【可視化すれば、うまくいく!?】とにかく可視化:仕事と会社を変えるノウハウ|菊池明光

とにかく可視化:仕事と会社を変えるノウハウ
  • よりよく仕事を推進することが可能でしょうか。
  • 実は、「可視化」するだけでうまくいくことも多いのです。
  • なぜなら、特にホワイトカラーは取り扱いが情報であることが中心だからです。
  • 本書は、いかにみんなで仕事を上手に進めるかについて検討した1冊です。
  • 本書を通じて、見える化を通じたよりよい仕事のイメージを具体化することができます。

眼前可視化とは?

本書が取り扱う可視化は、「眼前」の可視化を特に指します。ミーティングや1オン1など、誰かと一緒にいるときに互いの考えをとにかく見える化していくと、とても良いことがあります。

「眼前可視化」のメリットとは、次の2つです。

1)議論中に起こり得るメリット

  • 議論内容がつかみやすくなるため、発言数がアップし、発言内容の精度がアップする。
  • 話し合いたい話題を深く着実に消化する。
  • 同じ話題を繰り返さない=会議がスムーズに進行する。

2)議論後のメリット

  • 前回どこまで議論したのか振り替えれるため、議論をスムーズに再開可能となる。
  • 毎回フレッシュな話題で、会議を実施可能である。
  • 「言った、言わない」の撲滅=認識が擦りあった状態を継続できる。

これらのポイントは、誰かとともに働く上でとても大切なことです。会話のレイヤーがしっかりと噛み合い、前回の話題をしっかり積み上げていくということは欠かせないためです。

眼前可視化のポイントは、3点あります。

1)相手の眼前でリアルタイムに行っていく。
2)書きながら実施してしまう。
3)見せながら行っていく。

相手の眼前に「メモを見せながら」会議を進めることを実施してみましょう。

同じミーティングに参加していても、参加者同士の頭の中に浮かんでいるイメージは全く異なるものであったりします。これらを見える化して、意見を引き出すことで、多様な意見に触れながら、ひとつのものごとをよりよくブラッシュアップしていくことが可能になります。

また、メモを取引相手と共有することでえられるメリットがあります。メモというのがポイントです。

議事録ならぬメモは取引先との関係を築く有効な手段

議事録までかしこまったものでなくても、メモを共有することで、言った・言わないから解放されて、内容の検討に互いに進むことが可能になります。メモというある種、非公式なドキュメントであるからこそ、関係者が互いに意志を込めやすくなります。

眼前可視化のポイントは?

「眼前可視化」の基本姿勢は、実は「集中して相手の発言」に耳を傾けることです。自分が書きたいことを書くのではなく、「ありのままに書く」ということをまず大切にしていましょう。

理想の状態は、相手の脳内を「ありのままにぶちまけてもらう」ということ、そして、「脳内の思考そのものが映し出されている」状態です。

ポイントは、参加者の方に、ありのままの言葉や言葉遣いを見ていただくことによって、言葉の定義や文脈を再定義することができるようになります。あるいは、客観視することが可能になるため、思考の整理整頓をすることも可能です。あるいは決定事項について、冷静に優先順位を検討することも可能になるでしょう。

とにかく「脳内にあるもの」をありのままに外へ出してほしい、一切加工していない情報を眼前にさらしたい、というわけなのです。

反対に見てみると、打ち合わせ、ミーティングの現場などで、言葉が見える化していない状況が本当に多くあるということでしょう。基本は、事前に練り合わせたアジェンダメモがあるくらいで、具体体にライブでどのようなディスカッションが行われているかについては、なかなかメモを共通認識として見える化することはありません。

打ち合わせというのは、思考の連鎖を元に、ひとりひとりのノウハウや視点を掛け算し、ひとつのものごとをよりよく作り上げていくことです。そのため、互いが見えていること、考えていることを言語化して、常に見える化することには大変な意義・意味があるのです。

そして、常に相手が話した言葉をそのまま使っていくということがポイントです。これは、心の矢印は常に相手に向けるという秘訣もあります。以下のスタンスを重視しましょう。

相手の発言は「金言」、心の矢印は常に相手に向ける

心の矢印が常に相手に向いていることで、利点が数多くあります。

1)相手が興味を持っていることに関心を持つ
2)何をしたら相手が喜ぶかわかる
3)成果が出る
4)喜ばれる=好かれる
5)自己重要感が満たされる
6)やる気が出る

これらは、スパイラルです。相手を起点にすると実は、自分にも返ってくるということですね。6)やる気が出れば、さらに、1)相手に対して矢印が向くことになっていきます。

生産性の低さを気にせよ!?

著者の菊池明光さんは、次のような問題点が会社にある場合は、何らかの生産性向上のためのアクションが必要であるといいます。

  • 経営層の作る事業計画は正直、絵空事が多いと感じる
  • 当社は決めたことが続かない、やりきらないタスクが山積してしまう
  • どの人もやるべきことが多すぎて、それに埋もれている、人が足りない
  • 経営層・マネジャーの指示が曖昧な割に、進行をプッシュしてしまう・される
  • 経営層・マネジャーが指示したことの成功失敗やその要因分析などの振り返りをしない
  • 評価査定の内容や根拠が曖昧で納得感がない
  • この会社では何をどこまでやれば、どう評価されるのか?が明確になっていない
  • 自分の仕事の責任範囲が不明確な人が多い
  • 飲むと仲いいが、仕事で組むとセクショナリズムや責任不明確などでギスギスする
  • 会議のメモは皆自分の手元で取っている、それを共有することはない
  • 会議の進行・議長役は主に若手がやっている
  • 今回の会議の終わりと次回会議の最初は同じことを喋っている

これらのような状況は、生産性を落とす原因です。

企業としての生産性は低い状況にあるかもしれません。

こうした状況を見て見ぬふりをするのか、あるいは「見える化」して、どのような手を打っていくのかも大切でしょう。組織は、ひとりひとりが協働して前に進んでいくものです。いかに、見える化して、よりよい協働を引き出していくのかを絶えず検討してみましょう。

見える化については、こちらの1冊「【たたき台こそが、大事!?】仕事がデキる人のたたき台のキホン|田中志」もとてもおすすめです。

また、貴重な資源である時間を有効活用することがポイントです。生産性については、こちらの1冊「【仕事は、本来正しく“厳しい”!?】ホワイトカラーの生産性はなぜ低いのか|村田聡一郎」もとても刺激的です。ぜひご覧ください。

まとめ

  • 眼前可視化とは?――ミーティング等の言語化は、時間を効率的に使う秘訣です。
  • 眼前可視化のポイントは?――あるがままを常に、相手に矢印を向けて行いましょう。
  • 生産性の低さを気にせよ!?――貴重な時間を活用し、意味ある使い方に変更しましょう。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!