【見えないものを、見るには!?】意思決定のための「分析の技術」|後正武

意思決定のための「分析の技術」
  • ものごとの本質をとらえる視点を養うには、何が必要でしょうか!?
  • 実は、現象だけではなく、それが生み出されたプロセスに注目することかも。
  • なぜなら、現象は独立して存在していないからです。
  • 本書は、世界を正しく知るための「分析の技術」に関する1冊です。
  • 本書を通じて、意思決定のための準備をすることができるでしょう。
後正武
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過程/プロセスの重要性とは!?

われわれは一つの現象をそれ自体としてとらえず、その現象をもたらした要因を過程をさかのぼって追求することが有効であることを理解した。

モノや作業の流れをとらえる

現象、つまり結果だけを捉えて、モノゴトをとらえた感覚になるのは良くないでしょう。その現象が生み出された過程があり、それらの過程を分析的視点で見つめることこそに、問題解決の新しく、かつ、有効的な手立てが見つけられるものです。

例えば、シェアの話があります。20%のシェアは現象ですが、これに至る過程/プロセスがあるはずです。

シェア20%の内訳として、まず、

①無競合勝利(問い・・将来も守れるか?)
②競合ユーザー中の 競合勝利②A(問い・・競合勝率を高められないか)

が、あることに気づきます。

一方で、80%サイドには、

②競合ユーザー中の 競合敗退②B(問い・・競合勝率を高められないか)
③カバー不足のユーザー 過去接点なし③A、過去接点あり③B(問い・・カバーを増やせないか)
④アウトユーザー(問い・・何らかの切り口はないか)

が、含有されています。

このように、わたしたちが、捉えられる現象には内訳と過程が存在しています。

単にシェア20%と言っても、そこに至る過程は、全市場から現在のシェアに至るまでさまざまな漏れの過程があって、単純ではない。したがって、ただ単にシェアを上げろ、と言うだけでは十分に効果的な具体的活動につながる保証がない。実際のシェア分析では、それぞれのボックスをさらに細かく分けて検討することが多い。

シェアの漏れ分析

インプリシット・ストラテジーとは!?

内在的なものについて、奥行きを見出して、捉えていくことはとても意義があることです。

これは、企業の強みについても言えることかもしれません。

インプリシット(Implicit)という言葉はエクスプリシット(Explicit=明白な、明らかな)の対語で、「明示されていないが含蓄・包含されている」ことを意味する。実は、どの会社も自覚されていなかったかも知れないが、現在がある以上、それをもたらした過去のインプリシット・ストラテジーが存在したはずである。

インプリシット・ストラテジー

自社のインプリシット・ストラテジーを過去の戦力の配分や施策から、自覚することは難しいことではありません。製品・事業分野ごとに、サプライチェーンを分析するなどして、名言化されないまでも、確実に内在化されていた戦略を見える化することもポイントです。

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フィックス、バランス、リデザインとは!?

結果としてのアウトプットを最大化するための物流改善の方法として、次の3つのアプローチが考えられます。

  • フィックス(各プロセス内の最適設計、コスト改善の工夫)
  • バランス(各ビジネス・プロセス間のバランスと業務の流れの最適化を図ることにより、総体としての効率改善を目指す)
  • リデザイン(ビジネス・システム全体の構成を異なる視点から構築し直す)

過程/プロセスを分けてとらえて、よりよい状況を生み出す3つのアプローチを検討してみましょう。

フィックスとは、各工程ごとの業務をなるべく完璧に近づけるアプローチです。また、バランスは、個々の工程の機能UPを図るのではなく、前後の工程の物流や業務の流れのバランスに着目して相互の最適な組み合わせを見出すことによって、システム全体としての最適設計を図る考え方です。

さらに、リデザインとは既存のシステムを前提とせずに、最終アウトプットのみに着目して全く新しい視点でゼロ・ベースから最適ビジネスシステムを構築することです。バックキャスティングのアプローチに近いかもしれません。

前回の投稿「【分けることは知ること!?】意思決定のための「分析の技術」|後正武」と合わせてぜひご覧ください。おすすめです!

まとめ

  • 過程/プロセスの重要性とは!?――ものごとの背景を見ることです。
  • インプリシット・ストラテジーとは!?――企業に内在している戦略を紐解くことです。
  • フィックス、バランス、リデザインとは!?――プロセスへの3つの視点を活かしましょう。
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