- どうしたらチーミングがうまくいくでしょうか。
- 実は、キーポイントを、幸福度に据えてみるのが良いかも。
- なぜなら、幸福度と売上高の相関関係はあるからです。
- 本書は、チームのウェルビーイングを検討するための1冊です。
- 本書を通じて、どうしたら、よりよいチームの協働が引き出せるか、ヒントを得ることができます。

幸福度は何に効く?
幸福度と売上高には、相関があります。すなわち、幸せを感じていられているかどうかが、より良い成果につながるということです。これは、双方が影響をし合うことで、さらにより良い状態へと導かれることになります。
幸福度の高い従業員ほど、成果も上司の評価も高い。
以下は、幸福度が高い人に見られる特徴です。
- 創造性テストの得点が高い
- 上司からの評価が高い
- 信頼できる友人や同僚の数が多い
- 他の従業員を助け、組織を守り、生産的な提案をし、自分の能力を向上させる
- 離職率が低く、会社への報復的行動をしにくく、仕事で燃え尽きにくい
- 欠勤しにくい
- 時間や努力のコストを度外視せず、最適で満足度の高い意思決定をする
いずれも比較対象として、幸福度の低い方と比較した際に、優位に出現している項目です。
働く人の幸せに関連する「7つの因子」を見つめてみましょう。
- リフレッシュ因子・・ほっと一息できるかどうか。
- チームワーク因子・・ともに歩むことができるかどうか。
- 他者承認因子・・・・周囲の人に、見てもらえているか。
- 他社貢献因子・・・・誰かのためにという視点を得られているかどうか。
- 自己裁量因子・・・・マイペースに仕事が進められるかどうか。
- 役割認識因子・・・・自分ごとにできるかどうか。
- 自己成長因子・・・・新たな学びを得られているかどうか。
これらをうまく向上することによって、幸福を感じやすい状況を作りやすくなります。
なぜポーラは幸せか?
本書は、ポーラ社長である及川美紀さんと、幸福研究に携わる前野マドカさんによる、チーミングを考える1冊です。
ポーラは、企業理念を「永続的幸福」に据えます。
「永続的幸福」は、同社の事業内容と深く結びついています。
まず、ポーラレディによる訪問販売システムは、単なる商品販売を超えて、顧客との継続的な関係構築を重視しています。これは美の伴走者として、顧客の長期的な幸せに寄り添う姿勢の表れといえます。
また、同社は研究開発に積極的に投資し、肌分析や新素材開発を通じて、持続可能な美容効果の追求に取り組んでいます。さらに、個々の顧客に対する丁寧なカウンセリングアプローチは、一時的な解決策ではなく、その人の人生に寄り添う長期的なケアを可能にしています。
加えて、ポーラレディとして働く女性たちへの支援は、従業員の経済的自立と働きがいの創出につながっています。これは顧客だけでなく、従業員の「永続的幸福」も追求する姿勢の表れです。このように、ポーラの事業モデルは短期的な利益追求ではなく、顧客と従業員双方の持続的な幸せを実現する仕組みとして設計されており、それが「永続的幸福」という理念に結実しているのです。
ポーラレディと、顧客のリアルな接点は、当社にとって貴重な価値創造の場でした。
しかし2019年、コロナウイルスが猛威をふるったタイミングで、そうした活動全体の見直しをせざるを得ない状況になってしまったと言います。
大荒れの海に翻弄されながら「北極星」を探す船乗りのような気持ちで、会社の存在意義までさかのぼって考えました。
そこで、当社が理念としてすえる「美と健康を願う人々および社会の永続的幸福の実現」に向けて、本当に何ができるのか、いかにあるべきか?ということ、根本を問うたのだと社長は語ります。
ここから、ポーラの幸せ研究所の立ち上げがスタートしました。
当初は、業績につながるのか?今、優先するべきことか?という意見も会ったそうですが、社長自ら、20~30代の現場の経験を振り返りながら、短期的に売上や業績を求めることも確かにできうるが、中長期的にお客様に喜んでいただくには、本当に必要なものを提案し続けることであるということを考え、研究所の展開を進められました。
お客様が求めることを叶えることができれば、リピーターになっていただき、さらには、もしかするとポーラレディ担っていただくことで、仲間として、ポーラの世界観をより裾野広く伝えていくことができるようになるでしょう。
長期的な収益を得ることで、さらにポーラは、ゆとりをもって、幸せの形を追求していくだけの余白を得ることができます。

よりよいチーム7箇条とは?
本研究所で重視するのは、いかに人とともに幸せを感じ、そして、一緒に働くことができるのか?という、社会的な動物である人の根本にふれる課題です。
そのために、リーダーがいかにものごとを考えることが重要なのか、そしてメンバーとどういった関係性を作ることがキーポイントになるのかを、明確化しようと考えました。
お手本は、これまでにも幸福のタネをまき、そして大きく育ててきた経験のある、ポーラショップのオーナーたちです。
彼女たちへのインタビューを通じて幸せなチーム作りの7箇条をまとめました。
1)対話する・目をつむらない
2)ジャッジしない・正解をもとめない
3)執着しない・リセットする
4)任せる・委ねる・頼る
5)経験を教訓にする
6)相手を変えるのではなく自分が変わる
7)愛のループを自分からはじめる
こうしたマインドセットを備えた人がリーダーとして人に対してより良い影響力を発揮し、他者をも結果的にポジティブに変えていくことができます。
チームを信じる謙虚なリーダーこそ強い。
大切な論点は、「いま行っていることは、チームみんなのしあわせに寄与しているかどうか」ということです。
幸せというのは、もっとも根源的な問いです。企業の存在意義も、パーパスも、ミッションも、一人ひとりの幸せを実現するために、帰結するのだと思います。
企業だけによらず、視野を広げて見ると、家族も、友人同士も、趣味のサークル、地域コミュニティだって、みんなチームなんですね。
いかにポジティブなスパイラルを描くことができるか。
やりがい、生きがい、そして成果の獲得に、みんなの力を掛け算することができるかどうか検討してみることが大切なのだと考えます。
ポーラ幸せ研究所の取り組みについては、こちらの1冊「【自分の人生を、自分で定義するのが大切!?】人生後半 幸せ資産の増やし方|佐野真功」もぜひご覧ください。

まとめ
- 幸福度は何に効く?――幸福を感じていること自体魅力的ですし、そして、成果にも繋がります。
- なぜポーラは幸せか?――幸せという根源的な価値を提供することを使命にしています。
- よりよいチーム7箇条とは?――7つのポイントを重視して、自ら問いかけて自分のために、チームのために活動を続けましょう。
