【謙虚なるインプットを・・!?】インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。|菅付雅信

インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。
  • どうしたら、より良いアウトプットを生み出し続けることができるでしょうか。
  • 実は、大切なのは、インプットの方かも。
  • なぜなら、インプットがなければ、アウトプットは当然枯渇するからです。
  • 本書は、編集スパルタ塾でおなじみの菅付雅信さんによるインプットを語る1冊です。
  • 本書を通じて、人生をクリエイティブにするインプットの考え方に触れられます。

なぜ、インプットか?

10年、20年、あるいは一生、色褪せないクリエイティブ教育のあり方とはなんでしょうか。実は、インプットのあり方を考えることかもしれません。なぜなら、「アウトプットの質と量は、インプットの質と量が決める」からです。

優れたクリエイターのアウトプットの質と量は、その人のインプットのの質と量に負っている。

普段から行っている、あるいはそれまで積み重ねてきた知的インプットの質と量が低いのにもかかわらず、よりよいアウトプットが作り出し続けることは不可能です。

多くあるさまざまなノウハウ本は、アウトプットの方法論に偏重であると、菅付雅信さんは指摘します。むしろ大切なのは、インプットであり、そしてその質を向上させることがまず大切であると説きます。

菅付雅信さんの人に向けられる眼差しを感じましょう。

また私は、「生まれつきの天才はいない」と考えている。
「生まれつきの登山の天才」や「生まれつきマラソンの天才」がいないように、「生まれつきクリエイティブの天才」もいない。

人は、所与の才能だけで生きているのではありません。生まれてからどれだけ自分という存在に向き合いながら、自分の行動や習慣をより良いものにできたかが、その人を形成していくのだと思います。

TBSのクレイジージャーニーという番組で、小林陵侑選手の企画を見ました。オリンピック金メダリストの小林選手が、前人未到の大ジャンプに、アイスランドの自然の山を生かした特設のジャンプ台で挑むものです。

その中で、象徴的だったのが、小林選手が地元岩手のイベントで子どもたちにジャンプを教え、自身の生い立ちを振り返るシーンです。いまでは、200メートル以上のジャンプを、素人目には、軽々とこなしている小林選手ですが、ジャンプを始めた頃は、数メートルがやっとでした。庭につくったお手製のジャンプ台でもころんでしまうくらい。でも、歳を重ねるごとにその飛距離は徐々に伸び、ついには、世界一の飛距離に到達します。ジャンプの滞空時間はほんの数秒です。でも、その数秒を支えるための活動というのはおそらく膨大なものがあります。

目の前で1~2メートルほどのジャンプを一生懸命に取り組む小さな子どもに対する眼差しが、多くのことを語っているようでした。

人の営みは、習慣によって作られていくと信じることができます。自分が目指したい何か、あるいは、自分が熱狂してしまう何かを見つけ、それに対して純粋に向き合っていくインプット行動が、自分の未来の記録を少しずつ削り出していくのだと思いました。

アイデア創出に仕組みを?

毎日のインプットがどのようにアウトプットに影響していくでしょうか。菅付雅信さんは、次のような公式でご自身の創造性を振り返ります。

既存のアイデア × 既存のアイデア ÷ 大量のインプット

天才は「ひらめき」に頼らない。
アイデアを生み出す「仕組み」を持っている。

大量のインプットというのが本書のテーマです。菅付雅信さんがこれまでお仕事をされてきたクリエイター例えば、坂本龍一さんや、篠山紀信さんは、現場で即答に近い形でアイデアを生み出し、それを形にしていったといいます。大切なのは、その背景に膨大なインプットがあるということです。その日頃の習慣となっているインプットによって、アイデアの組み合わせをより洗練させることが可能になり、どんなときでも、アイデアを一定の質で生み出すことを可能にします。

精度の高いインプットを心がけることがポイントです。

そもそも、精度の高いインプットとはどういうものでしょうか!?

実は、「選ぶ」ことにあります。

人生でもっとも大切な資源である時間を浪費しないためにも、「積極的かつ意識的によりよいものを選択する」というマインドセットが大切です。

私たちは選別し、選択しないといけない。
何を読んで、何を読まないか。
何を見て、何を見ないか。
何を聴いて、何を聴かないか、を。

「そこそこ」の品質のものにふれるのではなく、また、「いい」で満足るのでもなく、「最高」のものを常に選択することで、インプット活動によって、自らの視点・視野・視座をアップデートしていく効果を得ることができます。

「最高」のものは常に自らの考えに刺激を提供してくれます。それは人や社会に対する見立てとも言えるかもしれません。なぜいきるのか、幸せとはなにか、社会とはなにか、美しさとは何なのか、それらを常に考えるきっかけを得ることで、常に考える人になることができます。

課題を与えられてから考え始める人間は、クリエイティヴにはなれない。

良い課題提出ができる人は、課題が与えられる前から常に考えています。常に何かしらの領域について何度も考えている。だから、課題が与えられた時にも、出発点が異なるから、全く異なるアウトプットが可能になります。

普段から、日常的に。
普段考えていなくても、視野には入っていると言ってもいいだろう。

「暇つぶし」は、英語で「Killing life」といいます。人生を殺すこと、それが時間を浪費する言葉として、戒めのように慣用句化していることは、なんとも示唆深いものです。

まずは、読書を・・!?

古今東西、さまざまなインプット法が語られてきているが、私は「読書」こそが最強のインプットであると考える。

なぜなら、読書は、常に頭に適度な負担がかかるからです。アスリートが日々筋トレによって筋力の増大を目指すのと一緒のように、日々を言葉の中で捉え直し、有機的に組み立てていくことによって、脳とそのイメージ力を活性化させていくことが可能になるはずです。

脳、つまり思考のトレーニングを絶えず行っていく時に、読書という能動的な思考を引き出すきっかけは、特に貴重なものであると言えるでしょう。

『華氏451度』などで世界的に有名な作家、レイ・ブラッドベリさんが、2001年に行われたシンポジウムでの基調講演で次のように語っていたといいます。

よりクリエイティヴになりたければ、今日から1000日間、毎晩寝る前に、次の3つのとてもシンプルなプログラムを行ってください。
まず、短編小説を1つ読む。10分か15分くらいで読み終えるものを。
つぎに、膨大な詩の歴史の中から1篇の詩を読み上げましょう。なるべく偉大な詩人のものを読んでください。現代詩はくだらないので無視してかまいません。
最後に、あらゆる分野のエッセイ(論考・随筆)を1つ読みます。考古学、動物学、生物学、政治学、偉大な哲学者たちの書いたものを。

千夜の終わりには、あなたの頭はアイデアや比喩でいっぱいになっている、とのこと。これだけ、日常のインプットというのは重要であるということです。そして、それをいかに続けていくかということです。

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツさんも、1990年代から今に至るまで、半年に1度は、「Think Week(=考える週間)」を続けているといいます。これは、1週間まるまる森の湖畔の小さな小屋に一人こもって、ひたらすら読書を行うというものだそうです。

偉大なクリエイターは、なぜもこのようにインプットを大切にするのでしょうか。それは、自分が世界の中心ではないということを知っているからであると、菅付雅信さんはいいます。

世界は自分を中心に回っていないという厳然たる事実と真摯に向き合うことが、人を謙虚にさせ、世界を、歴史を、真摯に学ぶことを促すはずだ。

インプットを続けるということは、自分が世界の中心ではないことを自覚したところから始まる、いわば「天動説」ではなく「地動説」的行為であるとも捉えることができます。

現代の作品は歴史の文脈のなかで何かを継承し、何かを否定することによってのみ、価値を持つ。

インプットについては、こちらの1冊「【読書とは、投資である!?】レバレッジ・リーディング|本田直之」もあわせて、ぜひご覧ください。

まとめ

  • なぜ、インプットか?――インプットがなければ、アウトプットの質・量が担保されません。
  • アイデア創出に仕組みを?――日常に、考える習慣をインストールしましょう。
  • まずは、読書を・・!?――考える負荷を提供してくれます。
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