- どうしたら上手に「書く」ことができるでしょうか!?
- 実は、テクニックではなく、考えること自体が必要かも。
- なぜなら、「書く」とは考えの表現だからです。
- 本書は、どうしたら自分の言葉で書けるようになるかを考える1冊です。
- 本書を通じて、「書く」原動力である「考えること」について、思考を巡らせることができます。
書くとは、考えること!?
どうしたら自分の言葉で文章をかけるようになるでしょう・・!?実は、自分の言葉で文章を書く機会がそこまで多くないことに気づきます。学生時代の論文や、日記、あるいは、仕事の企画書くらいでしょうか。その他は、定型化された文章に自分を押し込めて、人の言葉をなぞっていることが多いです。
「自分の文章」とは次のように定義されるものです。
1.他の誰でもなく、自分が書かなければならない文章、自分だからこそ書く意味がある文章であること。
2.自分の言葉で書かれていて、どこかの誰かから借りてきたものではないということ。
3.内容が自分のもの、自分が考えたことを書いているということ。
自分の言葉を書く機会はとても少ないのですが、でもできるようになると、自分の考えを客観視することが可能になります。そのことによって、自分の考えをより深めていくことができるようになります。
何を書きたいか、書く内容が見つかれば、上達することもできて、そこではじめて作法も生きてくるのです。
プロローグ
書くには、書く内容が先立ってないといけません。では、書く内容とは果たしてなんでしょうか。「自分の文章」を書くには、自分で考えたことを内容としてまとめる必要があります。だから、自分で考えてある状態がそもそもなくては、自分の文章を書くことはできません。
では、どうしたら考えられるのでしょうか!?
書くための考え方とは!?
「考える」とは「問うこと」です。
<理論編>「書く方法」から「考える方法へ」
――「何が必要なのか」「どこで手に入るのか」「これはどういうことなのか」「なぜそう言えるのか」「どうすればできるのか」……。このように問い続けることを積み上げていくことが大切です。
私たちは、問うことではじめて考えます。自分で考えるとは、自分で問うということなのです。
<理論編>「書く方法」から「考える方法へ」
特に問わなくても、漠然と想いを巡らせることができますが、その結果として、とりとめのない文章を書くことはできます。この場合、多くの人は他愛のないことしか書けず、上達することは困難でしょう。
「問い」を持つことは、好奇心の表れであり、違和感の表れでもあります。自分の感覚を信じて、周囲との関わりを積極的に行っていくことだと定義されます。
本書と同じ著者梶谷真司の1冊、投稿「【問うは、意識しないとなくなる!?】問うとはどういうことか~人間的に生きるための思考のレッスン|梶谷真司」もぜひご覧いただきたいです。
問いを常に持つことを大切にしてみると、自分の意見や考えが立ち上がってきます。その上で、書く構造に則って、文章を書いていきます。構造は、「なんのために」(目的)、「何について」(テーマ)、「どんなことを」(論点)、「どういう順で」(順序)書くのかの4つに分けることができます。
また、建築の良し悪しが部材で決まるように、文章も素材の良し悪しが左右します。以下のような、具体的な問いで、よりよい素材を集めていくようにしましょう。
- 状況 5W1H
- 理由 なぜ/何のために
- 例示 たとえばどういうことか/具体的にはどういうことか
- 定義 ○○とはどういう意味か/○○とは何か
- 前提 ○○のためには何が必要/重要か
- 関係 ○○と□□はどのように関係しているのか
- 比較 ○○と□□はどのような点で違うのか・似ているか/○○は~だが、□□はどうか
- 真偽 本当にそうなのか
- 反例 そうではない場合はないか/別の見方はできないか
- 仮定 もし~なら、○○は□□か
- 意見 それについてどのように思うか
- 要約 結局どういうことなのか
3つの原則とは!?
書くためには、考えねばならないということがポイントでしたが、考えるためには、書かなければならないのも事実です。なぜなら、良い材料があってもそれを単純に並べただけでは、歪な文章になってしまうからです。また、整列させていく過程で、自分の考えが見える化する中で、深まることも事実なのです。
文章を書くときも3つの原則を守ると、書く→考える→書く→考える→……のよりよいスパイラルを回すことができます。
1.書いてから考える
2.長い文章を書かない
3.手と目で考える
まず原則となるのが、書いてみるということです。いきなり良い文章を書こうとしない。ちょっと書いてみて、書きながら考えて進めています。長い文章を書かないことも大切です。「単語」「語句」「短文」の形で、端的に書きながら、構成を検討していきましょう。
短い文章の重要性については、こちらの投稿「【読書体験を、思考体験に!?】アトミック・リーディング: 読むことと書くことから考える読書術|五藤隆介,五藤晴菜」もぜひご覧ください。
手と目で考えていくことも、重要です。五感を通じて出力されて、入力できるものから、多くの刺激を受けることができます。身体を通じて考え、書くスパイラルを作ることができます。
まとめ
- 書くとは、考えること!?――自分の文章を書くには、自分の考えが必要です。
- 書くための考え方とは!?――問いを持ち、自分の考えの断片を集めることです。
- 3つの原則とは!?――書いてから考える、長い文章を書かない、手と目で考えるを意識してみましょう。