【“リサーチ”を再定義せよ!?】はじめてのUXリサーチ|松薗美帆,草野孔希

はじめてのUXリサーチ
  • そもそも、リサーチとは何でしょうか?
  • 実は、さまざまな場面で起きる人の知覚や反応を追いかけていくことかも。
  • なぜなら、その解像度がビジネスにおける有用なヒントになるから。
  • 本書は、リサーチのあり方について再考するための1冊です。
  • 本書を通じて、リサーチのあり方について自分の視点をアップデートすることができます。

“リサーチ”を再定義せよ?

本書は、UX(ユーザー・エクスペリエンス)に関する調査手法と運用のための心構え(マインドセット)を説く1冊です。テクノロジーの向上によって、人の行動をつぶさに観察するツールが増えました。一方で、リアル空間の人の行動というのは、普遍的なものも相対的に浮き彫りになっています。

顧客をいかに捉えていくか、そして、顧客とともに、新しい商品やサービスを開発することを目指す時代背景において、私たちがリサーチを見つめ直すことは、とても意義深いものになります。

そもそもリサーチとは、次のように定義することができそうです。

様々な場面で起きる人の知覚や反応(UX)について調べて明らかにすること

これは、UXリサーチに適応されている言葉ですが、実は、あらゆるリサーチについても同じ定義を運用することができるのではないかと考えます。

昔は、リアルタイムな即応性が難しかったので、リサーチは、“その瞬間”を切り取るものではありませんでした。

しかし、いまはその環境が異なります。デジタルタッチで、顧客の行動をデータによって追いかけることができますし、オンラインツールなどを介して、世界中の顧客と直接やり取りしながら、ものごとを検討すること(双方向性)も可能になっています。

昔は、調査といえば、ひとつの大掛かりな仕事というニュアンスだったかもしれませんが、もしかすると、これからの時代は、調査というのは、事業にもっと組み込まれていく、加速度をましていくPDCAに巻き込まれていくのではないかと考えます。

どのような対象を調査するときも、常にUXに商店を当て続けることが、UXリサーチの特徴といえるでしょう。

現在、多くのサービスが誕生しては消えていきます。あまたあるサービスから優先的に選んで頂き、ファンになっていただくためには、提供者だけの視点だけでものごとを捉えて、サービスや商品にフィードバックしていては、間に合いません。

大切なのは、顧客と“共に”何ができるかを考えることです。

自己変革の必要性とは?

こうした心構えを含めて、事業を推進していくためには、単なる手法を個人ベースで身につけることでは不可能です。

組織的(チーム的)に、マインドセットを新たにして、組織と業務プロセス自体を変えていく発想が求められます。

こうした変化は、歓迎されるべきものであると考えます。

組織内の関係者にとって、ユーザーが実施にサービスを使っている様子を目の当たりにすることは大きな刺激になります。

何のために仕事をしているのかをとても大切にする時代になりました。

パーパス経営に光が当たり始めて、久しいですが、個人にとってもパーパスは不可欠です。

そうした、志や信念を刺激するものとして、“現場”が持つ力をもっと活用していくほうが、よい会社運営、事業運営につながっていくのではないかなと考えます。

提供者と顧客として人を分断するのではなく、同じ社会的ペインを解消しようと進む仲間として、共に事業を推進していくマインドセットで、現場発想で役割分担としての時間軸を検討していくことも、有効だと思われます。

そう考えるとやはり、組織・チームといかにUXを高めていけるか、顧客と共に手を取り合えるかということが大切になるのだと思います。

関係者を引き込んでUXリサーチを積み重ねていくと、関係者の中で、ユーザー像やユーザーに届けたい体験のイメージが一致しやすくなり、アイデアを出したり精査したりするときの精度がUPします。

これらの発想やコンセプトというのは、調査に閉じたものではありません。

事業推進の根幹を担う発想となりうるのではないか、と考えます。

N=1からはじめる!?

UXリサーチと、マーケティングリサーチについて、解像度をあげてみると、重要なポイントが浮かび上がってくるかもしれません。

興味の軸が「当事者という個人を理解すること」にあるのか「市場という集団を理解すること」にあるのか、という違いで捉えています。

いかに、N=1にフォーカスすることができるかどうかを検討してみても良いかもしれません。

そして、まず大切なのは、まず小さくやってみるということです。それを共有しながら、社内のカルチャーとして醸成していくスタイルを見極めてはじめてみるのはいかがでしょうか。

これはアジャイル型で商品開発や、コミュニケーション開発において、重要な着眼点なのだと思います。

UXリサーチについては、こちらの1冊「【顧客による、組織変革のポイントとは?】UXリサーチの活かし方|瀧本はろか」もぜひご覧ください。

まとめ

  • “リサーチ”を再定義せよ?――リサーチはそもそも、事業に組み込まれるべきなのです。
  • 自己変革の必要性とは?――リサーチ=対話を通じて、自らを変えていきましょう。
  • N=1からはじめる!?――当事者からはじめることも含めて検討してみましょう。
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