- どうしたら毎日を豊かに楽しく暮らしていくことができるでしょうか。
- 実は、我慢をしないことです。
- なぜなら、結果だけに価値を見出すのではなく、過程にも価値を見出すことが大切だからです。
- 本書は、人生を豊かに構築していくためのヒントを提供してくれる1冊です。
- 本書を通じて、どうしたら楽しみのある人生を作れるのか、多くの考え方を見出すことができます。

結果ではなく、過程(プロセス)?
我慢、我慢の連続の先に、「楽しさ」や「幸せ」を期待しても、もし結果が伴わなかった場合どうしましょう。
大切なのは、明日の楽しみのを期待しすぎてはいけない、ということです。いまここで(を)楽しむということです。
アリとキリギリスのお話を覚えているでしょうか。
暑い夏の日、アリはせっせと冬支度のために働きます。一方で、キリギリスは、冬支度なんてそっちのけで遊んでしまいます。冬になるとアリが温かな家で食事にありついている様を見て、後悔するキリギリス・・・。
このお話の一般的な教訓は、備えることが重要であることを説き、時には、我慢、努力をしていくことも大切であることを伝え続けています。
しかし、論点をずらしてみると、アリでも、キリギリスでもない生き方が見えてきます。本当に両者が、今を大切に幸せに楽しく暮らしていたか?という問いを持って、彼らの行動を見てみることです。
大切なのは、アリのように常に備えながら、それ自体をキリギリスのように楽しめるようにするにはどうしたらいいか?という問いです。
「仕事か遊びか」という二者択一がそもそもの間違い。
やりたいことは後で楽しもうと思っても、残念ながら果たされないことだってたくさんあります。後で楽しもうと思っても、そのときには、できなくなっているか、あるいは、興味が別のところにいって、楽しいことではなくなっている可能性があるというのも事実だからです。
いまここで興味関心が向いたものが、あなたにとってのベストであるということが、真実かもしれません。いまを楽しめるように、いま楽しむしかない、そうして楽しんでいるうちに、目の前に大きななにかが開けてくるようなそんな感覚を感じてみるのはいかがでしょうか。
そうして考えてみると、仕事も遊びも関係ないことになってきます。仕事だって、自分が好きなことで、得意なことを夢中になって探して見れば、それ自体が遊びのようにもなってくるからです。
「楽しむ」人が「仕事」で結果を出せる。
楽しむことは、リラックスして、自分の能力を100%出し切ることができます。豊かな想像力を味方に、相手とのより豊かな関係性を創っていくことができるようになります。
楽しむことが最高パフォーマンス?
実際に、「がんばればがんばるほど、パフォーマンスは低下する」ことがわかっています。
事実、いやいや仕事や勉強をしている人のパフォーマンスは、1/2程度にまで落ち込んでいるのに対して、楽しんでいるひとは、その4倍。通常の2倍近いパフォーマンスになるといいます。
人が楽しんでいる時は、脳内でドーパミンが噴出して、それが効率をUPさせるのです。一方で、楽しくない状況には、ストレスに身構えるためにストレスホルモンが作用して、パフォーマンスを下げます。
こうして時間を過ごしていると、両者には大きな差が生まれてきます。楽しんでいる人のもとには新しい機会が提供されるでしょうし、反対に楽しめていない人には、そういうチャンスも訪れることは乏しくなっていくでしょう。
あるいは、チャンスがきたとしても、それをチャンスとして捉えることができずに、現状維持を繰り返していく可能性だってあります。
遊びは、5つのメリットをもたらします。
- 創造性を鍛える。
- さまざまな仕事力がアップする。
- チャレンジ力が養われる。
- 心と身体の健康が培われる。
- 幸せを感じられる。
いずれも長い人生を考えた時に、とても重要な要素となります。なぜなら、それぞれの要素が絡み合いながら、私たちに「本質的な学び」のスパイラルを提供するからです。
今後10~20年は「創造性」のある人間が成功する時代になるでしょう。
学びというのは、世界を認識して、そこに疑問やギャップ、違和感を感じ、それらを突き止める動きを重ねていくことです。そうした、活動というのは、一生涯続けることができるし、むしろ一生学びのある人生を過ごすことが、さらに幸せを感じられる時間を提供してくれると言ってもよいです。
創造性とは試行錯誤です。
試行錯誤してみるというマインドセットを作るのは、どうやら楽しそうだ!という直感です。

自分を知ろう?
広い世界に刺激を受け続けるということも大切です。そのためには、日常生活で、いろんな場所に出向き、いろんな属性の人に会ってみることが大切でしょう。
そういう時間が取りづらい人でも、本にそうした出会いを求めることもできます。
本は、著者とのパーソナルな対話の時間を提供してくれるからです。自分のそれまでの思考や、アイデアをまとめる時間にも読書の時間はおおいに役立つことがあります。
もやもやと考えていた、仕事のこと、遊びのこと、生活のこと、そして、人生のことについて、著者の考え方に触れることで、それらと呼応して、自分の考え方に改めて気づいたり、言語化できたりといった効果が期待できるのです。
読書体験とは、自分との対話であると言ってもよいでしょう。
読書は「脳の肥やし」であり「人生の肥やし」です。
結局は、自分をよく知るということに尽きるのかもしれません。自分という存在は、誰も「あなたはこうですよ!」と教えてくれるものではありませんね。
それこそ、学校では教えてくれないことなんです。でも気づけば、私たちは、義務教育で知識をインプットして、ものごとを捉えるヒントを獲得しますが、それはあくまで自分から見た外の世界との接点を見出すということです。
実はもう一つ大切な、自分自身を見つめるという論点については、なかなか教えてもらえないし、体験することができません。
自分という存在は、鏡に写して積極的に観察することをしないと、ごく当たり前の存在であるし、見つけることが難しいのです。
もっともっと自分という存在を認知して、その上で、自分が何に楽しさを覚えるのかをよく見つけてあげることが大切でしょう。
自分と向き合うための娯楽のチョイスもキーです。
受動的娯楽の特徴(=消費型娯楽):
- 精神的・身体的な努力をほとんど必要としない
- すぐに快感が得られるが、その感覚は一時的で深い満足には繋がりにくい
- テレビ視聴や SNS のスクロールなど、容易に受け身で楽しめる
- テレビ、ゲーム、スマホなどなど
- リラックスはできるが、スキルの向上や成長の機会は少ない
- 長時間続けると空虚感や罪悪感を感じやすい
能動的娯楽の特徴(=自己投資型娯楽):
- 適度な精神的・身体的な努力や集中力を必要とする
- スポーツ、創作活動、楽器演奏など、自ら参加して取り組む活動
- 技能の習得や上達による達成感が得られる
- 「フロー状態」に入りやすく、時間を忘れて没頭できる
- 活動自体が目的となり、内発的な動機づけが生まれる
- 長期的な人格の成長や生活の質の向上に寄与する
今日の1日という貴重な時間の過ごし方のヒントになれば幸いです。
樺沢紫苑さんは、精神科医でありながら、多くの生き方の著作を発信し続ける方です。どうしても、作家になりたい、そこに自分の楽しさがあるみたいだ!と信じて、楽しみながら読書やアウトプットを続けていったところ、ヒット作にも結果的に恵まれたといいます。
ご自身の体験を持ってしても、楽しい生き方を語ってくださる姿は、とても刺激的です。
樺沢紫苑さんの著書については、こちらの投稿「【実は3:7がベスト!?】学びを結果に変えるアウトプット大全|樺沢紫苑」やこちら「【幸せな毎日の作り方とは!?】今日がもっと楽しくなる行動最適化大全 ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す|樺沢紫苑」もぜひご覧ください。


まとめ
- 結果ではなく、過程(プロセス)?――結果は100%期待できませんが、過程は応えてくれます。
- 楽しむことが最高パフォーマンス?――楽しむことで、より良いスパイラルへと導かれます。
- 自分を知ろう?――自分をよく知ることで、楽しさをより発見できるようになります。
