- 40代・50代の自分とどうやって向き合っていけばいいでしょうか。
- 実は、自分をひたすらに受け入れていくことかもしれません。
- なぜなら、老いとは、自己受容の過程なのです。
- 本書は、ジェーン・スーさんによるエッセイです。
- 本書を通じて、歳を重ねることについて考えるきっかけを得ることができます。
40代という変化とは?
ジェーン・スーさんは、東京都出身の作詞家、音楽プロデューサー、コラムニスト、ラジオパーソナリティとして活躍する多才なクリエイターです。
音楽業界でのキャリアを経て、コラム執筆で注目を集め、2013年に出版した『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』がベストセラーに。
以降も数々のエッセイを発表し、共感を呼び続けています。また、TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』やポッドキャスト『OVER THE SUN』でも多くの支持を集め、日常や社会を鋭く、時にユーモアを交えた視点で語る姿が魅力です。文章やトークを通じて、多くの人々に新たな気づきと共感を届けています。
歳をとっていく時に、ジェーン・スーさんが体得したのが「いちばん人気はどれ?」ということです。それが40代になったころ、差し掛かった頃だそうです。
こんなこと、数年前までは絶対に尋ねられませんでした。なぜか?流行りに疎いと思われたくなかったから!
でも、歳をとると、そういうのがどうでも良くなってしまったと言います。
30代のうちは、よくわからないまま、若者の流行りに乗るのはイタいという羞恥心が芽生えるのが30代の始めだったとすれば、厚かましくも再びそれに乗っかろうとするのが、40代だそうです。
40代、これまでに気にしていたことが、そうでもなくなって、というか気にできるだけの余裕がなくなって気にしなくてもいいかもしれないと思い始められるのかもしれません。
あと、数時間後の楽しさよりも、いまこの時間の面倒くささが勝つのが40代でもあると、これまた、リアルな見立てもジェーン・スーさんはしてくれています。
好奇心が枯渇していくことは、避けたいのですが、やはり行動の分だけ気づきもあり、そのことによって、自分が知りたい気持ちなどが減っていくこともあるのかもしれません。
20代のころは疲れて見えることがなんとなく、問題なかった。というのも、20代はベースが元気だから。疲れているということは何かに頑張っているとか、一生懸命楽しんでいるとか、そういうふうに見てもらえる可能性がありました。
でも、30~40代、実際的に忙しくなったり、いろんなことに手を出すようになったり、はたまた自分の体力が実際に減ってきたこともあって、普通~疲れていることがデフォルトになっていると、疲れているように見えてしまうことが、なんとなく避けたい気持ちが生まれてくるのかもしれません。
自分はなにによって自分になるのか?
確かに生きていくとうことを考えるとき、ジェーン・スーさんが素敵な1冊『レシピとよぶほどのものでもないわたしのごちそう365』から一文を引用してくださっています。
空腹を満たす素敵な食べ物なら街じゅうにある。私は弱いから、ラクなほうに流されてしまうかもしれない。でも、作ることと食べることを誰かの手に委ねてしまったら、取り返しのつかないことになる。だから踏みとどまって、自分を奮い立たせ包丁をもち火に向かってきました。それはたとえば二日酔いの朝でも味噌汁だけはちゃんと作ることだったり、前晩の残りを器に盛りつけ直して食卓を整えることだったり。腰を上げる前は正直しんどいけれど、食べ終わる頃には充足感に包まれる。だから料理を続けられるのだと思います。
誰かにとっての、取り返しのつかなくなることは、非常にパーソナルな領域に宿るのかもしれません。
自分が自分でなくなり、どうしても戻ってこられなくなる領域というのが、たしかにあって、それを守っていくこと、守ることに価値があるのかもしれないと、感じ続けていくことがキーなのです。
そういう領域って皆さん持っている、あるいは、自覚がありますか!?
人は、ラクな方に流れる生き物なので、自分の守りたいことを自己認識しないと、ダラダラとしてしまったり、周りに過剰に流されてしまったり、そういうことに影響をあまりに受けてしまったりということがあるのかもしれません。
愛されるには?
愛について考えてみるセクションがあるのが本書のキュートなところです。
愛されるためには、どうしたらいいか?
そのためには、まず愛することから始めてみることです。
常に、他者の身になって考えられる人は、かなりの高確率で他者から愛されます。
男女問わず、こればかりは間違いありません。
相手の願いや欲望を瞬時に汲み取り、「やってあげるよ」とか「どう?気が利いているでしょ?」という自己顕示をせずに、それを差し出すことができると、きっと相手のためになるし、言葉にならないことでも伝わっていくことが多々あるのではないでしょうか。
「愛される」は愛したあとについてくる。相手の立場に立って、相手のみを愛すことができたらの話ですが。
愛を考えることは、他者との関係性を考え続けることです。
もしかしたら、その関係性の1人に自分自身があるかもしれない・・・と、思ってみると、いかがでしょうか。自分自身をないがしろにせずに、活かしていく、大切にして差し上げるという視点で、まずは自分自身が守っていきたいことについて考えていくことがキーかもしれません。
ジェーン・スーさんと桜林直子さんの対談本もたいへんおすすめです。こちら「【選択とは可能性拡張?】過去の握力 未来の浮力 あしたを生きる手引書|ジェーン・スー,桜林直子」からぜひご覧ください。
まとめ
- 40代という変化とは?――需要による変化によって、加速度が増すのかもしれません。
- 自分はなにによって自分になるのか?――守りたいな、と思える気持ちによります。
- 愛されるには?――まず、愛していくことです。