- 家族全員がウェルビーイングを目指していくには、どうしたらいいでしょうか。
- 実は、一緒の思い出づくりが大切かもしれません。
- なぜなら、思い出は最高の癒やしを提供し続けてくれるからです。
- 本書は、SNSで話題のむぴーさんが実践したいと考える99のヒントです。
- 本書を通じて、家族というチームの可能性を考える機会を得ます。

等身大の思い出を!?
むぴーさんの漫画は、等身大で飾らず、子育ての難しさや楽しさ、普遍的なことが描かれていて、拝読していると優しいい気持ちになれます。むぴーさんが子どもを産んで、そして家族とともに育てる過程は、子どもだけではなく、大人の成長過程を見ているようでもあります。
子どもがあまりにも小さくて、生まれてからすぐには、何もできないので、子どもの成長に焦点がいきがちですが、でも実際には、大人も子どもと一緒に同じように頑張って成長しているんですね。
そして家族にメンバーが増えることで、家族の形もどんどん変わっていきます。1週間前に当たり前だったルーティンが、すぐに見直されて、みんながその新しいルーティンに対応していくということはざらです。
部屋の模様替えも非常に頻繁です。特に0~3歳に至るまで、子どもの活動範囲は驚くほど広がるので、それに対して安全な空間を作り続けていくことが大切なになるからです。
変化を絶えず受け入れながら、それに対して対応していくという工夫。暮らしぶりを変えたり、環境を絶えず整えるというのは、もしかしたら、生まれてこの方経験したことがない取り組みかもしれません。
職場を想像しても、そんなに大きな変化は日常的にあるものであありません。むしろそんなに激変だったら、事業としての安定性が担保されている職場から疑わしいです。
子どもを育てるということに関して、変化をポジティブに受け入れていく経験を積むことなのであると言うこともできるかもしれませんね。
家族みんなで「楽しいこと」を共有すると、何気ない1日が、楽しくて忘れられない思い出にきっとなりますよ。
本書の中で、むぴーさんは、家族との毎日をいかに楽しいものにできるか、そこに変化のエッセンスを加えてみては?と提案してくれています。
互いに新しいを楽しむ?
むぴーさんの楽しいことリストは、とても等身大です。
例えば、リスト06、まっ暗お風呂という提案では、お風呂の照明をおとして、外のランタン・ライトだけで入浴してみるというものです。いつものお風呂をちょっと変えるだけで、子どもたちも、そして大人も変化に気づくことができるでしょう。何より、照明を消しているだけなのに、楽しい!というのがポイントです。
むぴーさんによると、食事も思い出の時間に早変わりします。
リスト19、ごはんの友の会。これは、ごはんが進むようなおかずを沢山用意して、食べ比べてみるというもので、それぞれが好きなものを発表したり、新しい組み合わせをトライしたりできる催しです。
これも非常に簡単にできるのがポイントです。
また、子どもとの関係性をアップデートするような取り組みもリストには用意されています。
リスト56、おうちアルバイトです。
これは、それぞれ(おとなもこどもも)助けてもらいたいことに対して“求人広告”を掲出して、気になるものがあれば、やってみるというものです。
対価としておこづかいを設定してあげてもいいし、あるいは、やってもらいたいことを互いにしてみるということでも成立しますね。
これによって、楽しく家事やお困りごとにトライする機会を得るだけではなく、新しいことに互いが挑戦する機会にすることだってできるはずです。
また、子どもも大人も互いに新しいいち面を見つけることができるようになるかもしれません。
いつか子どもたちがおとなになったときに
「あのとき、すごくたのしかったなぁ」
と、ふと思い出してもらえたら、
それ以上にうれしいことはありません。
家族の思い出というのは、案外日常の中の、少しの変化の中にあるのかもしれませんね。
そして、そういう日常のエッセンス、スパイスをあえて楽しむ工夫が、家族みんなのウェルビーイングにつながっていくのかもしれないと思います。

実行のヒントは?
最後に、むぴーさんが、実践のヒントを用意してくれています。
以下の3つをヒントにぜひ、日常の中でエンターテイメントを作ってみましょう。
1)前に実の夜に何をするか決めておく
当日決めるのもサプライズがあってよいのですが、前日のうちに「明日はこれをやろうと思うんだけどどう?」と子どもたちに伝えておくと、すごく楽しみにして、より早く寝ることもあります。朝も自主的に準備をしてくれるし、家族が一体となることも期待できます。
2)キーワードは「いつもとちょっと違う」
主役は子どもたちと、自分たちです。お金をどれだけかけたか、どれだけ遠くへ出かけたか、ということが大切なのではなく、いかに楽しい時間を過ごせるか、ということです。
いつもとちょっと違うという要素を盛り込んで、ワクワクを作ってみましょう。
- いつもと寝ている部屋でないところで寝る。
- いつもと違う場所で食べてみる。
- いつもならやらないことをする。
などなど、そんなちょっとした工夫(例えば、枕の位置をかえてみるとか、そういうことでもOK!子どもは、楽しみを見つけてくれます)を楽しんでみることが、大切です。
3)楽しかったことは、何度でも「またあれやりたい!」と言われる
子どもは楽しいことに貪欲です。楽しいことは覚えていて、「あれやりたい!」「またやりたい!」とリクエストしてくれます。そうした手応えを元に、いろいろなことにどんどんチャレンジしてネタを増やして、あるいは、組み合わせてバージョンアップしていくのも面白いかもしれませんね。
4)写真や動画で記録を残す
どんなに楽しい思い出も、月日が立つと忘れてしまうものです。そんな時にも思い出せるように、アルバムや写真をデジタル上でまとめておくことなども大切です。
息子と娘と過ごすふとした瞬間に、ずっと忘れかけていた当時の記憶を思い出し、私もこどもたちに楽しい家族を作ってもらいたいなと思うようになりました。
生き方の本を読んでいると、過去の思い出をヒントに、自分がどんな存在かを自覚的になってみることを説く内容が多いです。思い出というのは、自分の特性という琴線に触れられるとても大切なファクターなのかもしれません。
子育てについては、こちらの1冊「【子育ては、子どもだけではなく、「自分自身」と向き合うこと!?】父と子の絆|島田潤一郎」もおすすめです。ぜひご覧ください。

まとめ
- 等身大の思い出を!?――日常の中にちょっとの変化を引き入れて楽しみましょう。
- 互いに新しいを楽しむ?――お互いの新しいいち面を探しましょう。
- 実行のヒントは?――4つのヒントを活用して、続けてみると楽しいです。
