- どうしたら苦境を好機に転換することができるでしょうか!?
- 実は、考え方次第かも。
- なぜなら、ものごとは、いくつもの側面を持つからです。
- 本書は、ものごとの捉え方に関する1冊です。
- 本書を通じて、ストア派の教えから、いまと未来を照らす視点を手に入れることができます。
障害といかに向き合うことができるか?
ゲルマニアの戦いの前線にあったローマ帝国皇帝マルクス・アウレリウスは、次のような言葉を残しました。
われわれの活動が障害に阻まれることはある……だが、意志や心構えまでも阻まれることはない。われわれは、どんな苦境にも合わせて自分を変えていけるからだ。精神の働きによって、活動の妨げになるものを、目的の達成に役立つものに変えてしまえばいい。
そして、次のように締めくくられます。
活動の妨げとなっていたものが、かえって活動を促してくれる。
道に立ちふさがっていたものが、新たな道を指し示してくれる。
ものごとには、ひとつの見方をする人には、そのように見えることになりますが、複数の視点から見つめる人には、玉虫色のように、可能性をはらんで見えることがあります。
同じように何らかの状態を苦境として捉えてしまえば、我慢したり、苦しんだりすることが優先になってしまいますが、実はそれが自らを成長するヒントなのであると捉えてしまえば、別の行動や思いを強化することが可能なのです。
皇帝アウレリウスの言葉には、そうした、ものごとを複数の視点からいかに見るか?その可能性について、多くの示唆を含みます。
この人物は、生涯をひとつ残らず、さまざまな徳――忍耐、勇気、謙虚さ、機転、理性、正義、創造性――を実践する好機とみなしました。
彼は権力の座にあっても、決して慢心することはありませんでした。ストレスや重圧に負けることがなかっただけではなく、決して激しく怒ったりすることもなかったそうです。
先のアウレリウスの言葉は、後世にも多くの成功者や挑戦者に愛されて、現に2024年のいまのいままで語り継がれてきました。
この哲学的な姿勢は、自分で道を切り開こうととする人の活力となり、大きな責任や問題を抱えている人の救いとなる。
私たちは、生まれながらにして、この伝統の正統な継承者でありうるのです。どんな難局に面したとしても、道を阻まれるのか、らういは、生涯を乗り越えて、前に進むことができるのか、先人たちが見守り続けてくれています。
自ら道を拓くためには?
多くの人が、難局を乗り越えようと思いながらも実際には、「なにもしない」という選択肢を選ぶのではないでしょうか。
私たちはみんな麻痺してしまっています。一人ひとり目標は違っても、行く手に立ちはだかるたくさんの障害を前に、足がすくみ凍りついてしまうのです。残念ながらこれが事実かもしれません。
何が必要か、それは、上述のとおり難局を見立てる視点です。
×「これはそれほど悪くない」
○「これはチャンスに変えられる」
いかに、そのように考えて、ものごとを積極的に捉えて、好転するチャンスを狙えるかどうかです。それは自分の可能性を信じるということにもなるかも知れません。
そして、自分を信じて、行動した末、何らかの成長やあるいは、実際に難局を乗り越えたという体験を得ることができれば、そのことがさらなる自信となり、自分を前に進める無限の原動力を手に入れることになります。
道は、なにもないところにできません。
実は、障害のあるところにこそ、道ができるものなのです。
獣道として認識されるようになるためには、笹薮とそれに分け入る先駆者の存在が必要であるように。
障害が一見多い、世界をどう認識するか、が、論点です。
今この瞬間に、客観的な判断をせよ
今この瞬間に、利他的な行動をせよ
そして今この瞬間に、外部の状況をありのままに受け入れよ
なすべきことはそれだけだ
――マルクス・アウレリウス
世界をそのまま受け入れる心がいかに大切かをこの言葉は伝えてくれます。
そして、世界の原則に則って自らの見立てと行動を操作せよ、とも伝えてくれます。
それはすなわち「利他」であるということです。独りよがりにならず、他者のためにいかにあることができるか?というのは、2000年前から、いや、この世界が誕生した古(いにしえ)から、変わらない価値観なのかも知れません。
障害とはなにか?
障害(と一見とらえられること)を乗り越えていくためには、自分を鍛える必要があります。それには3つの重要な段階を認識することから始めるとよいでしょう。
1.【ものの見方】個々の問題に対する見方や態度、向き合い方に意識的になり、制御する。
2.【行動】問題を克服してチャンスに変えるためのエネルギーとクリエイティビティ(創造性)を養う。
3.【意志】敗北を認め、困難と向き合うために内なる意志を育て養う。
この3つのステップは、独立しあいながらも、互いに関連し、状況によって絶えず変化します。
こうした3つの視点に向き合えば向き合うほど、実は障害というのは、歓迎されるべきものであることを知ります。
歓迎する?
そのとおり!障害は、本当はチャンスなのだから。自分を試し、新しいことに挑戦し、最後に勝つためのチャンスなのだ。
目の前の障害こそが、自分自身の進むべき道を、絶えず示し、照らしてくれているのです。
要害は、意志を持ち、そして、挑戦しようとしている人の前に立ち現れてくるものです。そういう世の中の摂理なのです。
今回の1冊もとても重要な示唆を提供してくれています。もう1回、投稿をつくりながら、どうしたら障害を心から歓迎することができるのかを、引き続き考えていきましょう。
ストア派の教えについては、こちらの1冊「【世界の定義は、自分にある!?】エンキリディオン(ストア派哲学の手引書)|エピクテトス,湊凛太朗」もおすすめです。
まとめ
- 障害といかに向き合うことができるか?――ものごとをいかにとらえるかがキーです。
- 自ら道を拓くためには?――何らかの行動をして継続するための、視点をまず手に入れることです。
- 障害とはなにか?――あなたのための「道」を示すものです。