富とリッチはどう違う!?『サイコロジー・オブ・マネー』モーガン・ハウセル,児島修

サイコロジー・オブ・マネー
  • どうしたらお金と上手に付き合うことができるでしょうか?
  • 実は、「リッチ」と「富」とが異なるということを知りましょう。
  • なぜなら、ここを間違えると大変なことになります。
  • 本書は、お金の真実を知るための1冊です。
  • 本書を通じて、豊かになるためのヒントを得て、今の自分を振り返る機会を作れることでしょう。

お金は心理がキー?

前回の投稿「富とは、心理次第!?『サイコロジー・オブ・マネー』モーガン・ハウセル,児島修」に続き、今回もこちらの1冊『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』のレビューを続けさせていただきたいと思います。

前回の投稿では、お金と心理について次のようなことを触れてきました。

ポイントその1
経済的成功の鍵は「お金の心理学(サイコロジー・オブ・マネー)」にあるということです。単なる金融知識だけでなく、人間の行動や心理を理解することが重要です。例えば、なぜ人々が無謀な借金をするのかという問題は、純粋な金融知識だけでは説明できず、人間の欲望や不安、楽観主義といった心理的要因を考慮する必要があります。

ポイントその2
「知足」の概念を重視することです。富の比較ゲームに参加せず、「自分はこれで十分だ」という満足感を持つことのが重要エス。過度な欲望は時として破滅への道を開く可能性があり、適切な「ブレーキ」をかけることを意識してみましょう。

ポイントその3
「複利の力」の重要性です。特筆すべき例として、投資家ウォーレン・バフェットの資産の大半が60代以降に構築されたという事実です。複利効果の威力は絶大なものがあります。この力は経済資本だけでなく、人的資本(スキルセット&マインドセット)や社会資本(人との縁)にも適用できるはずです。

重要なことは、過剰なリターンを目指すことではなく、「破綻しないように」自分という資本の運用を続けていけるか?という視点ではないでしょうか。

「裕福になること」以上に大切なのは「裕福であり続けること」

あらゆる計画において重要なことは、計画通りに進まない可能性を踏まえて、計画をしてみることです。

常に結果というのは、保証されているわけではありません。だから、どんな結果になっても、続けることができれば、その結末を先送りすることができるし、あるいは、その過程にこそ目的があったのであるということに気づくことができるようになるでしょう。

長い視点を忘れずに?

長い道のりには、浮き沈みがあります。長期的には確かに右肩上がりだったとしても、その途中には、たくさんの地雷が埋められているのです。

これをあらかじめ予測できているかどうかが、永続性にとって欠かせない視点となります。

「短期的には失敗しても、長期的には成功できる」という考えはすんなりとは理解しにくいが、この仕組みでうまくいっているものは世の中に無数にある。

一番身近な事例としては、人間の脳かもしれません。

シナプスはなんと2歳から20歳までの間に半減するそうなんです。これは、成長の過程で、不必要で、非効率な冗長性が取り除かれるためなのですが、単純にシナプスの量=思考力と一元的に考えている場合、とてつもない恐怖を覚えるはずです。

でも実際には、よりよい成長の過程でしかないのです。

経済も、市場も、キャリアも、「損失のなかでの成長」という似通った道筋をたどることが多い。

失敗はつきものであるが、それが、全体をすべて台無しにすることはないのです。自分や世界は、想像したよりもマシです。

だからこそ、なにかとんでもない運がころがりこんでも、それはエラーである可能性が高い。だから、それによって傲慢になったり、高慢な態度を取ることは、長い目で見てよろしくないでしょう。

優秀な人間が大失敗するのは、たいてい傲慢さが原因だ。

投資において「今日」何をするかはそれほど重要ではありません。

投資家の長いキャリアのなかで、今日、明日、来週に下す決断というのは、大きな違いをもたらさないということです。

間違いなく大切なのは、違いをもたらすことはなにか?ということです。

それは、「周りの人がおかしなことをしているタイミングや、まれにしか訪れない期間――おそらく全体の1%以下――に下す決断」なのです。

お金と正しい付き合いを?

なぜ「お金」が必要なのでしょうか。そこから着眼点をもって考えてみることも重要です。

お金から得られる最高の配当とは、「時間」をコントロールできるようになること。

冷静に考えましょう。お金は大切です。ですが、それはデジタルな数字にすぎないということも事実です。

どんなに高い給料よりも、どんなに大きな家よりも、どんなにステータスのある仕事よりも、「好きなときに、好きな人と、好きなことができる」生活の方が、実は幸福を感じやすいのではないでしょうか。

お金は、自分の時間をコントロールできるようにしてくれます。

どんなに好きなことでも、自分でコントロールできないと辛いのです。

そして、実際には本当の「富」とは見えないのです。これは事実です。

人は目に見えるものから誰かの豊かさを判断しようとするのですが、目の前にある唯一の情報だけによってはいけません。

私たちは「ウェルネス(富)」と「リッチネス(物質的豊かさ)」の違いを明確にしなければならない。

この違いを知らないことが数え切れない判断ミスに繋がるのです。

富(ウェルス)は目に見えない。それは、使われていない収入のことだ。富とは、後で何かを買うための、まだ取られていない選択肢だ。その価値は、将来的に今よりも多くのものを買う選択肢や柔軟性、成長をもたらすことにある。

お金と人生に関連する真理を見つめてみましょう。

  • 物事がうまくいっているときには慎重に、うまくいかないときには寛容に。
  • エゴを減らせば、豊かになれます(収入-エゴ=貯蓄)。
  • 「夜、安心して眠れること」を優先してお金の管理をすべし。
  • 投資で結果を出すための最大の秘訣は、時間軸を長くすること。
  • うまくいかないことがあっても問題ないと考える(半分は間違っても、資産は増やせる)。
  • 自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う。
  • 他人に富を見せびらかさず、誠実に人と接しよう。
  • 貯金をする。ただ貯金をする。貯めるのに特別な理由は必要ない。
  • 成功のために必要な代償を見極め、それを払う準備をする。
  • 「誤りの余地」を何よりも大切にする。
  • 端的な経済的判断は避ける。
  • リスクを好きになること。リスクは、時間の経過とともに利益を生む。
  • 自分がしているゲームを明確にする。
  • 多様な意見を認める。

私も絶えず、繰り返し見つめて、自分の考えをアップデート&見つめていきたいと思います。

まとめ

  • お金は心理がキー?――お金を考えるときは、人間心理に触れることがキーポイントです。
  • 長い視点を忘れずに?――人生というスパンでものごとを捉えて考えるようにしましょう。
  • お金と正しい付き合いを?――富と、リッチは、全くの別物であることを念頭におきましょう。
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