- どうしたら素直な自分で人生を豊かに立ち上げ続けることができるでしょうか。
- 実は、コンフォート・ゾーンに対する見立てを改めることかも知れません。
- なぜなら、コンフォート・ゾーンでこそ、人は豊かな活動を作れるためです。
- 本書は、コンフォートの前提・当たり前を疑うための1冊です。
- 本書を通じて、本当に大切なことに気づくことができます。
思い込みに自覚的になろう?
前回の投稿「【“心地よさ”が最強の戦略!?】コンフォート・ゾーン|クリステン・バトラー,長澤あかね」に続き今回もこちらの1冊『COMFORT ZONE コンフォート・ゾーン 「居心地のいい場所」でこそ成功できる』をご紹介していきたいと思います。
コンフォート・ゾーンは、心穏やかに、豊かな発想を、安心してすることのできる場所です。世の中の常識(?)では、そうした場所から一歩抜け出して、果敢に挑戦していくことが理想とされていると思われます。
努力は、過酷で、辛く、そして、耐え忍ぶことが美徳とされているような社会です。
でも、本当に大切なことについて、もう一度考えてみる必要がありそうです。
なぜならば、人は、コンフォート・ゾーンにあることで、最高のパフォーマンスを発揮することができるようになるし、より充実した人生を切り拓く安心感を得ることができるためです。
こうした一見矛盾する考え方について、本書は一つの答えを提示してくれます。
それは、コンフォート・ゾーンから出るのではなく、コンフォート・ゾーンを広げるという発想です。
コンフォート・ゾーンへの思い込みを自覚しよう。
どんなときでも、豊かな自分でいるためには、いかにコンフォート・ゾーンを広げられるか?ということが課題になります。そして、コンフォート・ゾーンは、自分のマインドセット次第で、あるいは、積極的な活動次第で、大きく広がりを見出すことができるのです。
そこには、もしかしたら「自分は最善を尽くしている」という自信・自尊心がキーになるかも知れません。絶えず考え、活動し続けているという自分自身のファクトを感じることで、私たちは、堂々とコンフォート・ゾーンを活用する視点を得ることが可能になります。
自尊心がなくなると、自分への信頼もなくなる。
自尊心と、他人とつながる能力には深い関係があります。研究によると、自尊心が低ければ低いほど、人とつながるのが難しくなり、孤独を感じやすくなるということです。
問題は、自尊心が損なわれると、信頼する能力も損なわれること。
自分の信頼が損なわれてしまうと、自分の直感も、考えも、好みも、行動も疑い始めてしまいます。世の中を動見るかは、自分自身のフィルターが関わっていることから、そうした状態で外側の世界を見ても、あまりよいように捉えることができません。
大切なのは、自尊心を鍛えるために、「常に最善の努力をしている」自分でいること、それをコンフォート・ゾーンでより豊かな時間のもと育んでいくということにほかなりません。
3つのゾーン?
一方で、コンフォート・ゾーンの外にも目を向けてみることで、コンフォート・ゾーンの特徴を描き出し、より理解することが可能となります。
コンフォート・ゾーンの周りにはサバイバル・ゾーン、そして、そのさらに外側には、自己満足ゾーンが存在しています。サバイバル・ゾーンとは、文字通り、とてつもない「努力」がこのゾーンの原動力です。ここでもたらされることはおおきく2つ。
1.必死で努力したのに、平凡な結果に終わってしまう。
2.素晴らしい結果を維持するために、さらに努力を求められる。
さらにその外側に足を踏み入れていくと、自己満足の超越的なゾーンに迎えられることになります。自己満足といってもそこは決して心地よい場所ではありません。自己満足ゾーンにとどまりすぎると人生の迷子になってしまいます。
自分が何を欲しているのか、どこへ向かっているのかを見出すことができずに、自暴自棄になりかねない場所なのです。まさに「どん底」へと真っ逆さまに落ちていくようなそんなゾーンです。
以下の表のような感情に包まれることから、それぞれのゾーンの特徴を知ることができるでしょう。
コンフォート・ゾーン | サバイバル・ゾーン | 自己満足ゾーン |
---|---|---|
喜び/気づき | 落ち着かない気分 | 退屈 |
自由/愛 | 悲観的な気分 | 失望 |
自信/安心 | 不満/いら立ち | 怒り |
感謝 | 焦り | 憎しみ |
情熱 | 恐れ/圧倒される気分 | 嫉妬 |
熱意 | 落胆 | 不安感/罪悪感 |
ポジティブな期待/信念 | 疑念 | 無価値感 |
楽観的な気分 | 心配 | 恐怖/悲しみ/落ち込み |
希望に満ちた気分 | 非難 | 恥ずかしさ |
満足感 | 羨望 | 無力感 |
大切なことは、以下の1文にあらわれています。
本当の変化には時間がかかる。
一貫した熱意ある行動が求められるのだ。
やる必要のあることを、
「やらなくてはならないから」ではなく、
「やりたいから」という理由で、
やり続けなくてはならない。
人生のどんな分野でも、成果を加速させるのは、自信、帰属感、喜び、感謝、そして、「私はほしいものを手に入れるために必要なものをすでに持っている」という認識です。
そして、これらはコンフォート・ゾーンに息づいている感覚なのです。
コンフォート・ゾーンを広げるには?
興味がないことに取り組んでいたとしても、成果が出なければ一過性で終わってしまいます。
大切なのは、一人ひとりのアイデンティティに裏打ちされたタスクを自分が迎えられているかどうかということです。組織やチームであっても自分のパーパスと合致するものごとへの取り組みをしていることがポイントになります。
こうした状況をより多くつくり出していくためには、ポジティブなマインドセットで、自分を振り返ってみることも重要でしょう。
ポジティブ・アファーメーションを活用してみましょう。
次のような状況との整合性を見つめてみるのです。
- 私にとって、すべてはいつもうまくいっている。
- 私に必要なものはいつも、私のところにやってくる。
- 私は愛されていて、価値があり、ありのままの私で十分だ。
- 次のステップは、私の準備ができたときに、私のために用意される。
- くつろいで人生を楽しめば楽しむほど、私は満たされる。
- 愛は私に流れ込み、私を通して流れていく。
- 私はとても幸せで、人生に感謝している。
- 私の夢は、完璧な時期に、完璧な形で開花する。
- 私は神さまの導きを信じている。
- 私は喜んで気楽に受け取る。
- 私の心は才能にあふれている。クリエイティビティは、軽やかに私の全身を流れている。
- 私の身体は、私の神殿だ。
- 私は、素晴らしいものにふさわしい。
- 私は喜びと共に歩む。
- 私の物語は、神の栄光のためにある。
- 私は愛と奉仕の人だ。
アファメーションとは、なりたい自分を手に入れるための自己宣言のことです。「私はすでに、理想(なりたい自分)の状態になっている」という肯定的な文を唱えていきます。
苦しみは進歩の証ではない。
コンフォート・ゾーンを広げていきましょう。拡大した自己のもとで、コンフォート・ゾーンが大きく広がったイメージを持ってみるのです。
ビジョニングといっしょに行ってみると良いかも知れません。少し先の理想の自分を想像し、その時のコンフォート・ゾーンの広さを認識します。そして、現在の自分のコンフォート・ゾーンに訪問してみて、拡大した自分と比較してふさわしい状態か、そうでないか、チェックしてみることで、現在のゾーンの広げ方がわかってきます。
あなたがどんなに病もうと、他人を健康にはできない。
私たちは、光も陰も持ちうる存在であるということです。いかに光の側面にフォーカスするか、コンフォート・ゾーンの力を信じ、そこから始めるというスタンスを忘れずに進んでいきましょう。
まとめ
- 思い込みに自覚的になろう?――コンフォートこそが、豊かさのポイントです。
- 3つのゾーン?――コンフォート・ゾーンを相対的に見つめてみましょう。
- コンフォート・ゾーンを広げるには?――未来の拡大自己から逆算してみましょう。