- どうしたら、人生の気まぐれに対応しながら、幸せを感じ続けることができるでしょうか。
- 実は、結果ではなく、過程をいかに重視できるかです。
- なぜなら、絶え間ない道程にこそ、人生の喜びを見出す実りはあるからです。
- 本書は、私たちの「充足感・達成感」を考える1冊です。
- 本書を通じて、人生をよりよく生き抜くためのヒントを得ることができます。

結果でないとしたら?
人生の中で、選択、リスク、最大限の努力などなどのミックスで、勝ち取る「成果物」は最高のご褒美です。よりよい結果が得られたときに、人はこの上ない多幸感に包まれて、次もそれを求めるようになります。
でも、成果に対して依存する状態が続くと、人生きつくなっていきます。
なぜなら、残念ながら、結果は絶えずもたらされるものではないし、いくら正しく努力をしたとしても、何らかのピンチや危機が訪れてしまうこともあるのが、人生だからです。
結果だけを期待することで、自分の人生を見誤ってしまうかもしれません。
さらには、そもそも「自分の人生を築きたい」と願うことも非常に多くのリスクを孕むかもしれません。
達成感と幸福は長続きしないのだ。
重要なことは、努力がムダだとか、選択やリスクテイクがだめだと言うことではなく、結果だけを目的に人生を運営することは、生きづらさへの道を行くことになるのではないか、という警鐘です。
結果志向の人生から一歩身を引くために、本書が提言するのは、次に上げられるような心構えです。
- 自分の人生を生きる。他の人の描く人生ではないということ。
- 毎日「自分の人生を築こう」とする。それを習慣にするということ。
- 「築く」ことを個人的な願望以上のなにか大きなものに結びつける。
その上で、人生の目的を次のような点においてみることです。
今していることに、「意味」があるということだ。
それを常に感じることができれば、充実感も得られるし、そして、自分自身に対する自尊心だって損なわずに、向上させていくことができるようになるでしょう。
自分自身が最大限、人生に対するエンゲージメントを高めることができるのです。
自分を見出すには?
自分の求める人生を、人生のスパンありきではなく、1日1日の単位で見つめてみましょう。
そして、自分が理想とする毎日を想像してみるのです。そこには、自分という存在の自己認識も必要になるでしょうし、あるいは、自分を取り巻く環境のありたい姿もあるかもしれません。
どのように仕事をしていたいのか、どのように家族との関係性を作り上げていきたいのか、あるいは、もっと日常に寄り添って、どこで、どんな景色の中で、仲間とともにありたいのか・・など。
自分の求める人生を生きることを左右するのは、こうしたイマジネーションにほかなりません。
そうしたイマジネーションが先だてば、きっと以下にあげる3つの変数を上手に組み合わせて、自分で素晴らしい1日を積み重ねていくことだってできるでしょう。
- アクション(行動)
- アンビション(願望)
- アスピレーション(志)
アクションとは、1日の間にするべきことすべてです。
アンビションとは、人生の中で「達成してみたいこと」です。さまざまな内容、さまざまな期限のものがあるでしょう。重要なことは、願望とは、1つではないということです。結果を求めすぎてはいけませんが、自分自身に願望がなければ、1日1日の積み重ねを前に進めていくことは難しいでしょう。
アスピレーションとは、「どういう人になりたいか」という、BEの問題です。
志とは、「何か新しいことを大切にする」ことを学ぶことだから、願望よりも長く続くもの、もっと育み守る価値のあるものだ。
信念というと、固く変化をしづらいものであると考えられるかもしれません。でも、本当の信念というのは、絶えず学び、繰り返し更新していくほうが良いのかもしれません。
でも大切なのは、それが独りよがりにならないことです。
こんな1冊「思いがけず利他|中島岳志」も多くのヒントを提供してくれるでしょう。ぜひあわせてご覧ください。

ひとりよりも、みんなのことを考えていくと、きっと楽しいですし、長続きしますし、幸福の手応えも大きくなるでしょう。

いまここを大切に?
自分の人生を主体的に築いていくためには、行動という過程が重要なのです。そのためには、どのような1歩を踏み出したいのか、というベクトルを持つことです。
単純かもしれませんが、大切なのは、まず「どのような人生を送りたいのか決める」ということです。そして、それが少しでも叶うように、歩みを進めていくということが、実はとても大切なのです。
その絵が描けるのはあなただけだ。
あなたに意見をしたり、後押ししたり、そうしたことで、人生に影響を与えてくれる人はたくさんあるでしょう。しかし、最終的な選択をするのは、あなた1人の問題なのです。
人生というのは、短いようで、長いものです。
自分の人生を作り上げていくというのは、想像以上に、長期戦であるということを忘れてはならないでしょう。
状況は絶えず変わります。自分の状態、周囲の状態、社会の環境、などなど、そうした変化する状況に応じて、人生のベクトルを、そして自分の行動の内容を絶えず見直していくことが、重要ですね。
とはいえ、見方によっては、人生というのはあっという間に過ぎ去っていくものです。
先延ばししている楽しみを楽しもう。
これらのことを意識してみれば、つまり「いまここ」をいかに充実したものにして、太く長い1日をくりかえすことができるか?ということになるかもしれません。
ぜひ、「いまここ」に集中しながらもう1つの重要なファクターである「他者への貢献」という視点も重視して考えてみましょう。
ピーター・ドラッカーさんも次のような言葉を残しています。
私たちの人生の使命は、何かしら有益な貢献をすることだ。自分がいかに賢いかとか正しいとかを証明することではない。
人生で有益なインパクトを得たいのであれば、ドラッカーさんの言葉を素直に受け止めて、自らを研鑽することをはじめてみることです。
また、自分の人的資本を振り返ってみましょう。人的資本を「信頼」という要素で検討してみることが大切です。
信頼は、人があなたを信頼し、あなたの言葉を信じれば、時間の経過とともに手に入る評判の質のことです。ここで重要なのは、互いに信頼の関係を築くという意味での、信頼であると捉えることです。
信頼を構築するためのステップは、2つです。
1)他の人が価値を認める何かに競争力をつけ、一貫して優れた仕事をすること。
2)競争力を認めてもらい受け入れてもらうこと。
信頼と承認が表裏一体となって、あなたの人生を切り拓く人的資本を充実させていくことになります。
まとめ
- 結果でないとしたら?――過程もとても大切な人生を構築するものです。
- 自分を見出すには?――人生において、どうありたいか?をまず考えてみましょう。
- いまここを大切に?――行動を積み重ねていき、信頼という資本を大きくしていきましょう。
