【自分の人生を、自分で定義するのが大切!?】人生後半 幸せ資産の増やし方|佐野真功

人生後半 幸せ資産の増やし方
  • どうしたら、人生後半をより豊かに生きることができるでしょうか。
  • 実は、大切なのは、幸せを感じるためのヒントを獲得し続けることかも。
  • なぜなら、幸せは、積極的に認めないと、感じることができないからです。
  • 本書は、ポーラ幸せ研究所の佐野真功さんによる100年時代の生き方に関する1冊です。
  • 本書を通じて、「幸せ資産」を増やしながら、豊かな人生を創り出すヒントを得られます。

100年時代を生きるには?

美容業界で長年の実績を持つポーラショップ。まずは、その独自のビジネスモデルと、最新の取り組みについてご紹介します。

ポーラショップの核となっているのが、「ビューティーディレクター」と呼ばれる個人事業主による委託販売モデルです。ビューティーディレクターはポーラと契約を結び、美容商品の販売と美容カウンセリングを行います。この仕組みにより、それぞれが自身のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現できます。

近年、ポーラは従来の個人事業主モデルに加え、新たに法人設立モデルを導入しました。これにより、ビューティーディレクターは法人として事業を展開することが可能になり、より大きなビジネスチャンスが生まれています。この取り組みは、女性経営者の育成にも貢献しています。

オンラインとオフラインの融合も積極的に進められています。注目すべき取り組みの一つが、サブスクリプション型のエステサービスです。顧客は定期的にエステを利用できるようになり、利便性が大幅に向上しました。同時に、このサービスはポーラのブランド価値向上にも寄与しています。

ポーラショップは、伝統的な対面販売の強みを活かしながら、デジタル技術を取り入れた新しいビジネスモデルの構築を進めています。ビューティーディレクターの活躍の場を広げ、顧客満足度を高めることで、さらなる成長が期待されます。

ビューティディレクターの中には、なんと100歳を超えても楽しそうに働き、自分で設定した目標を達成するために日夜活動を続ける方がたくさんあります。顧客に対しても、働く人も「美」を中心に互いが喜びを感じ続けられるような仕組みを持つのがポーラであると言ってもよいでしょう。

人生100年時代が現実のものとなっています。

そして、こうしたビジネスモデルを構成するポーラの売上は、堅調に推移しています。

ポーラ・オルビスホールディングスは、近年の業績において堅調な成長を示しており、直近の決算では、前年同期比で増収を達成し、営業利益も増益に転じています。具体的には、前期の増収率は4.20%、営業利益の増益率は27.81%に達しました。

ポーラの売上は、特に国内市場での強い需要に支えられています。2023年12月期の第3四半期累計では、国内事業が3.8%の増収を記録しました。これは、委託販売チャネルの減収を他のチャネルでカバーした結果です。

そんな「美と健康を願う人々および社会の永続的幸福の実現」を企業理念とするポーラが、社会、ビジネスパートナーであるポーラショップのオーナー&スタッフであるビューティディレクター)、お客さま、地域社会、株主などあらゆるステークホルダーを幸せに目的として、立ち上げたのが、ポーラ幸せ研究所です。

研究所に勤める佐野真功さんは、これまでのポーラ営業職としての立場を自ら変え、ミドル以降のビジネス上のライフスタイルを考えることをミッションに、ポジションを求めました。

まさにご自身が、ひとつの100年時代の働き方を示されています。

そもそも60歳という年齢で、ビジネス上の「引退」が敢行されてしまう現状に対して異議を唱えます。

60歳という年齢を節目に制度で処遇を線引してしまうことは、結果的に人生後半の働き方や生活を型にはめてしまう一面があるのではないか。そんな風にも感じています。

人は何歳になっても業績、あるいは、社会に貢献できる人材のはずです。

経済的な安心を支えてくれる仕事だけではなく、生きがいや働きがいを与えてくれる仕事とともに人生を送り続けることは、大きな意味があるのだと思われます。

3つのフェーズで考えよう?

ポーラ幸せ研究所は、「人生ワクワクプログラム」を定め、「生きがいの発見」と「お金の安心」、「5年後の未来の見える化」を支援しています。

人生の後半戦は、40代からスタートします。

フェーズ1:40~50代・・・セカンドライフ準備期。キャリアを蓄積します。仕事の専門性やスキルなどキャリアを積極的に蓄積していく時期です。

フェーズ2:60~70代・・・セカンドライフ充実期。人生を動的に楽しみます。さまざまな職業人としてのキャリアを積極的に選択することによって、自分らしい人生を謳歌します。定年を機に、転職、起業、フリーランスとして独立することも今どきの選択肢でしょう。

「学ぶ・働く・遊ぶ・つながる」をアクティブに実行する時期です。

この時期に大切なのが、「利他」の精神でものごとにあたることです。「誰かの役に立つ」ことや「感謝される」ことを基軸に、自分が蓄えてきた視野や視点を活かして、貢献をしていくと、周囲とより良い関係を構築することができるでしょう。

これについては、こちらの1冊「【リスペクトは、態度!?】メンターになる人、老害になる人。|前田康二郎」もぜひご覧ください。

フェーズ3:80代以降・・・セカンドライフ総括期。人生を静的に楽しみます。人生を楽しみながらも、家族や社会に感謝を伝えていく時期です。次第に身体的に不自由さが出てくることは避けられませんが、好奇心を持って人生を楽しむことだけは、生涯を通じて行っていけるはずです。

これらの期間を意識して準備し、そして、実践して、人生を楽しみきることを支援するのが、ポーラ幸せ研究所です。

定義せよ?

ポーラ幸せ研究所の取り組みとして、「幸せ資産のバランスシート」として、幸せのための資産を見える化することがとてもユニークです。

無形資産には、仕事力(成長・学び)、生きる力(気力・充実感)、つながり力(変化・多様性)などが当てはまり、有形資産としては、文字通りの金融資産や不動産資産が該当します。

一方で、無形負債(リスク含む)としては、健康、介護リスク、人的トラブルなどがあげられ、有形負債については、ローン(住宅・自動車など)が計上されます。

資産から負債を差し引いたものとして、純資産が、豊かな人生=幸せとして、定義されます。

資産を増やして、負債を減らすことで、幸せを感じるための純資産が増えていくイメージです。

もちろん具体的な数字として見える化することは困難ですが、こうしたフレームワークを通じて、今の自分とこれからの自分を見通すことはとても大切でしょう。

資産運用の成功の公式とされる「長期・分散・積立」投資の考え方が、実は幸せ資産の運用にも当てはまるのです。

現状を見える化することは、これからを賢く生きていくヒントを得ることに繋がります。まず自分自身の幸せ(利己)が満たされなければ、なかなか誰かの幸せ(利他)を増やす行動は難しいものです。

100年という長きにわたり幸せを感じやすいライフスタイルを積極的に作っていくためには、自分をないがしろにするのではなく、しっかりと見つめて、設計をしてみることもとても大切なことになります。

最近、金融系企業の支援が増えてきており、蓄財系ユーチューバーさんの投稿を意識的にみるようにしています。時折コメントで、自分の過去を嘆くような内容を見つけるときがあります。

「私が若かった頃には、こうしたSNSなどがなく、情報を得ることができなかった」「いまの人が羨ましい」「いまさら何をしても時間が足りない」などなど・・・こういった内容です。

確かに、多くの時間を失ってしまったかのように感じるのは事実だと思います。投資は時間を味方につけるのが鉄則です。それにいち早く気づけるかどうか、ということでしかない気もします。

でも、一方で、いま気づけたのであるから、いまから始めれば良い。という考え方もできると思います。

こちらの投稿「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール|ビル・パーキンス」でも見てきた通り、資産は多ければ多いほどあればよいということではなく、実は使い切ってこそ美しいものという発想だってあるからです。

人生100年時代を豊かに生きていくために、本当に大切なのは、「自分で考える力」をいかに養えるか?ということかもしれません。周囲や習慣、常識に流されることなく、自分で自分の人生を定義していく視野・視点を持てるか?ということが、40代から必要なのであるということを、本書からメッセージとして受け取ることができました。

ポーラ幸せ研究所は、マルチサイドプラットフォームのビジネスモデルを採用しており、その本質は単なる収益追求を超えた、深い社会的意義を持つ取り組みとして注目されています。

同研究所の特徴は、「幸せな人生」という普遍的な価値を中心に据え、それを実現するためのプラットフォームを構築している点です。特にシニア世代の活躍促進と、生涯にわたる充実した人生の実現という社会課題に正面から向き合っています。この明確なパーパス(存在意義)が、参加者間で深く共有されているため、通常のビジネスプラットフォームに時として見られる商業的な押し付けがましさを感じさせません。

プラットフォームには、美容や健康に関する知識・経験を持つシニア世代と、そのサービスを求める利用者、そしてポーラという企業が参加しています。各参加者が互いの価値を高め合う関係性を構築しながら、経済的価値と社会的価値を同時に生み出しています。

特筆すべきは、シニア世代の社会参加を促進しながら、その経験と知恵を次世代に伝承する場を創出している点です。これは日本社会が直面する高齢化という課題に対する、ビジネスを通じた建設的な解決アプローチといえます。

シニアのノウハウの伝承という観点で、AIが共通のプラットフォームとして機能すると思われます。これについて、詳細は、ぜひこちらの#考えるノートの投稿「AIは架け橋?~世代を超え、言葉を超える、新しい協働プラットフォームとしてのAI活用~」もご覧ください。

ポーラ幸せ研究所は、明確なパーパスと社会課題への深い理解に基づいて、ビジネスの持続可能性と社会的意義を両立させる新しいプラットフォームモデルを提示しています。

その取り組みが多くの賛同を得ているのは、現代社会が求める本質的な価値を捉えているからではないでしょうか。

まとめ

  • 100年時代を生きるには?――後半戦のキャリアを積極的に作る意志です。
  • 3つのフェーズで考えよう?――40代以降の人生を20年区切りで定義しましょう。
  • 定義せよ?――自分で自分の人生を定義していきましょう。
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