- どうしたら人間関係のストレスを排除しながら、自由に生きていくことができるでしょうか。
- 実は、当たり前を一度、疑ってみることから始まるかもしれません。
- なぜなら、ほうっておくと、余計な情報に埋もれて、いいジャッジができなくなるためです。
- 本書は、ビジネスパーソンとしての新しい当たり前を手に入れる1冊です。
- 本書を通じて、これまでの自分の生き方・働き方を再度検討することができるでしょう。
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私たちの消耗の原因は?
本書は、情報過多時代を生き抜くビジネスパーソンのための、新しい思考法と行動指針を提示する1冊です。一貫して「捨てる」という行為が、実は「得る」ことに繋がるというパラドックスを示唆している点が非常に興味深い内容となっています。
この情報社会で、私たちは、どこか“消耗”感を覚えながら、生きているように感じます。
毎朝、スマートフォンを手に取った瞬間から始まる消耗。未読メッセージの数字に、まだ目も覚めていない脳が悲鳴を上げます。
SNSのタイムラインは、絶え間なく流れる情報の川(ストリーム)。「いいね」を押すべきか迷う投稿に、微妙な人間関係の機微を感じながら、少しずつ心が疲れていきます。
オンライン会議の連続は、まるでマラソン。カメラをオンにするかオフにするか、背景は適切か、表情は自然か…画面越しの自分を気にする時間が、想像以上にエネルギーを奪っていきます。
休日のリラックスタイムでさえ、「今この瞬間を投稿すべきか」「他の人は今、何をしているのだろう」という比較の目から逃れられません。
通知音が鳴るたびに、パブロフの犬のように反応してしまう自分に気付きます。それが重要なメッセージなのか、単なるアプリからの通知なのかを判断する作業も、確実に私たちの精神的エネルギーを消費していくのです。
「今日は生産的に過ごせた?」という内なる声に、常に追われている感覚。何かを達成していなければならないという焦りが、休息の質さえも低下させています。
人から見られている意識、常に反応しなければならない義務感、途切れることのない情報との対峙――現代社会に生きる私たちの「消耗」は、まさに日常の一部となってしまったのかもしれません。
私たちを本当に消耗させているのは、情報かもしれません。ありとあらゆる情報に溺れるようにすがって生きている様子の私たちが浮かび上がってきます。
本当は、「あって、話す」ことにまさる方法はないはずなのに、いまではあらゆる方法でインスタントにつながることができます。結果、齟齬や思い違いなどが発生していることも多々あります。
2020年のコロナによって、この当たり前の状況について考えるヒントを得ることができました。
私たちを“本当に消耗させているもの”とは、何なのだろうか。
これは機会です。私たちの当たり前をもう一度、検討し、新しいテクノロジーとどのように付き合うのか「根本」を検討することを許す社会、世の中を生きています。
つまり、別の言い方をすれば、捨てやすい時代でもあるといえるかもしれません。
“面倒見がいい”の本当の定義は?
面倒見がいい上司とは、どんな人のことを指すのでしょうか。
あなたが想像する面倒見の良さは、本当にあらゆる場面で力を発揮するでしょうか。
部下(メンバー)のミスを防ぐために細かく指導するのは、当然だ!ということのみをロジックとして、マイクロマネジメントをしている上司は、中長期的にみて、本当にメンバーのためになっていない可能性があります。
面倒見のいい上司は、一見すると理想的な存在に映ります。しかし、その親切さの裏で、チームメンバーの成長機会を知らず知らずのうちに奪っているのです。
例えば、メンバーが困っているとすぐに解決策を提示してしまう上司。その場では問題が解決されますが、メンバーは自ら考え、試行錯誤する機会を失っています。失敗から学ぶ経験、自分で道を切り開く力は、まさにこの「放っておかれる時間」の中でこそ育まれるものなのです。
また、細かい指示を出し過ぎる上司の下では、メンバーは常に「正解」を求めるようになります。「上司ならどうするだろう」という思考が習慣化し、自分なりの解決策を模索する創造性が徐々に失われていきます。
さらに深刻なのは、責任感の育成が妨げられることです。常に上司が最終確認をしてくれる環境では、自分の判断に自信が持てなくなり、些細な決定さえも上申するような依存体質が形成されてしまいます。
結果として、上司不在時の意思決定が滞り、組織全体の機動力が低下。また、昇進後のマネジメント能力も育たず、組織の将来的な成長にも影響を及ぼすことになります。
つまり、過度な面倒見の良さは、短期的な業務効率と引き換えに、メンバーの自立性、創造性、そして責任感という、かけがえのない成長資産を奪っているのかもしれません。「放置」ではなく「見守る」という、適度な距離感こそが、真の意味での育成には不可欠なのです。
自分でやってみて、失敗することもあれば、成功することもあります。その体験と経験こそが、かけがえのない資産形成の原動力となります。その機会を奪ってはならないのです。
組織で対応している仕事というのは、必ずリカバリーができるものです。リカバリーできない状況にあるとすれば、それは経営リスクとして、もっとトップマネジメントが真剣に議論する対象でしょう。そうではなく、中間管理~現場が担務する仕事、ほぼすべては、必ずリカバリーできます。
ならいっそのこと、「失敗させればいい」。
だから、全員がフロントに立って、自分の責任を感じながら「本気で」仕事をする。自分のケツを持つという体験を続けていくことが成長にも、そして仕事のクオリティという観点からも欠かせないものです。
自分のマネジメントスタイルの当たり前を捨てるということについても検討してみましょう。
仕事を任せるこつは次の4つの点を検討してみましょう。
1)考えさせるための質問をすること。
2)否定も肯定もしないこと。
3)結果が出たらインセンティブを与えること。
4)スケジュール管理をしないこと。
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捨てた先に見えるものとは?
完璧主義を捨ててみることもキーです。
例えば、議事メモなど、発言録のように一言一句取る必要はありません。
本当に大切な論点だけをピックアップしてみて、不足する内容をレビューしていくことで、メモを取るだけの行為ですが、実は仕事を前に進める原動力として活用することができます。
メモは、取った瞬間に他の情報を捨てる行為です。
すべて取るのではなく、捨てながら取るということが重要です。その取捨選択は、AIには難しいこともあるでしょう。なぜなら、仕事や関係性の目に見えない文脈を身体で感じなければ、選択基準を持つことはできないからです。
作り込まない余白も大切です。余白があれば、コミュニケーションの余地が生まれることになります。
だから、過剰な準備を捨ててみるということも一つのアクションのヒントになります。
あえて「作り込まない」ことで生じる「余白」が対面のコミュニケーションでは功を奏します。
相手が自由に反応することができれば、その反応に対して、さらにこちらが反応を返して、可能性を広げていくコミュニケーションを創り出すことができるようになります。
人の本心やものごとの実態、真相、本質というのは、もしかしたら、余白やそれによる雑談からポロリと明らかになることが多いのです。
人が最も成長する瞬間を手放してはいけません。それは、「なにこれ?」「よくわからない・・・」という気持ちを原動力にした、知識欲です。
それを感じて、穴を埋めるようにひたらすら行動をすることで、考える機会を得ることになります。思考力が鍛えられて、成長することが可能になります。
だから、共感だけで生きているのではなくて、非常識なものごとや人に出会えるような、そんな心がけをしてみるのが良いかもしれません。過剰な共感を捨てるということです。
非常識な世界観を歓迎するために重要なポイントは、次の4つです。
1)インプットはなるべく多くすること。
2)「血の通った一次情報」を集めてみること。
3)すぐに「アウトプット」に結びつけないこと。
4)異常値な人と出会うこと。
情報は寝かせることで、大きな連鎖反応を生み出すことがあります。
ある種、AIのように生きると言ってもいいのかもしれません。AIは、膨大な情報をインプットして、その関連性を判断して、特定のインプット(問い)に対して、最適と思われる内容をフィードバック(アウトプット)しています。
時に「使えないと思えたAという情報」と、同じように「使えないと思われるBという情報」をかけ合わせると、有用なCという発見に繋がる可能性だってあります。
当たり前も、情報も、ひたすらに捨てて、捨ててみて、そして、その先、捨てきった先に1%の本当の集中するべき大切なことが見えてくる可能性があります。
それを信じて、今日も1日活動を続けてみましょう。
捨てることの大切さについては、こちらの1冊「【変わり続ける勇気!!】8割を捨てて2割に集中する 捨てる経営|小早祥一郎」もおすすめです。ぜひご覧ください。
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まとめ
- 私たちの消耗の原因は?――過剰に触れることが可能な、バーチャルな情報です。
- “面倒見がいい”の本当の定義は?――その人の本当の成長を願い、信じる気持ちによります。
- 捨てた先に見えるものとは?――1%の本当に集中するべき大切なことを見つけてみましょう。
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