【利他=利己である?】行動科学が教える 目標達成のルール|オウェイン・サービス他

行動科学が教える 目標達成のルール
  • なぜ、目標達成が気づけば程遠くなっているのでしょうか!?
  • 実は、自分を制御することは日常生活においてとても難しいことだからです。
  • なぜなら、自分のことは自分が一番良くわからないことによるかも・・。
  • 本書は、過去50年の行動科学の知見をまとめた目標達成のルールに関する1冊です。
  • 本書を通じて、自分を俯瞰して制御する視点を得ることができます。
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セルフナッジが効く?

行動経済学には、「ナッジ」という考え方があります。

ナッジ(nudge)は、行動経済学の概念で、人々の選択を強制せずに望ましい方向へ誘導する手法です。ナッジによって、選択の自由を対象者に保たせながら(そう感じさせながら・・)、より良い意思決定を促すことを目的とすることができます。

例えば、ナッジの事例としては、次のようなものがあげられます。

  1. デフォルト効果 : 臓器提供の意思表示をオプトアウト方式にすることで、提供率を上げる。
  2. フレーミング効果 : 「90%脂肪フリー」と表示すると、「10%脂肪入り」より健康的に感じる。
  3. 社会規範の利用 : 「あなたの隣人の大半が節電しています」と伝えることで、節電行動を促進する。
  4. 視覚的な工夫 : 階段に足跡のステッカーを貼り、エレベーターの使用を減らす。エレベーターホールに鏡を設置すると待ち時間が短く感じる。などなど。

つまり、ナッジを活用すると、「人間の心理や行動傾向を利用すること」「選択の自由を維持すること」「低コストで実施可能であること」を実現することができます。

ナッジについては、こちらの投稿「【人は操作できるの!?】教養としての行動経済学入門|エヴァ・ファン・デン・ブルック,ティム・デン・ハイヤー」もぜひご覧ください。

このナッジを、自分向けに使っていくのです。

他者に対するナッジからセルフナッジへ

まず目標を達成するためには、それがどのような目標なのかを具体的に表現してみることが大切です。ナッジは、特定の問題を考えるとき、その内実を具体的に検討してみます。

エレベーターの待ち時間が長く感じるという問題について、なぜそう思ってしまうのか、現場の様子や消費者心理、あるいは機材の状況など具体的に現場の状況について情報を集めることからスタートします。

同じように、目標達成においては、まず自分の目標を具体的に表現することができて、はじめてそれにトライすることができるようになるのです。

そのうえで、小さなステップについて考えていくことを本書は勧めます。

人とともに豊かに?

3つのルールでセルフナッジを構築していく準備をしましょう。

[ルール1]適切な目標を選択し、具体的に描写してみましょう。
[ルール2]目標は複数ではなく、まず絞り込みましょう。
[ルール3]目標を自分で管理できるステップに分解してみましょう。

小さなステップに分解することで着実に達成をすることができますし、具体性もますので、「何をすればいいのか?」がわかるようになります。大切なのは、その個別の積み重ねが大きな目標につながっていくことですが、同じように大切なのが、小さな目標を小さく達成し続けていく習慣を持つということです。

目標を設定するときには、公序良俗に反しないことは当然のことながら、自分や自分の周囲がより良くなっていくことを設定すると、自分自身取り組みやすいし、周りからの支援も得やすくなるでしょう。

ウェルビーイングを高める5つの視点を盛り込んでみることを参考にしましょう。

1.人との関わりを強化するベクトル。
2.健康で活動的になるベクトル。
3.なにか新しいことを学ぶベクトル。
4.好奇心を持ち、保ち続けるベクトル。
5.他者に与える行為をするベクトル(Giving)

最後のギブという考え方については、こちらの1冊「【正しく、“ギバー(Giver)”になるには!?】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代|アダム・グラント,楠木建」をぜひご覧ください。

設定する目標は、あなた自身やまわりの人たちをより健康かつ幸福にするものであることが重要なのだ。

なぜなら、人は、自分のためよりも他者のために頑張ったり、お金を使ったり、時間を使うことに、本質的には喜びを見出し続けられる特徴を持つ生き物だからです。

ハーバード大学心理学部教授ダン・ギルバートは、利他行動はきわめて利己的な行動であると述べている。

ギビングというコンセプトに自分の目標が、いかに接点を持てるのか?ということを考えることはセルフナッジ活用の起点となるポイントです。

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人とともにある?

実行のために、小さな目標設定するときにも3つのルールを活用してみましょう。

[ルール1]シンプルなプランにすること。
[ルール2]実行可能なプランにすること。
[ルール3]プランを習慣化すること。

簡単に続けられるタスクにブレイクダウンして、日常的に取り組みを続けていくことが、いつかの目標達成につながっていきます。

習慣化する時にキーになるのは、「if – then プランニング」という方法です。これは「Aという現象が出現したら、Bということを実行する」というような習慣化のためのメソッドです。

例えば、歯磨きを習慣化させたい子どもを考えてみると、「お風呂に入ったら、歯磨きをしよう」とか「食事をしたら、歯磨きをしよう」というふうに、直前の日常的なアクションに紐づけて新しいTODOを設定することで、自然とそのタスクをクリアしてしまうように自分を制御することが可能になるイメージです。

習慣化には、何らかのトリガー(合図)が有効だということです。そして、習慣化は、いつも同じような状況を再現するように自分を仕向けることで、結果的に続けてしまうことにつながっていきます。

また、同じように大切なメソッドとして、「他者に公言しておく」ということもあります。

自分が設定した目標やそのためにブレイクダウンしたタスクを、周囲の信頼できる人に伝えておくことが有効なのです。なぜなら、守らないといけなくなりますからね。

そして、上述の通りウェルビーイングに関わり周囲の人も巻き込んでハッピーな世界観のベクトルで目標を設定する目的は、ここにも作用してきます。

いかにしてまわりの人の強い影響力を目標達成に活かすかを議論する。

強力にサポートを得ながら、社会的なネットワークを自らの目標設定のために活用してしまおう!と、考えてみることが大切です。

人間誰しも、意志だけでは、目標達成が困難です。目標達成ができる人は、意志に頼らず、仕組みを頼ります。

本書は、人間の性(さが)に照らし、自分自身の目標設定からその実現までをサポートしてくれるたくさんの示唆に富んだ着眼点をシンプルに提供してくれる1冊です。とてもおすすめです。巻末の「目標達成の黄金律」だけをご覧頂くだけでも刺激を得られること間違いなしです。おすすめです。

まとめ

  • セルフナッジが効く?――人の性(さが)を理解し、自分にナッジを効かせていきましょう。
  • 人とともに豊かに?――目標の中身は、自分だけでなく周囲の人もより良くするものを設定しましょう。
  • 人とともにある?――目標の設定から達成まで、社会ネットワークの力を借りましょう。
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