自分を確かに!?『STOIC 人生の教科書ストイシズム』ブリタニー・ポラット,花塚恵

STOIC 人生の教科書ストイシズム
  • よりよい人生のため、なにか、ガイドラインとるような考え方はないでしょうか。
  • 実は、ストイシズムというローマ時代の哲学を学ぶのが良いかも。
  • なぜなら、2000年以上、賢人・偉人の心とともに、磨かれてきた考えだからです。
  • 本書は、ストア派の哲学を学べる1冊です。
  • 本書を通じて、よりよい人生のためにできることを知ります。
ブリタニー・ポラット,花塚恵
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ストア派の精神とは?

ストア派の哲学は、よりよい人生のための手段として2000年以上にわたって、試され続けて、その効果が実証されてきました。

ストイシズムは、本当の意味で、人生の哲学であると言えます。

この哲学を生活の基盤としてすえることができれば、キャリアの選択から、今日1日のすごしかたまで、ありとあらゆる決断を“正しい方向”へと導けるようになるでしょう。

変化の激しい時代と言われて久しいですが、そうした前提を覆すような連続の中でも、地に足をつけて人生を歩んでいくことが可能になります。

ストイシズムは、私たちを内面の豊かさに引き戻し、自分でコントロールできることに意識を向かわせてくれる。

その他の哲学とは異なるアプローチで、かつ、実践的でポータブルな考え方を提示してくれます。

ストイシズムは、「4つの美徳」を重んじます。

1.知恵:うわべだけに囚われない力。
2.正義:他人に思いやりを持つ力。
3.勇気:苦難に向かう力。
4.節制:衝動を抑える力。

これらを良しとして、そのために何ができるかガイドラインとしての考え方を提示してくれます。

ぜひ、ストイシズムの考え方に触れて、これまで大切にしてきたことを一度疑ってみると良いかもしれません。その視点は、まず、「自分がコントロールできるか、そうでないか」です。

いくら自分がコントロールできないことについて、問題として認識しても、それに対してどうすることもできません。例えば、他者についてのことがあげられるでしょう。

仕事などでどうしようもない状況に陥ることは、大抵が人の問題だったりします。そういうときに、他者に問題の根源を見つけてしまっては、それがコントロールすることができないので、いつまで経っても辛いままです。

そうではなく、自分の問題として解決可能、つまりコントロール可能な領域でものごとを捉えてみるのです。すると、自分の考え方や行動が少しずつ変容していく中で、よりよい方向へと向かう機会を得ることができます。

このように変化を歓迎してみることも、ストイシズムの考え方の1つです。

変化とは?

変化について、人は、怖いと感じることがあります。変わらないことは、それは、とても不自然なことかもしれません。

なぜなら、人もそしてそれを取り巻く世界も、絶えず変化しているからです。

実際に、人は、数ヶ月~数年で、完全に細胞が入れ替わるくらいの大きな変化をしているのです。それに気づかなように生物としてできているのがすごいですが、案外、前の自分とは全く違う自分に常になり続けていると考えてみれば、変化に対しての向き合い方も変わってくるように思います。

変化とは単純に、ある状態から別の状態に移行するだけにすぎない。

変化は人生にとって自然なこととして受け入れ、抗うべきことではないとするのが、ストア哲学の考え方です。人は、自然のままにあることが、徳への近道なのです。

そして、自然に抗わないことは、理性的に生きていくということでもあります。なぜなら、人は理性を持った動物に他ならないからです。

変化が起きたときには、それを崩壊ではなく、なにか新しいものへの「移行」であると捉えていくことが理想です。

老化、病、喪失などによって、辛い変化というものも、捉え方を変えて、受け入れることができるようになるように考え方を整えることができます。

また、そうした変化を前提に、変化に対してOPENに生きていると、「いまあるもの」に対してかけがえのないものであるとの認識を新たにすることができるでしょう。

人との出会いも、ゆとりある時間も、そして仕事や、取り組むべきことがらも、それらはすべて奇跡的に今個々にあるのです。

そうしたものごとに対して、真摯に向き合っていく力を養うためにも、変化を受け入れるということが重要になるのです。

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自分は自分?

目の前にあるものごとをただ、受け入れるように生きてみましょう。

この世界の大きな生きたシステムのなかで人間として経験することを素直に受け入れやすくなる。

ストイシズムでは、痛みも喪失でさえも、喜びや満足と大きくは変わらない人間の経験の一部であるとみなします。世界の根底にある性質として、ただ存在するものにすぎないのです。

ただ、目の前にあるものを受け入れて生きていくとき、その覚悟を決めた時に、かがやく目の前の世界を目の当たりにした時に、人は内面的な充実感を感じるとともに、心の平静を伴って、自分と世界との関わりをさらに深く見つめていくことができるでしょう。

「コントロールできることと、できないこと」その2つを考えていくと、つきつめれば、「自分」の判断や考え方、行動は、すべてがコントロールできる領域として引き寄せられることに、気づきます。

情欲から自由になると、心が穏やかになり、安らぐことができる。

感情でさえも、自分の意識が拡張させているものにすぎないという視点をもって、自分の心を見つめてみることからはじめてみましょう。

いま何をみていて、何を感じているのか、それは、まったくもって自分が作り出したものにほかならない。

そうした俯瞰した視点をいかに獲得できるかが、生きることについて考える基盤を作っていくためには、大切なのです。

他者から自分の選択をどう思われても、自分という人間は何も変わらない。エメラルドは、周囲に称賛されていなくても、光り輝く緑色をしている。

自分をいかに立ち上げていくか。そのための視点はなにか。

ストア派は、2000年の時を越えて、普遍的なものごとの解釈を持って、わたしたちに問いかけています。

ストア哲学の考え方については、こちらの1冊「【人生は“見立て”次第である?】奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業|荻野弘之」もぜひご覧ください。おすすめです。

まとめ

  • ストア派の精神とは?――4つの美徳を重んじ、自然と調和する思想を掲げます。
  • 変化とは?――それこそが自然であり、抗うべきことではないのです。
  • 自分は自分?――周囲がどうであれ、自分という存在はゆらぐことがないでしょう。
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