OFFをONに!?『世界の一流は「休日」に何をしているのか』越川慎司

世界の一流は「休日」に何をしているのか
  • 休みをどのように過ごすのが、よいでしょうか。
  • 実は、単なる休息ではない過ごし方をデザインできるか考えてみるのが大事かも。
  • なぜなら、仕事が主で、休日が副という捉え方を超えてみると、人生を豊かにするヒントがあるからです。
  • 本書は、世界の一流の休日の捉え方を見つめる1冊です。
  • 本書を通じて、“OFF”をいかに“ON”に変えるか、その視点を得ることができます。
越川慎司
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あなたにとっての休日とは?

多くの日本人は、身体と心を休めることに休日を費やしているのではないでしょうか。

平日は一生懸命に働いて、ヘトヘト。そのリカバリーをするために、土日を使っているという人、少なくないのでは?

休日っていうくらいだから、そうだろう!という見方もあるかもしれませんが、世界の一流の休日の過ごし方を知ると、もっと別の選択肢を見出すことができるかもしれません。

また、それに従って、平日の在り方というのも逆算的に捉え方を変えていくことができるかもしれません。

世界の一流は休日に「自己効力感」を高めている。

具体的には、以下のような時間を積極的に持ちます。

1)趣味や好きなことをする。
2)家族や友人と過ごす。
3)読書をする。

このように、単に寝て過ごすとか、ダラダラして1日がなくなるとか、そういう休日とは無縁です。

なぜ、そのように精力的に活動できるのかと言うと、そもそも、平日の中でも上手にお休みを取っているからです。「疲れたら休む」のではなく、「疲れる前に休む」習慣を導入しています。

自分主体で考えて、少し詰め込んでしまいそうなタイミングで、力を抜いたり、あるいは、スケジュールが過密になってきたら、上手に息を抜いてみたり、そうした時間のマネジメントを上手にすることで、休日をお休みのための日ではなく、自分の活動時間として、有意義に使う前提をつくることができるのです。

私はこれを、体力と気力を使い果たさない「温存戦略」と呼んでいます。

温存戦略は良いスパイラル(好循環)をもたらします。

「しっかり休む」
  ↓
「疲れを取る」
  ↓
「体力と気力を回復させる」
  ↓
「自己効力感を高める」
  ↓
「仕事に前向きに取り組める」
  ↓
「仕事の効率が上がる」
  ↓
「仕事の生産性がアップする」
  ↓
「仕事の時間が短くなる」
  ↓
「働く時間が減る」
  ↓
「休みが増える」
  ↓
「しっかりと休める」

というこういう内容です。

このサイクルがイメージすることができれば、いかに休むことが重要か、そして起点になるかということが理解できると思われます。

しっかりと休むためには、効率よく仕事をする必要があります。
効率よく仕事をするためには、しっかりと休むことが大切です。
この2つの関係を上手に成立させていくことが、働き方改革の本来の目的である「企業の成長」と「社員の幸せ」を両立させていくことになります。

何かをするということをまず考えるのではなく、何をしないか?どう休んで、力の抜きどころを作るか?という視点で、ものごとを見つめてみるということも大切なのかもしれませんね。

休日のための平日?

世界の一流は、実は、休日の捉え方が異なります。

というのも、彼らは、「休日こそ主役」であり、平日のしごとは大事な休日のためにある、というスタンスで1週間を見ています。

基本的に、欧米企業には、時間外手当のようなものが存在しないケースが多いので、いくらたくさん働いても同じ給料です。であるならば、人の考えはシンプルに、いかに時間を短縮して効率良く働くか、ということになります。

どんなに遅くまで働いても金銭的メリットがありません。
メリットがないどころか、土日に働いたり、遅い時間まで仕事をしていると、周囲から「仕事が遅い人」と見られて、評価を落とすことになるのです。

ムリ・ムダ・ムラな作業を減らしながら、目的思考を支援してくれる仕組みであると捉えることもできるでしょう。

その代わり、できた時間において、自分を啓発したり、学びのスパイラルを作ったり、家族や友人のために豊かな時間をデザインしたり、そういうことを熱心に考えることができるようになるのです。

事実、マイクロソフトには、次のような言葉があります。

「ドゥ・モア・ウィズ・レス(Do more with less)」

より少ない資源で、より多くのことをする。マイクロソフトのカルチャーをうまく表している言葉だと思います。

資源は限られているという前提を強く意識すると、何が良いか?

それは、「見極める力」を養えるということでしょう。

仕事は、やろうと思えば、膨大に創り出すことができてしまいます。でも、時間という極めて貴重な資源は有限なのです。

だからこそ、何をすれば最も効果的なのか?考える必要があるのです。

すると、次のような暗黙のルールが次第に会社のカルチャーとして醸成してくることもあるでしょう。

1)全員参加の「情報共有会議」はリモートで開催。
2)決定会議を主体にして、決定権者だけが参加。
3)アジェンダ(議題)が不明確な会議は開催不可。
4)発言のなかったメンバーは次回から参加不要。

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自分のための時間をデザイン?

長期休暇には、特に自分を見つめ直し、自分を高めるための時間をデザインしてみることが、よりよい人生を積み重ねていくためには大切でしょう。

長期休暇の目的は「家族愛」を深め、「自己啓発」に努めること。

仕事では、ロジカル思考など「左脳」を中心とした思考をしがちです。日常的に使うシーンが少ないアート思考などの「右脳」を刺激することで、脳の働きが活性化して、さらに日常にもよい効果をもたらすことが期待できます。

人は脳の機能をフル活用できていないという研究もあるようですから、いかに自分の潜在能力を遺憾なく発揮することができるか、とても大切な視点です。

なにかものごとにワクワクしたり、エキサイティングしたり、そうしたポジティブな感性を発揮できるような瞬間を休日に作れるか、考えてみるとよいでしょう。

自分の好きなことを振り返ってみたり、美術館や博物館で刺激を得たり、あるいは、自然の中を散策して、自分の本能を刺激してみたり、いろいろなことをアクティブにしてみることで、ポジティブな刺激で、自分を満たすことができるのです。

こうして主体的に時間を使うこと自体、とても良い効果がああります。

主体的に時間を使うことを、私は「時間自律性」と呼んでいます。

「時間自律性」に気づき、それを高める努力をすることが、自分で自分を評価することにつながり、「自分を信じる気持ち」や「自己効力感」を高めていく効果を、期待することができます。

自己効力感が高いと次のような特徴を具備することができます。

1.新しいことに積極的にチャレンジできる。
2.どんなことでも素早く行動し、取りかかれる。
3.失敗しても、過度に落ち込まない。
4.できない理由ではなく、どうすればできるのかを考えられる。
5.周りから学ぶ姿勢を常に持つことができる。

「自己効力感」を高めていくためには、いかに自分自身を信じる気持ち、つまり自信を養い続けられるか、というマインドセットが不可欠です。

自己効力感とは、「自分は目標を達成できるだけの能力を持っている」と自分自身が認識することを指します。

自分自身を大切にするためにも、「自己効力感」というのはとても大切なキーワードになります。

他者と比べて自分を卑下したりするのではなく、まずありのままの自分の存在を見つめて、特徴や個性をいかに大切にすることができるか。

そのうえで、自分の感性を持って自分の1日、1週間、1年、そして一生を創っていくことができるかが、私たち一人ひとりが問われていることなのだと思います。

世界の一流の雑談についての1冊はこちら「【世界の雑談、何が違うの!?】世界の一流は「雑談」で何を話しているのか|ピョートル・フェリクス・グジバチ」からどうぞ。おすすめです。

まとめ

  • あなたにとっての休日とは?――単なるお休みの時間になっていませんか。
  • 休日のための平日?――休日と平日の在り方逆転させてみましょう。
  • 自分のための時間をデザイン?――自分自身と向き合うために、休日という機会を使いましょう。
越川慎司
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