- どうしたら学びの習慣を身につけることができるでしょうか。
- 実は、「何を」をおさえれば簡単かも。
- なぜなら、どのようには、私たちはこれまでの学業のなかで、一定程度訓練されているからです。
- 本書は、大人の学び、勉強を考えるための1冊です。
- 本書を通じて、勉強を通じて、自分をアップデートしていくコツを知ります。

何を学ぶ?
著者・横山信弘さんは、大人の勉強について、「何を勉強するか」がわかることがキーであると語ります。
「何を勉強したらいいか」さえわかれば、自然と日本人は勉強するのだ。
人間の成長に大きな影響をもたらすのは、3つの要素からです。それは以下のように分類できます。
- 業務体験:影響度7割
- 他者からの薫陶:影響度2割
- 研修・読書:影響度1割
これらの影響度は、高い低いにかかわらず、それらをどのように取り組んでいたか、習慣にすることができたかで、そうでない場合と比べて大きな差を生み出すことが想像できるでしょう。
なぜなら、上記の3つの経験や体験というのは相互に影響を与えていると考えることができるからです。
そして私たちは、最後の「研修・読書」という時間をどれだけ工夫して作れているか?ということです。
上の2つの経験や体験というのは、行動量を増やしていれば、あるいは、会社で仕事をしていれば、自然と触れられることもたくさんあると思います。
しかし、最後の「研修・読書」というのは、自分で自覚的にならなければ、その時間を持つことはできないのです。
大切なのは、仕事と勉強を分けないことです。
どういうことかと言うと、仕事の中で必要な視点や論点を絶えず勉強のテーマとして利用してしまうということです。
例えば、アンケートを行って、その集計が必要になったとした時に、AIプラットフォームを活用するとしましょう。そのAIはどういうものか、どういうAIがあるのか、そもそもアンケートを分析するということはどういう意味があるのか、そして、それらにはどのような手法があるのか、そうした着眼点を列挙しながら、勉強のテーマをスピンさせていきながら、自分のスキルセット、マインドセットをアップデートしていくヒントを得るのです。
視点を縦横無尽に揺らせ?
社会人の勉強において、はじめやすさ、継続のしやすさということはとても重要な論点です。
社会人が勉強するとき、その目的は「勉強すること」そのものでかまわない。
これは山登りと似ています。山が好きな人は、山に登りたいから、そこに山があるから登ります。その純粋な目的を果たそうとしていると、結果的に素晴らしい気分になったり、とてつもない風景に出会えたり、あるいは、写真として残すことができたりします。
そういうただ、それに触れているのが、好きだから、なんとなく、必要そうだからという気持ちで、まずは何かを調べることからはじめてみることが大切です。
勉強をしている時に、とくに意識したいのが、「なぜそうなるか」ということです。
日本人はこれまでの義務教育の結果、知識をインプットすることにとても慣れています。
でも、本当に生きる知恵というのは、そういう断片的な知識だけではなく、そこからいかに背景や仕組みやシステム全体に思いを馳せることができるか、ということです。
ものごとを抽象的に理解していく行程と捉えてみても良いかもしれません。
抽象化については、ぜひこちらの1冊「【「わかりやすい!!」は、本当に価値なのか!?】具体と抽象|細谷功」もあわせてご覧いただけると嬉しいです。

視点を高めて、鳥の目になってものごとを見つめてみたり、あるいは、さらに解像度を上げて、虫の目でものごとを探ってみたり、さらには、世の中の流れを、魚の目で見つめてみたり、視点や視座の移動によって得られることはたくさんあります。
そうした視点の移動をすることによって、自分という存在に気づきやすくなります。
社会における自分、プライベートにおける自分、さまざまなシーンやシチュエーションでいろんな自分に出会うことで、自分の行動や決断を俯瞰して、吟味、検討することができるようになるのです。
1)超越して見る
2)違う立場で考える
3)大きな絵をかく(ビジョン)
こうした視点を縦横無尽に体験し続けることが、勉強により良い影響を提供し続けます。

高い山へ?
勉強を続けるうえで、テーマ設定は重要です。何を学ぶかを自分の中で決めることは、最初の一歩を踏み出す力になり、継続にも関わります。
大切になるんは、「マスト(Must)」=べきである。に加えて「ナイス・トゥ・ハブ(Nice to have)」=あったらいいかも。なことも含めておくと良いかもしれません。
理由は大きく2つあります。
1)大きな強みになる。
2)時代が変化していっても、役立つ可能性が高い。
「ナイス・トゥ・ハブ(Nice to have)」=あったらいいことは、必須ではないかもしれないけれど、あったほうがいいかも!な知識やスキルに焦点を当てることができます。
よく考えてみることかもしれません。そうしたことに注目して、継続的に勉強し続けられる人がどれだけいるか・・、そして何より、そうしたこと自体が、最上の喜びとして体内化している人がどれだけあるか。
まさに自分との対話が大人のための勉強であるといってもよいかもしれませんね。
自分は何者で、どこへ向かっているのか、それを知らずして、勉強のテーマを定めることはできないからです。
勉強を続けるうえで、大切なのは、サイクルを回して、習慣化をはかることです。
1)仮説を立てる
2)立てた仮説を検証する
3)仮説が正しいっぽくなるまで(1)へ戻る
4)仮説の通り実践する
5)実践結果を元に仮説を検証する
6)仮説が正しいっぽくなるまで(1)へ戻る
これらのサイクルを回し続けることが、勉強であり、学びなのです。
課題を分析して答えを出すのではなく、まず答えを出し、それを分析して証明する思考法である。
こうした論点を身に着けて、まず行動してみること。その行動からまた新しい景色が見えてきます。
高い山へ登ることができる人とは、そういう人のことを言うのかもしれません。
まとめ
- 何を学ぶ?――それさえあれば、大人の勉強は進んでいくはずです。
- 視点を縦横無尽に揺らせ?――自己認識を進め、勉強を継続させます。
- 高い山へ?――結果は結果論、その行程にこそ喜びを見出してみましょう。
