圧倒的な成果をまず、目指せ!?『なぜ私たちは、仕事が嫌いになるのか。』相原孝夫

なぜ私たちは、仕事が嫌いになるのか。 ハイパフォーマーの隠された真実
  • どうしたら、自分の生活をよりよいバランスで運営することができるでしょうか。
  • 実は、ハイパフォーマーの生き方を知ることがいいかも。
  • なぜなら、彼らは決して生活を仕事で乗っ取られない生き方をするからです。
  • 本書は、ハイパフォーマーの生態と生き方、そしてものごとの見方に関する1冊です。
  • 本書を通じて、自分の人生をどのように運営していくのかについてヒントを得ます。
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ハイパフォーマーとは?

本書は、30年以上に著者・相原孝夫さんが、約3000人ものハイパフォーマーに触れて、彼らの研究の末、生き方についてまとめた1冊です。ハイパフォーマーとは、組織の中で、特段すごい働きや成果を出しながらも、自分の生活を自分らしく楽しんでいる人たちのことです。

ハイパフォーマーは、生活を仕事に乗っ取られない。

プライベートか?仕事か?という問いは、ハイパフォーマーの前では意味をなさないかもしれません。

そういう二項対立の考え方自体をしないのがハイパフォーマーなのです。

キーは、主導権にあります。

会社に主導権を握られれてしまうと、どうしても、主従関係の中で、「がまん」がつきものになってしまいます。

しかし、一方で、会社と対等の関係、あるいは、会社を活かしていくという関係を積極的に従業員の側からつくることができたらどうなるでしょうか?

むしろ、自分の生き方を主語にして、堂々と自分のテーマを追いかけられると想像することができます。

この主導権があるのだ、そして、自分が握られるのだと考えてみることが、ハイパフォーマーへの入口です。

そしてさらに重要なことが、ハイパフォーマーについて、にわとりたまごに聞こえてしまうかもしれませんが、なにより「成果」を出すことです。ハイパフォーマーは、多くの成果、質の高い成果をあげているからこそ、周囲から一定の評価を獲得し、そして、そのことで、さらに自分の自律性を守ることができています。

成果(この場合、所属する組織に利益貢献できているということ)が、もたらされていれば、だれも文句は言いません。いや、言うことができなくなるのです。

だから、まず成果ということから逃げては、自分の自律性ということを目指すということは困難であると考えてみるほうが、良いかもしれません。

アメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した「PERMA理論」では、5つの要素で、人がどうしたらパフォーマンス豊かに、よりよい行動や人生を積み重ねていけるかを説きました。

  • P: Positive Emotions(ポジティブな感情)
    喜び、満足感、愛情など、ポジティブな感情を経験すること。日常生活の中で楽しさや幸福感を感じることが重要です。
  • E: Engagement(没入・熱中)
    「フロー状態」とも呼ばれる、活動に完全に没頭している状態。自分の強みを活かした活動に熱中することで、時間の感覚を忘れるほど夢中になれる体験です。
  • R: Relationships(人間関係)
    他者との良好な関係性。人は社会的な生き物であり、良好な人間関係は幸福感の重要な源泉となります。
  • M: Meaning(意味・意義)
    自分より大きな何かに貢献している感覚。人生に意味や目的を見出すことは幸福感を高めます。
  • A:Accomplishment(達成感)
    目標を達成し、成功を収める感覚。自己効力感や自己成長を実感することが重要です。

高いパフォーマンスを求めていくには、高い集中力で仕事をすることが重要ですし、何より他者と協働関係を結べるようになるため、良好な人間関係も不可欠な要素になります。

目標を自ら課し、それを達成しているという手応えを持つこともとても重要なファクターになります。

そしてこれらの結果から、ポジティブな感情が生まれてきて、そのことが仕事に意味を見出すきっかけにもなってくれます。

大切なのは、パフォーマンスをあげよう!という気持ちが最初の入口にあるということです。

パフォーマンスをあげようとするからこそ、必要な能力やコンピテンシー(高い成果につながる行動様式)が養われ、成長できる。成長はもちろん、ウェルビーイングを高める――。

成果をあげよう!とまず思うこと、これこそが、重要なのです。

成果を上げようとする最初の起点があれば、これからもたらされる行動はすべてウェルビーイングの向上につながっていきます。

会社とは?

イノベーション理論で有名な経営学者のクレイトン・M・クリステンセン教授は、著書の中で、次のように述べています。

「仕事で皆から頼りにされていること、価値を生み出すこと、大きな貢献したことは、家庭生活にも大きな影響を与える。その逆もまたそう。」
(『プロフェッショナル人生論』)

単に業績が高ければいいというわけではありません。

中には、単に高い業績、成果をあげていても、周囲によりよい影響を及ぼしていない例もたくさんあるでしょう。この状況は、会社としてほうっておくことは危険です。

会社とは、皆が参画して成り立っている組織です。人はひとりでは、大きなことを成すことができないので、人とともにあるのです。

だから、会社という規律の中で、互いに協働するようなスタンスを崩しては、ものごとが前に進むことが滞ってしまいますし、そもそも会社として集まっている意味がなくなります。

会社という手段をよりよく活用していくためには、何よりも高い成果を志して、互いに協力することが何よりも、前提条件となるのです。

これは、マネジメントについても同じことが言えます。

とくに、「完璧主義社」がマネジメントをしてうまくいかなくなるケースは、他者の足を引っ張ってしまうことにあります。完璧を求める人は、手抜きや妥協ができません。そのために、個人プレーで仕事を現場レイヤーで行っているときには、周囲からも一目置かれる存在になりますが、マネジメントをしていく立場になるとその行動習性が裏目に出ることがあります。

細かな点が気になって、部下をマイクロマネジメントしてしまうようになったりするのです。これでは、マネジメントのN1の力をチームが越えていくことができなくなり、メンバーでは、フラストレーションが溜まり、その上、マネジメントの仕事が膨大になるため、マネジャーのウェルビーイングが損なわれます。

持続可能なチーム運営から程遠くなり、空中分解するでしょう。

大切なのは、チームにおいても、高い成果を皆で達成することに対するコミットメントを行いながら、組織やチームは道具やツール的な位置づけて、互いに了解をとることです。

もしかしたら、価値や能力に対する正しい見立てを互いに共有しても良いかもしれません。

つまり、価値や能力というのは、個人が発揮するのではなく、個人と個人の間においてのみ見つけられ、発揮され、そして生み出されるものであるという見立てです。

能力についての見立てをアップデートするにはこちらの1冊「【人は、なぜ共に働くのか?】働くということ 「能力主義」を超えて|勅使川原真衣」が大変おすすめです。ぜひご覧ください。

ハイパフォーマーは、会社を手段とみなしています。

ここがとても重要な視点です。

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今日からできることとは?

上述の通り、会社や組織というのは、そもそも手段です。人のよりよい暮らしや人生、あるいは、社会をより良いものにするために、一人ではできないことをみんなでやるために集まっています。

でも、それが所与のものとして与えられている現代人は、会社を目的化してしまいます。会社の永続性、利益、結集などなどこれらのために、私たちは、存在しているのかもしれない、と、捉えがちです。

そうした状態に陥ると、会社の存在が絶対的なものになり、自分の生活や自分の人格の多くを乗っ取られてしまうことになりかねません。

大事なのは、会社はそのような意志を全く持っていない!ということです。人は自分からそうした感覚をもって、自らをそのように自分の思考で陥れてしまうのです。

本書で紹介されているハイパフォーマーは、そもそも最初から会社に期待していないとも言えます。だから、最初から適切に会社との距離感を掴むことができます。

そして、一生懸命働くわけでもなく、一定のルールのもとそれを遵守し、そして貢献領域を決めて、多くの成果をもたらすので、自分のポジションが作られている状態にあります。

自覚しているにせよ、していないにせよ、こうした状態を作ることができれば、自分主体で、会社と関わることが可能になります。

動いてみて成果をあげる中で、意味を見つけている。与えられた意味ではなく、自分なりの「境地」のようなものだ。

そして大事なのは、さほど考えずに成果を上げることができます。なぜなら、どうせやるなら「楽しく」ということが身についているので、自然と身体や思考が動き、結果的に成果に紐づいていく活動を積み重ねているからです。

彼らの合言葉は、「どうしたもっと楽しくなるか?」です。仕事とは、そうした楽しいことの一つであり、もしかしたら社会実験かもしれないし、人について考える機会かもしれないし、そういう自分にとっての見立てを持っているはずです。

資本家が描いた組織の理論にはまっていない。むしろそれを逆手に取っている。

会社を利用するという発想で、働いているのです。

この視点を持てるかどうかが、ハイパフォーマーとそれ以外とを分ける顕著な違いとなっているのです。

ハイパフォーマーは、組織をツールとしてみなし、そして、その契約の中でもたらされる賃金労働のメリットを最大化して捉えるための見立てと行動、そしてデメリットを極力少なくするスタンスを持っています。

メリットとは、以下のようなものです。

1.安定的な収入が得られること。
2.会社のリソースにアクセスできること。
3.一緒に働く仲間と繋がれること。

この3点を意識的に活かしています。

そしてデメリットとは次の2点です。

1.時間が管理されること。
2.人間関係に関するトラブルが有ること。

1の時間が管理されることについては、一定の成果をあげていることで、自律状態を獲得していることが多いため、成果とバーターでクリアしているケースがほとんどでしょう。

また、人間関係についても、付かず離れずのスタンスで、成果をもたらすので、感情的な悪循環の中に巻き込まれることは稀です。

ハイパフォーマーという成果をまず目指し、結果を出している。という状態を目指していれば、自ずと、メリットを最大化して、デメリットを最小化することが可能になるのです。

難しく考えることはなく、「楽しくやってみよう!」と働いてみることが何より大切なのかもしれません。自分がビビッとくるようなことに対して本音で向き合ってみることから、仕事という活動を自分がどうとらえていくのか?への答えに続く道がつながっていきます。

また、楽しさというのは、これも自分ひとりでは、そんなに多く経験できないと知ります。

だれかとともに、あり、そして、同じ時間を創り共有するからこそ、楽しいのです。

今日からできること、まず楽しいことを見つけて、そこに対して他者を巻き込んでみる。そのことが他者のためになり、そしてそのこと自体が、自分のためになるのです。

まとめ

  • ハイパフォーマーとは?――仕事を含む生活を存分に楽しむために、成果を上げている人です。
  • 会社とは?――皆で協力するための仕組み(手段)であり、目的ではありません。
  • 今日からできることとは?――他者とともに楽しみ、結果的に成果を目指す活動です。
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