【「思考の型」の身につけ方!?】本の「使い方」1万冊を血肉にした方法|出口治明

本の「使い方」1万冊を血肉にした方法
  • 本を読むとは、どういうことでしょうか!?
  • 実は、新たな発想や着想には不可欠な行動かもしれません。
  • なぜなら、「発想のパターン」と「考える型」を身につけられるためです。
  • ”還暦ベンチャー”ライフネット生命創業者が語る読書術の1冊です。
  • 本書を通じて、本との向き合い方に新しい視点をもらえます。

新たな時代を切り拓くには!?

VUCAと言われる、変化の時代において、よりよい生活や社会を作っていくためには、一人ひとりがどんな心構えを持つことが大切でしょうか。みんなで決めたことや他人が決めたことをだけを守っているだけでは、変化の波を捉えて、あらたなものごとを創造することは難しいかもしれません。新しい時代を変えていく力は、常に自分の頭で考えることで、積極的に社会と関わることで見出されます。

自分の頭で考えると言われても、何が必要か、どういう状態が理想なのかを知らなければ、難しいかもしれません。

まず大切なのが、「発想のパターン」と「考える型」を身につけることです。新しい考えやアイデアが、料理だとした場合、「発想のパターン」や「考える型」は、材料やレシピのようなものです。

考える力は、ゼロから生まれるものではありません。

再刊にあたって

そして、この「発想のパターン」や「考える型」を身につけるために、読書は存在しても良いのです。

読書は、量がフォーカスされることもありますが、大切なのは、「精神の持ち方」です。1冊の本とどう向き合うのかを自ら問いながら、読み進めることで、「発想のパターン」や「考える型」を身につけられやすくなります。

ファッションデザイナー、ココ・シャネルは、時代を変えました。当時はまだ、女性がコルセットをつけて自らを束縛していた時代、彼女は、次のようなアイデアで女性を社会に解放しました。

  1. リラックスしたシルエット: それまでの女性のファッションは、締め付けるコルセットや複雑なドレープが主流でした。シャネルは緩やかなシルエットのドレスやスーツをデザインし、女性の身体を自由にし、快適な動きを可能にしました。
  2. ジャージー素材の採用: シャネルは、それまで下着用とされていたジャージー素材を高級ファッションに取り入れました。これにより、より快適で自由な動きを実現する衣服が作られるようになりました。
  3. 小物の流行: シャネルはコスチュームジュエリーや複数のネックレスを組み合わせるスタイルを流行らせました。また、彼女のデザインしたシャネルNo.5は、今もなお世界的に人気の香水となっています。
  4. ボーイッシュなスタイル: シャネルはショートカットのヘアスタイルや男性風の服装を導入し、女性のファッションに新しい選択肢をもたらしました。これは女性の役割や自由を反映するもので、当時の伝統的な女性像に挑戦するものでした。
  5. シンプルで洗練されたデザイン: シャネルのデザインはシンプルでありながらも洗練されており、彼女の信念は「シンプルは最も洗練されている」というものでした。

彼女のうちにどのような精神性があったのでしょう。

それは、次のような発言から感じることができます。

「私のように、年老いた、教育を受けていない、孤児院で育った無学な女でも、まだ1日にひとつぐらい花の名前を新しく覚えることはできる」

大切なのは「読書量」よりも、精神のありかた

この言葉は、彼女が名を馳せて、名門ホテルリッツを定宿としている時代のものです。何一つ不自由のない暮らしをしている彼女は、日々世界を拓く探求を忘れなかったのです。

ひとつの花の名前がわかれば、世界の謎がひとつ消えていきます。すると、この世界がその分だけ、単純に理解することができるようになっていく可能性があります。

ココ・シャネルのアイデアを凝縮した1行は、こちらの1冊「【「戦略一行」とは!?】未来は言葉でつくられる|細田高広」をぜひご覧ください。

よりよい生活を目指すには!?

自ら学ぶ力によって、世界の謎と向き合いながら、人生をより良くしていく姿勢が大切です。本を通じて身につけられるものは、「発想のパターン」や「考える型」でしたが、これらを形作るのは、「教育」と「教養」です。

  • 教育・・生きていくために必要な最低限の武器を与えること。
  • 教養・・より良い生活を送るために、思考の材料となる情報を広く、かつある程度まで深く身につけること。

日本の義務教育制度は、すばらしいものがあります。日本の行動経済成長を支えたのは、教育が市井に高い水準で、均等に行き届いていたからと言って過言ではないでしょう。誰もが一定の教育にリーチすることが可能になっているのは奇跡です。

しかし、冒頭にもあるように、これからの時代は変化の時代。学校教育で教えてもらった基礎的な力を活かしながら、自らの問いの赴くままに、教養を身に着けていくことが求められます。教養があれば、社会を見立て、人を見立て、この世界をよりよく生きるための着眼点を常に更新し続けられるからです。

教養というインプットが増えれば、確実にアウトプットの幅が広がり、発想が豊かになります。

人間が生きていく以上、「この世界をどのようなものだと理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持つか」を常に考える必要があると思っているのです。

「世界を正しく理解する」ために

世界を見立てる方法とは!?

この世界をより解像度高く認識するためには、タテとヨコの視点が欠かせません。

  • タテ・・時間軸
  • ヨコ・・空間軸

時間軸は、人類のあるいは社会の歴史と照らし合わせて考えることです。また、空間軸は、世界の人々、あるいは他の社会単位などの状況と照らし合わせて考えることです。

比較の視点は、ものごとを思考する補助線になります。本を読みながら、タテとヨコの教養を身につけることで、社会や人に関する難しい答えのない問いを検討する視点を獲得することができます。

新しいジャンルを学ぶときには、次のようなルールをもとに、思考と実験を繰り返していくことが理想でしょう。

1)関連書籍を「7~8冊」手に入れる(知識が偏らず、比較で考えを深掘りできる)
2)「厚くて、難解そうな本」から読み始めて、輪郭をつかむ
3)最後に「薄い入門書」を読んで、体系化する
4)本で学んだあとは、実際に体験してみる

本当に大切なことは、目に見えません。その本に書いてある内容の奥には、どのような背景や人々や著者の思考のプロセスやパターンがあるのかを感じながら、読み進めてみても良いかもしれません。

人間が人間を知るときも、思考力を磨くときも、相手の思考のプロセスをきちんと理解するしか他に方法はないのです。

④自分の頭で考える力を鍛錬できる

その上で、「行動」をし続けることです。行動については、こちらの1冊「【幸運は引き寄せられる!?】その幸運は偶然ではないんです!――夢の仕事をつかむ心の練習問題|J・D・クランボルツ,A・S・レヴィン」が勇気をくれます。とてもおすすめです。

まとめ

  • 新たな時代を切り拓くには!?――「発想のパターン」と「思考の型」を身に着けましょう。
  • よりよい生活を目指すには!?――「教養」を学び続けることです。
  • 世界を見立てる方法とは!?――思考のプロセスとパターンにふれることです。
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