【仮説、応用、即時性を駆使せよ!?】仕事のできる人がやっている減らす習慣|中村一也

仕事のできる人がやっている減らす習慣
  • どうしたらゆとりをもって、意義意味のある時間を確保することができるでしょうか。
  • 実は、タスクをたくさんできるようにするのではなく、そもそものタスクを絞るのです。
  • なぜなら、タスクは無尽蔵に増えていくから。
  • 本書は、働き方(生産性)の盲点をつく1冊です。
  • 本書を通じて、いかに減らすかというものごとへのフィルターを手に入れることができます。
中村一也
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仮説を見方につけよう?

前回の投稿「【速くやるな!減らせ!!】仕事のできる人がやっている減らす習慣|中村一也」に続き、今回もこちらの1冊『仕事のできる人がやっている減らす習慣』のレビューを続けさせていただきたいと思います。

前回の投稿では、仕事ができる人になるためのアプローチとして、「仕事を速くこなすこと」は実は間違いかもしれないという話をしました。その代わりに、「仕事を減らす」という視点の重要性を指摘しました。

実は、この「減らす」というアプローチは、現代のビジネスパーソンが直面している本質的な課題に対する重要な解決策となり得ます。なぜなら、特にメンバーシップ型雇用が主流の日本企業では、仕事の範囲が明確に定められておらず、効率化を図れば図るほど新しい仕事が際限なく追加されていく傾向にあるからです。

前回のポイントを簡単におさらいすると、以下のようなポイントが見えてきました。

  • 仕事の速さや量を増やすことは、必ずしも解決につながらない
  • むしろ「減らす」という視点(思考のムダ、作業のムダ、ミスによるやり直し、自分での対応事項)が重要
  • 「忙しさ」という状態に自分を置くことで、本質的な課題から目を逸らしている可能性がある
  • 効果的な仕事の進め方には、「仮説を持つこと」と「初動の質」が決定的に重要

特に興味深かったのは、福山大学の松田文子さんの研究で明らかになった「作業時間と成果の質は必ずしも比例しない」という事実です。これは、単に時間をかければ良い結果が得られるわけではなく、むしろ取り組み方や思考プロセスの質が重要だということを示唆しています。

今回は、とくに「減らす」方法について具体的にレビューをしていきたいと思います。

なにより実践が大切ですよね!

これは前回のレビューと重複もしてしまうポイントなのですが、何より大事なことは、「常に自分で、仮説を持つということ」です。

すべては、仮説があるからこそスタートするのです。
だからこそ、いち早く仮説を持つ必要性があります。

例えば、次のようなことです。

  • 「この経営層向け資料は3枚に絞った方が、意思決定が早くなるのではないか」
  • 「定例会議はコアメンバー5名に絞れば、より具体的な結論が出せるのではないか」
  • 「同じような問い合わせが多いのは、マニュアルの該当箇所が分かりにくいからではないか」
  • 「このクレームが繰り返されるのは、事前の説明方法に問題があるのではないか」
  • 「部署間の情報共有が遅いのは、優先順位の基準が明確でないからではないか」
  • 「プロジェクトの遅れは、初期段階での合意形成に時間をかけすぎたからではないか」
  • 「この部下の成長が遅いのは、仕事の目的が十分に理解できていないからではないか」
  • 「売上が減少しているのは、商品の特徴が顧客に正しく伝わっていないからではないか」
  • 「毎年の予算超過は、使用状況を定期的にチェックする仕組みがないからではないか」
  • 「応募者が少ないのは、求める人材像が現実的ではないからではないか」

などです。

小さな仮説でも良いのです。それを元に、大きな変革の1歩を踏みだし続けるということがポイントだからです。

余計なことをしない?

また、資料を極力作らないということも大切なことかもしれません。

ホワイトカラーの職場には、資料が溢れています。資料を作るということは、それを作る時間も当然かかりますし、それだけではなく、相手もその資料を閲覧するという時間がかかるのです。

資料が必要ないようなことであれば、口頭で。あるいは、チャットやメールでも良いでしょう。

必要のある場合でも、限りなくシンプルにしてみることがキーになるのです。

何がバリュー(付加価値)なのか?という論点も忘れてはならないでしょう。既存の知識や知恵はフルに活用して、AIなども駆使しながら、アウトプットしていくことも考えられます。

それら知識・知恵を活用することを「巨人の肩に乗る」といいます。

また、「車輪の再発明をするな」という格言も、参考にして取り組みを続けてみたいものです。

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絶えず工夫を!

自分でボールをホールドしないということも、実はシンプルに減らすことに寄与します。なぜなら、自分も相手も時間を限りなく有効活用することができるようになるためです。

また、自分にボールがなければ、説明責任(なんで、プロジェクトが滞っているのか?)を回避することができるのも事実です。

自分にボールがない=仕事の流れを止めていない

ということが言えるでしょう。

また、仕事の意義・意味も当然大切なのですが、それを考えるタイミングというのもとっても大切なことです。

仕事が下りてきたときに、いちいち意義・意味を考えていては、手を付けるのが遅くなったり、ムダに思えてしまったりするものです。

でも、特に、組織で働いている場合においては、一度は、そうしたことを飲み込んで、まずはササッと片付けてしまうということが大切になるでしょう。

もちろん、「これに意味があるのかな?」という問いは忘れてはいけないし、現状改善やありたい姿の実現に向けて、とても大切なキーとなる問いです。

でも、まずはやってから、そういう問いに向き合っていくことが大切です。みんなあなたのその姿勢をみていますし、あるいは、やってみたら、別の角度から提言が思い浮かぶかもしれません。

ピーター・ドラッカーさんは、次のような言葉を残しています。

いかなる成果も上げられない人のほうがよく働いている。

この状態に陥らないためにも、自分で常に「減らす」工夫をしていきながら、行動していきたいものです。

まとめ

  • 仮説を見方につけよう?――仮説があれば、仕事の組み立てがシンプルになります。
  • 余計なことをしない?――資料を作らない、あるものは全部活用するのです。
  • 絶えず工夫を!――徹底的に減らして、やるべきことを見極め続けましょう。
中村一也
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