【100年読みつがれる時間術とは?】自分の時間――1日24時間でどう生きるか|アーノルド・ベネット

自分の時間――1日24時間でどう生きるか
  • どうしたら、よりよい充実した人生をつくり出していくことができるでしょうか?
  • 実は、誰もが平等に持つ24時間という資産の使い方かもしれません。
  • なぜなら、時間とは限りなく貴重な資源であるためです。
  • 本書は、どうしたらバランスの取れた賢明な1日を過ごすことができるのかを考える1冊です。
  • 本書を通じて、当たり前に浪費している時間に気づき、充実のための資産として取り扱うことができるでしょう。
アーノルド・ベネット,渡部昇一
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24時間を大切にできている?

19世紀末から20世紀初頭に活躍したイギリスの作家、アーノルド・ベネット(1867-1931)は、小説家として知られる一方で、実践的な自己啓発本の先駆者としても注目されています。

代表的な著書『How to Live on 24 Hours a Day(24時間の生活術)』(1908年)では、誰もが持つ24時間という時間を最大限活用する方法を説き、現代のタイムマネジメント本の原型となりました。そして、今回取り上げさせていただくのは、この日本語訳版です。

ベネットはこの本で、「人間というものは、貧乏人でも金持ちでも、とにかく1日24時間しかない」という明々白々なことに目を向け、その24時間でいかに生きるかということに対する具体的なヒントを提供している。

また別の著書『The Human Machine(人間という機械)』では、習慣の力と自己改革について論じ、現代の「マインドセット」に通じる考えを示しています。彼の自己啓発本の特徴は、実践的なアドバイスと共に、人間の本質を深く理解した上での指南である点です。100年以上前の著作ながら、現代人にも十分通用する普遍的な知恵が詰まっています。

バランスの取れた時間の中で、お茶をゆったりと飲み、充実を噛み締めているシーンを想像してください。

あなたは、そうした時間を1日の中に持つことができているでしょうか。

その時間には、自然を感じたり、四季の移ろいに感謝したり、あるいは、自分の人生を内省することもあるかもしれません。お世話になっている人々の顔を思い浮かべて、あらためてありがとうを言う時間かも。

誰もが望むそうした有意義なひとときを持てるかどうか、それが人生充実のリトマス紙になります。

時間という資源をもっと考えてみることから始めてみましょう。

いま、わたしたちに本当に大切なのは、「1週間を◯円で過ごす技」ではなく、「1週間168時間をいかにすごすか?」という内実の問題です。

古来「時は金なり」などと言われている。
この諺は事実を控えめに言ったまでで、実際には時は金よりもはるかに貴重なものだ。

私たちには、すでにたくさんの「空白の時間」が与えられていることに気づきましょう。

自分に素直になること?

空白の時間というものは、とらえどころがありません。

時間がなければ何も生まれ内のにも関わらず、私たちにとって、例えば、空間や金銭のように具体的に時間を考えることは困難なのです。

「時間が与えられている」ということは、実のところ毎日奇跡が起こっているようなものであり、よく考えてみれば、まったく驚くべきことなのである。

自分の財布には、まっさらな24時間という時間が詰まっていることを想像してみましょう。本来、その使い道は、自分自身に委ねられているのです。

だれもその時間を取り上げることはできないし、だれも多く時間を与えられているものも、少なく与えられているものもいないのです。

人生のすべては、時間の利用の仕方次第で決まる。

なぜなら、人生自体が、時間の集積であると捉えることができるからです。

一瞬一瞬を賢明に充実したものにすることができるのであれば、それは豊かな人生へのもっとも確実な方法論となり得るでしょう。

幸福をいかに感じることができるのか?という点についても、時間の使い方にかかっています。

時間をいかに有意義に使うことができるのか?この点については、私たちは自分を知る必要があるでしょう。

自分はどんな人間で、何を求めているのか?どのような時間に充実を感じることができるのか?まず、自分という当たり前の存在をよりフォーカスし、捉えてみることからスタートしてみましょう。

重要なキーワードは、「知的好奇心」です。

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信条と行動の一致を?

私たちは、本来知的好奇心の塊であるはずです。子ども時代を思い出してみましょう。あるいは、自分や周囲の子どもを眺めてみると良いでしょう。

彼ら、彼女たちは、ひたすらに自分の興味の赴くままに、なにかに集中しています。それは、なんの見返りもない行動です。純粋な知的好奇心に動かされて、ひたすらに行動します。

そうした集中状態を、なぜだか、大人になるにつれて私たちは失っていってしまいます。

職業に携わっていることは良いことです。そこから新しい刺激や体験を得ることができるからです。しかし、職業はある程度、定型的な作業をもたらします。

ふと気づけば、自分の時間を自ら作るというよりも、職業のための時間を生きていることに気づきます。

その認識から始める必要があるでしょう。あまりにもおとなになってしまうのではなく、子どもの頃の好奇心と自由な時間の使い方をもう一度取り戻しながら、本当に充実した人生を送るための自分を自己認識しましょう。

はじめるのであれば、常に今です。来週まで待ったりすること、あるいは、明日まで待つこと自体も、とてももったいないことです。思い立ったが、吉日。すぐに自分を認識することから始めてみましょう。

はじめから「大きな変化」を求めてはいけない。

あまりに多くのことを始めのうちから期待したり、企てたりしてしまうと、継続性がえられないこともあります。最初は少しの変化でOKなのです。むしろ少しのほうが習慣化のためにはいいかもしれません。

朝少しだけ早起きをしてみる、毎日5ページだけ本を読んでみる、お昼には15分だけ自分を振り返る日記を書いてみる・・・などなど。

毎日続けられることから始めてみましょう。

そうした小さな行動が、人生のアングルを変えてきます。たった数度そのアングルがかわっただけで、時間の積み重ねがあなたをより高みに連れて行ってくれることを約束します。

1日に対する認識を変えてみましょう。

あなたは、“就業時間”をコアタイムだと思って、その前後(例えば、朝起きてから始業まで、就業~就寝まで)を、おまけタイムだと認識してしまっていませんか?

それは、あまりにも職業中心の人生になっていることを意味しませんか?

確かに仕事はとても大切なファクターです。

でも、残された時間はおまけタイムではないのです。すべての時間1日24時間は、私のための私が充実させるべき資産なのです。そこにおまけもなにもないのです。

1日の3分の2の時間を、単に3分の1を占める勤務時間に付随している時間に過ぎないとしてしまうなら(しかも、その3分の1の時間すら、全然情熱を燃やしていないのだから)、完全に充実した1日を過ごすことなど、どうやって望めようか。望めるわけがない。

時間があることに感謝して、もっと有効に使って、なにか意義のあることをやるように自分を仕向けていくことが大切でしょう。

これは習慣を変えるということです。

思考を変える習慣を持つということも大切です。まず1日24時間すべてを意識的に過ごし、無駄な時間を作らない、あるいは、意図的にだらだらしたな・・・と認識する時間にしてみることから始めてみましょう。

時間に意識が向くようになれば、自分の思考を思いのままにコントロールすることができるようになります。

時間の使い方は、自分の思考との絶え間ない対話です。時間に集中するということは、思考の訓練に最も重要な機会となります。

自分の思考をコントロールするのだ。そうすべく努力しているうちに、人生の厄介事の半分は取り除かれてしまう。

自分の行動が自分の信条と一致した人生をつくり出していきましょう。

不一致なほど、日々の生き方が虚しくなることはありえません。

自分の生き方を振り返り、断固として行動し続けてみることです。

まとめ

  • 24時間を大切にできている?――時間は目には見えませんが、最も貴重な資源です。
  • 自分に素直になること?――知的好奇心に素直になりましょう。
  • 信条と行動の一致を?――自分の信条を見つめ、そこから一貫した行動をつくり出していきましょう。
アーノルド・ベネット,渡部昇一
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