- 楽しい人生を作るには?
- 実は、仕事を遊びに変えることかも。
- なぜなら、生き方がポジティブになるからです。
- 本書は、遊びと仕事の垣根をなくすための1冊です。
- 本書を通じて、仕事を楽しむためのエンジンを手に入れることができます。
2つのマインドセットを比べよう?
本書の著者・上田信行さんは、大学院時代にキャロル・ドゥエック先生の「認知的動機づけ理論」を学びます。そしてその理論をベースに、独自の世界観をつくり出し、「プレイフル・シンキング」と名付けました。
キャロル・ドゥエック先生の「認知的動機づけ理論」については、こちらの投稿「【あなたは硬直型!?それとも、しなやか型!?】マインドセット:「やればできる!」の研究|キャロル・S・ドゥエック」もぜひご覧頂きたいです。
ドゥエック教授の理論の核心は、人々が持つ2つの異なるマインドセットについてです:
固定的マインドセット(Fixed Mindset):
- 能力や知能は生まれつきのもので、大きく変えることができないと考える
- 失敗を避け、すでに得意なことに固執する傾向がある
- 困難に直面すると簡単にあきらめてしまう
- 批判を個人攻撃として受け止めやすい
成長的マインドセット(Growth Mindset):
- 能力は努力と学習によって発達させることができると信じる
- 新しい挑戦を学習の機会として歓迎する
- 失敗を成長のためのフィードバックとして捉える
- 批判を改善のための情報として受け止める
この理論の実践的な意義として、教育現場では:
- 結果だけでなく、プロセスや努力を褒めることの重要性
- 「まだできない」という考え方から「まだできるようになっていない」という考え方への転換
- 失敗を学びの機会として捉える文化の醸成
が、挙げられます。
さらに、この理論は学校教育だけでなく、ビジネス環境、スポーツ、個人の自己啓発など、様々な分野で応用されています。成長的マインドセットを持つ人々は、長期的には大きな成果を上げる傾向があることが研究で示されています。
自分のものごとの見立てや行動に柔軟性を付与して、自分なりに将来に対して可能性を感じることができれば、生き方さえもポジティブに変えていくことができるのです。
上田信行さんは、次の視点を大切にします。
たどり着いたのが、「Can(できるかどうか)ではなく、How(どうやったらできるか)で考え、自分の周りの環境を最大限に活かせば、ワクワクする学びの場を創り出すことができる」という僕なりの理論(希望)である。
これらの発想は、仕事を全力で楽しむためのエンジンです。
プレイフルに働いている人たちは、みんな「本気!」です。仕事に真剣に向き合っているからこそ、仕事が楽しくなるのです。真剣勝負を重ねた人だけが、「プレイフル」なスパイラルに乗ることができます。
口ぐせを変えよう?
イノベーションとは、ワクワクする気持ちから生み出されます。前向きに挑戦する人や企業が創っていくことができる地平なのです。
今日から口癖を変えてみましょう。
Can I do it?・・私にできるだろうか? ではなく、
How can I do it ?・・どうやったらできるだろうか? へ。
そして、
How can We do it?・・どうやったら私たちはできるようになるだろうか。 への進化も。
マインドの違いが、人生を変えます。
単に仕事を楽しくするということではなく、仕事を通じてその人が、成長するかどうか、つまり、変わっていけるかどうかということについて触れることになります。
変化を恐れるあまり現状で足踏みしてしまえば、その人は自分が成長する機会をも失うことになるからだ。
「プレイフル・シンキング(playful thinking)」とは、本気でものごとに取り組んでいるときのワクワク感、ドキドキ感のことです。
自分とその場にいる周囲の人やものことを最大限に活かして、新しい価値(意味)を作り出そうという姿勢として表出してきます。
プレイフルは伝染します。同じようにプレイフルなマインドセットを持っている人、あるいは、直感的にプレイフルのベクトルの重要性を感じている人の、心に触れて、増幅し続けていく力です。
人とともにあることはとても大切です。一人というのは、本質的ではないのかもしれません。なぜなら私たち人は、他者とともにあることで、自分を自覚できるし、自分という存在を認識することができるためです。
一人の状態は、もしかするとバーチャルなのではないかと思っていします。
現実は、互いに常に繋がり合っている。その世界観を素直に受け入れて、同じプレイフルな波長を持つ人同士と繋がりながら、そのポジティブな力と可能性を広げていく活動へと進めていきましょう。
最初の1歩を踏み出そう?
最初のコツは、「自分の世の中の見方を変えてみる」ということです。
そのためには、最初のスタートが肝心です。それは行動です。
人の学習は「実践する」→「振り返る」→「意味づけする」というプロセスを繰り返していくためです。
楽しさにこそ仕事の本質がある
人生を豊かにしてくれる一番の経験を、「学び」といいます。
学びとは、学校や本での勉強だけではなく、人やものごととの関わりにおいて、自分の頭で考えて、発見し、想像していく行為と過程、そしてスパイラルのことです。
日々の実践を通して人は学んでいくのだと考えれば、働くということもダイナミックな学びの場だといえる。
5つの状態で、自分を俯瞰してみましょう。
1)プレイフルとは、真剣に向き合ってみること。
2)プレイフルとは、柔軟に変わっていくこと。
3)プレイフルとは、メタ認知すること。
4)プレイフルとは、Howの精神で共創すること。
5)プレイフルとは、実現できそうな予感にワクワクすること。
変化を恐れる人は、「努力しても自分は変わらないのではないか」と思い、変化を楽しめる人は、「努力すれば自分はいくらでも変われる」と思う傾向がある。
自分の価値観に触れることです。そして、“大人”になるにつれて補正されてしまったかもしれない可能性についても、検討してみてもよいです。
なぜなら、私たちは子どもの頃、みんなプレイフルに生きる天才だったのですから。
自分がいかにものごとを固定的に観測しているか、捉えているか、知ってみましょう。
なぜあなたは、できないと思うのでしょうか。なぜ、あなたは誰かの造った価値観や言葉を使っているのでしょうか。なぜあなたは、本当に生きたい方向を知りながら、行動を起こしていないのでしょうか。なぜあなたは、自分の感性を知りながら、それに気づかないふりをしているのでしょうか。
すべては、行動をしてみることから、見えてきます。絶えず、行動し、他者やものごとの間にある自分の存在から、自分を認識し続けてみるのです。
4つのPで、プレイフルを目指しましょう。
- ①Projects──与えられた課題を、自分の課題として再設定する
- ②Passion──課題が自分事になり、見通しが見えてくれば、「やりたい!」という情熱がわいてくる
- ③Peers───共感してくれる仲間が集まってくると、情熱が一層燃え上がる。すると、ひとりではできないことも、誰かと一緒ならできるかもしれないという協同的自信(joint confidence)が生まれ、課題への挑戦に一歩踏み出すことができる
- ④Play────冒険心をもって、新しいことに挑戦し、自分の限界を試し、リスクを取りながら何回もやりなおす
この4つのPがあれば、ものごとに対して、真剣に取り組むことができ、仕事はプレイフルになります。
上田信行さんの著書については、こちらの1冊「【遊ぶように仕事をする!?】プレイフル・シンキング|上田信行」もぜひご覧ください。プレイフルでいきましょう!
まとめ
- 2つのマインドセットを比べよう?――「固定型」を捨てて、「成長型」でいきましょう。
- 口ぐせを変えよう?――“Can I do it?”ではなく、“How can I do it?”でいきましょう。
- 最初の1歩を踏み出そう?――プレイフルな学びの入口は、まず行動してみることです。