- 頭が良いとは何でしょうか!?
- 実は、抽象化と具体化にヒントがありそうです。
- なぜなら、抽象・具体を自在に行き来することが、ものごとをよりよく理解し、操作し、人とともに新しい状況を作っていくために、不可欠だからです。
- 本書は、そんな頭の良さについてを切り口に、仕事や勉強で欠かせない学びの姿勢について説いた1冊です。
- 本書を通じて、自身の学びを俯瞰し、今後の生活をより良くしていくヒントを得られるでしょう。
望むなら誰でも頭が良くなる!?
なぜなら、頭が良いということは、抽象化と具体化のちからで捉えることができるからです。
「頭のよさ」とは考え方や思考方法の差に過ぎず、いつでも好きなときに自分で変えることができる。
第1章 「頭がよい」とは、どういうことか?
インプット力・・・「抽象化能力」のことです。
アウトプット力・・「具体化能力」のことです。
学習においてもこの視点は役に立ちます。膨大な知識を詰め込むのではなく、具体的な事実を元に、抽象的な認知のマップを描いて、それを体内化することが本来的な学習となります。つまり、「徳川吉宗」という言葉を聞いて、江戸時代の時代背景と、吉宗のポジショニングを想像してみることや、「日清戦争」を聞いて、明治時代の背景と、日清戦争の引き金や、それが何につながっていくのかを想像できる素地を作ることが、キーです。
抽象化の視点を持たなくては、膨大な量の情報を覚え得なくてはなりません。勉強とはそもそも暗記ではない、ということがわかりますね。抽象化のレイヤーを大切にして、自分は何をしているのか、それはなぜなのかを常に考え続ける行為を自ら行っていくのがよいです。
知識の暗記はインターネットで代替できるのですが、抽象化はインターネットでは代替できません。近年AIがこの抽象化を少しできるようになってきて、世間を賑わせていますが、まだまだ人間の方が抽象化は圧倒的に得意です。
抽象化する作業とは、ジグソーパズルを組み立てることに似ている。
第1章 「頭がよい」とは、どういうことか?
傾向と対策という受験のセオリーがあります。効率のよい勉強をしている受験生は何をしているでしょうか?
実はこの抽象化にヒントがあります。受験生が感じているのは、一言一句ものごとを暗記することではありません。受験のテストとは出題者とのコミュニケーションであるとの思想を感じ、そして、そのために出題者の題意を汲み取る練習とその「傾向と対策」をしているのです。
出題の内容は変わる可能性がありますが、題意はそうそう変わるものでありません。その点に注目できるか、見えないものごとの本質部分を見つめられるかが、生きていく力になります。
見えない方について見る力は、こちらの1冊「【抽象と具体の間!?】見えないときに、見る力。 視点が変わる打開の思考法|谷川祐基」もぜひご覧ください。
頭のよさのキーとは!?
抽象化と具体化について、解像度高く把握をしてみましょう。
<左側>具体 ← | → <右側>抽象 |
---|---|
個別 | 全体 |
短期 | 長期 |
実用 | 本質 |
五感 | 概念 |
現実的 | 精神的 |
一画的 | 多面的 |
手段 | 目的 |
問題解決 | 問題設定 |
右に移行する行為が、インプットです。全体的な俯瞰を得ます。一方で、左に移行する行為を、アウトプットと呼びます。
抽象化と具体化の何が、仕事や学習、ひいては学びにつながっていくでしょうか。それは次の3つの視点で捉えることができます。
- 「具体」と「抽象」の距離が長い
- 「具体化」と「抽象化」のスピードが速い
- 「具体化」と「抽象化」の回数が多い
3種類をバランスよく育てるのではなく、時と場合に応じて、組み合わせにフォーカスするべきです。また、自身の個性に合わせてみる視点も欠かせません。自分が何が得意で、何ができて、何が好きなのかを棚卸ししてみることもポイントです。
思考とは、具体化と抽象化の往復運動である。
第1章 「頭がよい」とは、どういうことか?
具体的な問いを持とう!?
抽象化と具体化のための問いは、5W1Hで説明ができます。いつ?どこで?だれが?なにを?なぜ?どのように?です。
具体化のためには、
- When(いつ?)
- Where(どこで?)
- Who(だれが?)
- What(なにを?)
- How(どのように?/どれくらい?)
を問いかけてみましょう。
では、抽象化のためには?
実は、Why(なぜ?)のひとつです。
そうなんです。実はなぜという問いは、状況や問題を抽象化し、構造を把握するための問いでもあるのです。1つのWをもって、抽象化をはかることが可能です。
Whyの重要性については、こちらの1冊「【How to Why型思考!?】「Why型思考」が仕事を変える 鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」|細谷功」も新しい世界観を提供してくれます。
学びを続けるのは、知性を磨いていくためです。自らの経験や体験を通じて、自分の体内に、抽象的な世界の地図を描いていきながら、それをもって、世の中と積極的に関わっていくための知性です。
知性とは、理想と現実をつなぐ力である。
第5章 いますぐできる、頭をよくする思考方法。
理想とは常に、<右側>つまり抽象的な方向にあります。そして現実とは、常に<左側>つまり具体的な方向にあります。理想と現実はなかなか一致しないです。だから、人は迷い、苦しみ、葛藤します。ですが、私たちは、その理想と現実を行き来することができます。抽象化と具体化の視点をもって、考え行動することができます。
知性とは、目の前の現実から理想とする自分の社会を描き出す力であり、その理想を現実化する方法を探す力なのだ。
第5章 いますぐできる、頭をよくする思考方法。
まとめ
- 望むなら誰でも頭が良くなる!?――抽象と具体を行き来することです。
- 頭のよさのキーとは!?――具体と抽象の往復運動の距離、スピードの速さ、回数です。
- 具体的な問いを持とう!?――知性とはその問いを掲げながら、理想と現実を理解し、理想的な社会を描き出す力です。