを意識してみると良いでしょう。
1.探究的思考・・そもそもを考えてみること。
2.連想思考・・ものごとの似ている部分に着目してみること。
3.推論思考・・仮説を持ってそれを検証してみること。
4.科学的思考・・科学的なファクトを持って、ものごとを見つめてみること。
これらの思考を意識してみることで、自分のモードに自覚的になり、「学び」のヒントを得ることができるでしょう。

色眼鏡もいいじゃないか?
自ら知識、教養、思考の型をアップデートしていくと楽しいことがたくさん待っています。
- 情報を整理して、論理的に考え関連性を見つけ推論することができるようになる。
- 1つのものごとを深く考え、発展させることができるようになる。
- 複数ある選択肢から一番いいものを選べるようになる。
- 日常と学問を結びつけて、より多くの知識を得ることができるようになる。
- 考え方と視点を切り替えることで、感情をコントロールできるようになる。
これらのメリットは、これからの自らが主体的にものごとを積極的に解釈をして、自分の道を作っていく時代において、とても大切なスキルセットになるに違いありません。
なぜなら、学びや視点というのは、他者が提供してくれるものではなく、自らが体得していくものだからです。
学びには、原点があるのだと思います。
その原点は、おそらく「好奇心」なのではないか、と本書を読み、思いました。
好奇心があれば、なぜ?を考えられます。好奇心があれば、そもそもをみつけることができます。好奇心があれば、学びのスパイラルへと自分を投げてみる勇気を持てます。
世の中が面白く感じられないとしたら、もしかしたらそれは自分たちの側の問題なのかもしれない。
ものごとや世の中というのは、自分自身の色で見ることができます。
色眼鏡は悪い意味で使われるニュアンスを含んでしまっている言葉ですが、色眼鏡はかけかえることができると捉えることで、もしかしたら、世界はもっと豊かな色で満たされるのかもしれません。
かけかえるためには、眼鏡の種類が重要ですね。
思考の枠組み・型については、文化的な背景に触れてみることも俯瞰した視点を提供してくれます。ぜひ、こちらの1冊「【自分の思考は、ハックできるか?】「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル|渡邉雅子」もぜひご覧ください。

まとめ
- 世界はもっと美しくなる?――それは、自分次第です。
- 4つの思考を意識しよう?――思考を広げるために型がありそうだということを意識してみましょう。
- 色眼鏡もいいじゃないか?――知識、教養、思考の型をアップデートして眼鏡の種類を増やしましょう。
