文化は作れる!?『パフォーマンスを最大化させるドキュメンテーション技術』千田和央

パフォーマンスを最大化させるドキュメンテーション技術
  • どうしたらカルチャーを創り出すことができるでしょうか。
  • 実は、言語化がポイントです。
  • なぜなら、カルチャーは意識しなければ見える化しないからです。
  • 本書は、GitLabという次世代企業が何をしているのかをレビューした1冊です。
  • 本書を通じて、効率性とは何かを考えるヒントを得ます。
千田和央,伊藤俊廷,佐々木直晴
¥1,980 (2025/01/28 17:29時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
Rakutenで探す
\商品券4%還元!/
Yahoo!Shopping

GitLabの行動原則とは?

前回の投稿「【言葉は壁を超える!?】パフォーマンスを最大化させるドキュメンテーション技術|千田和央」に続きまして、今回もこちらの1冊『GitLabに学ぶ パフォーマンスを最大化させるドキュメンテーション技術 数千ページにもわたるハンドブックを活用したテキストコミュニケーションの作法』を取り上げさせていただきます。

前回の投稿では、完全リモートで世界65カ国以上から2,000人以上の従業員が働くGitLabという革新的な企業を取り上げました。同社は開発プラットフォームとして、コード管理からレビュー、自動テスト、デプロイまでをオールインワンで提供し、Google、Sony、Nvidiaなどの大手企業にも採用されています。

GitLabの特筆すべき点は、そのオールリモート文化にあります。同社は創業以来、テキストコミュニケーションを重視し、高い生産性を実現してきました。特に注目すべきは、全社的なドキュメント作成の取り組みです。全従業員がドキュメント作成スキルを身につけ、「相手に伝わるかどうか」を常に意識しています。

情報管理においては、「SSoT(Single Source of Truth)」の原則に基づき、公式情報はハンドブックのみに集約。このハンドブックは「常に下書き」という考えのもと、継続的に改善されています。また、アジェンダやミーティングノートの活用により、目的志向のコミュニケーションを実現し、チーム間の認識の違いを最小化しています。

このように、GitLabは明確なルールと柔軟な改善の姿勢で、地理的な制約を超えたグローバルな協働の可能性を実証しています。テキストコミュニケーションを基盤とした同社の手法は、今後のAI時代における組織運営にも示唆を与えるものとなっています。

さらに今回の投稿では、踏み込んで、こうしたカルチャーをどのように作り込んでいけばいいのか?について、触れていきたいと思います。カルチャーは見えません。これをどのように取り扱っていくかがキーです。

GitLabには、6つの行動原則があります。どんな人もこの行動原則を守るように取り決めがされています。

1.コレボレーション
2.顧客の成果
3.効率性
4.ダイバーシティ、インクルージョン&ビロンギング
5.イテレーション
6.透明性

これらの内容が、GitLab Handbookにも明記されています。

GitLabでは「完璧なドキュメントは存在しない」という前提に立ち、「すべては下書きである」という考え方を持っています。

この考え方を元に、たとえ、GitLabの行動規範であっても、もしかすると絶えず改廃をしながらカルチャーを磨いていく余地があるというスタンスが持てるところがとても印象的です。

絶えず変化する時代においては、そうした仕組み(心構え)を共有すること自体がとても大切かもしれません。

ドキュメントに込めるものとは?

GitLabのカルチャーを支えているのは、上記のようなマインドセットの観点だけではありません。

実は、スキルセットをいかに高めていくのか?ということについても非常にきめ細やかなプログラムによる、フォローアップがあります。

例えば、GitLabでは、テクニカルライティングを学習したい希望者に対しては、まずGoogleのテクニカルライティングの受講をするように案内してくれるものです。

ドキュメントカルチャーを醸成するためには、ドキュメント作成が得意な人だけで取り組むのではなく、全員がドキュメントを作成できるように「仕組みを作っていく」というインクルーシブな視点が不可欠です。

前回の投稿でも記載の通り、オールリモート・全世界で組織化しているGitLabにとって、重要なのは、場所と時間を超えることにあります。そのためには、リアルなタッチポイントでのコミュニケーションに頼るのではなく、ドキュメントベースのコミュニケーションを行っていくことを志向しています。

ドキュメントにおいては、一定のルールがキーになります。

とくにGitLabでは、1つのドキュメントについて、次のような構成を前提とします。

  • サマリー(概要)
  • ディテール
  • サマリー(結論)

このような構成にすることで、受け手が何の目的の文章で、何が結論となっているのか、そして、ポイントはどこにあるのかを一目瞭然にし、その前提で、詳細な内容の確認をしていくことが可能になるのです。

こうしたフォーマットは、ある意味、普遍的なものかもしれません。

文章の構成の合理的なバリエーションについては、こちらの1冊「【自分の思考は、ハックできるか?】「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル|渡邉雅子」もぜひご覧ください。

ドキュメントでとても大切なのが、「ファクト」と「オピニオン」をしっかり区別することです。事実と考えと言えるかもしれません。これらを混同してしまうと、誤解を生じる元になってしまいます。

また、全体の構成を検討する時、GitLabでは、とくに「So What!?」を突き詰めます。そのことで、本当に書くべきことは何なのか?について検討をすることが可能だからです。突き詰めていくことが、結果的には、自分のために、ドキュメントが届く相手のためにもなります。

千田和央,伊藤俊廷,佐々木直晴
¥1,980 (2025/01/28 17:29時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
Rakutenで探す
\商品券4%還元!/
Yahoo!Shopping

カルチャーを作るには?

そもそもカルチャーを作っていく、ということを考えてみましょう。

カルチャーを作るとは、味方を増やして組織内の大勢を占めるということです。

味方を増やすためには、まずは、人と人としての良好な関係性を整えておくことが不可欠です。相手の事情をくみして、共感を示し、そして自己開示ができる場所であるということを、だれしもが感じることができるということ。

さらには、互いにどういった方向性を目指して互いに貴重な資源である時間を共有しているのか?あるいは、投じているのか?を確認し続けるための情報提供の仕組みがキーとなります。

組織とは、同じものをコミットメントすることができる人が集まる場であるはずです。GitLabは、そうした組織のプリミティブ(根源的な部分)について、触れ、次世代の働き方を作っていく見事なケーススタディなのです。

まとめ

  • GitLabの行動原則とは?――6つの原則を運用しています。
  • ドキュメントに込めるものとは?――常に相手のこととものごとの大切な部分を突くエッセンスです。
  • カルチャーを作るには?――互いの関係性の中で、同じ認識を共有できるかどうかです。
千田和央,伊藤俊廷,佐々木直晴
¥1,980 (2025/01/28 17:29時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
Rakutenで探す
\商品券4%還元!/
Yahoo!Shopping
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!