- どうしたら生産性を高め、自分の時間を確保し続けられるでしょうか!?
- 実は、かなり仕事にはムダが多いかも。
- そのムダを見える化するだけで、さらに時間を確保することができるかもしれません。
- 本書は、お仕事のムダを取るために参照するべき図鑑です。
- 本書を通じて、仕事をさらに円滑に進め、人生に自分時間を取り戻すヒントを得られるでしょう。
オフィスにはムダが潜んでいる!?
政府は、働き方改革のためには、生産性の向上が必要だと問いています。生産性の向上のためには、革新的なサービス開発や生産設備の導入による省人化など、さまざまなアクションが考えられます。でも、本当に大切なことは、まず足元のムリムダを徹底的に洗い出し、それを排除していく取り組みかもしれません。
なぜなら、オフィスにはまだまだ、ムリムダが潜んでいるからです。
最も大きな問題は、そもそも目の前にあるムダをムダだと思っていないことにあるのではないでしょうか。
はじめに
先日、とあるベンチャー企業の社長と取締役とのミーティングの中で、大企業は、なぜ生産性が高まらないのか?というディスカッションになりました。その中で、とくに指摘されていたことと上述の著者岡田充弘さんからの引用がリンクします。
大企業では、ムリムダがあるのに、それをムリムダと捉えられず、妄信的に続けていることが最大の問題だと、共通して指摘されています。
- 誰も発言せず、何も決まらない会議。
- 自分には関係ない情報まで送られてくる「CC」のメール。
- 「PCでできるはずなのに……」と思いながら続けている手書き作業。
- 何度も同じことを説明させられるホウレンソウ。
- 立ち上げに何分もかかる会社支給のPC。
などなど、当たり前化しているムリムダがたくさん実は転がっているのです。
これに客観視して気付くことが、何よりも大切です。
徹底したムダとりとは!?
仕事の中に潜んでいる、バリューを発揮しない行程はすべてムダだと捉えていくことが大切かもしれません。過去の投稿「【経営とは、実践である!?】新しい経営の教科書|岩田松雄」でおなじみの、岩田松雄さんは、日産時代に工場設備を見回っている際、上司にこんなことを伝えられたと言います。
(溶接工程にて)あの火花が散った瞬間が、価値であって、それ以外は、コストだと認識しよう。
溶接において、最大の課題は、金属と金属をつなげることです。これ以外は、価値を産んでいない。段取りや準備、後工程を含めるとコストが膨大に掛かっている認識を持つことが大切だと・・・。
ものごとの本質をシンプルに理解する上で、価値について意識的になることが重要です。価値が生まれているその瞬間を見極めましょう。
広告会社であれば、顧客である得意先とディスカッションをしているその瞬間こそが、価値の発現であり、拡大解釈をすれば、広告出稿の上、消費者(エンドユーザー)に対して広告が届いて、意識・態度変容をした瞬間が、2つ目の価値の発現なのかもしれません。
当然、資料の準備や企画、計画段階もとても大切なのですが、顧客タッチのその瞬間にフォーカスしながら、オフィスに存在している業務のあれこれを棚卸しすることがとても大切なのかもしれません。
ムダに気づき、それらを改善できるかどうかは、才能や性格ではなく、正しい工夫を積み重ねていけるかどうかで決まるということです。
おわりに
本書の中では、さまざまなムダが事例として掲出されています。ぜひご参考に、自らのムダ取りアクションを考えてみるのが良いでしょう!
価値あるムダにフォーカスせよ!?
まず、大切なのは、価値を発揮していないムダに気づき、それを排除することでした。
しかし、実は、ムダというのは、企業や組織にとって資産でもあります。なぜなら、ムダがなければ、新たな探索の機会を逃してしまうことになるからです。
企業が社会に適切に価値を届けていくためには、常に変化する社会に応じて、自己を変革していく必要があります。当然、既存事業をより効率的に行っていく、さらに、広げていくような、これまでの延長線上にある取り組み強化も必要です。ただ、それだけではなく、組織外の情報を捉えて、新たなアクションを計画していく探索型の取り組みも不可欠なのです。
探索型の取り組みを行うためには、まさにムダがなければ、難しいのです。
あの、グーグルでは、20%ルールと言って、既存のとりくみを80%の時間で終わらせて、残りの20%を新しい探索型の取り組みに割くようにとのお達しが従業員に対してあるそうです。この時間を活用しながら、自分が興味関心の赴くままに活動をすることができます。既存事業で与えられている課題だけではなく、こうした余白時間を上手に活用することで、中長期的にはグーグルのサービス開発や組織連携などのスキルセットを企業内に蓄え続けることが可能になります。
ぜひ“価値なきムダ”をとり除き、“価値あるムダ”にどんどん投資していきましょう。
おわりに
“価値あるムダ”について、深く視点を見いだすには、こちらの投稿「【組織カルチャーが、両利きをもたらす!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ」と「【現実的アジャイルでいけ!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ」も大変おすすめです。
まとめ
- オフィスにはムダが潜んでいる!?――ムダをムダと認識していないことが最大の問題です。
- 徹底したムダとりとは!?――ムダに意識的になり、それを排除する取り組みが重要です。
- 価値あるムダにフォーカスせよ!?――“価値あるムダ”で、探索力も担保しましょう。