【優越ではなく、協働がポイント!?】リーダーシップとマネジメントの違い|ジョン・P・コッター

リーダーシップとマネジメントの違い
  • リーダーシップのほうが良くて、マネジメントのほうがなんとなく普通のイメージありませんか!?
  • 実は、それは間違いなのです。
  • なぜなら、成長する組織にはこの両方がうまく協働する仕組みが必要だからです。
  • 本論文は、そんな組織管理の方策についてリーダーシップとマネジメントの視点から結論付けたものです。
  • 優越ではなく、協働の視点をいかに持てるか、という新しい角度で双方を比べられるでしょう。
ジョン・P・コッター
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マネジメントとリーダーシップの違いとは!?

複雑な状況にうまく対処するのが、マネジメントの大きな役割です。マネジメントの手法や手順は、主として20世紀最大の進歩の一つ、大組織の出現によって生まれました。

一方で、リーダーシップは、変化に対処することです。近年リーダーシップの重要性が高まっている理由の一つとして、ビジネスの世界で競争と変化が激しさを増していることがあげられるでしょう。技術革新のスピードアップ、国際競争の激化、市場での規制緩和、資本集約型産業での過剰生産能力、気まぐれな石油カルテル、などなど、不確実な世の中です。

新しい環境に適応し、競争を勝ち抜くために大きな変革が必要になれば、それだけリーダーシップが求められるようになる。

目次

いかに、リーダーシップを育てる組織を作れるかが、これからの時代、重要な課題であることは間違いありません。たとえば、こちらの投稿「【これからの働き方の羅針盤!】ニュータイプの時代|山口周」で取り上げた山口周さんの著書の中にも、やはりビジョンを描く必要性が強調されていました。いまは、そういう未来志向の時代なのです。

それぞれの組織における行動の違いとは!?

それぞれの違いを具体的に見ていきましょう。

マネジメントとは!?

複雑さのマネジメントをするマネジャーは、まず計画と予算に着手します。将来の目標を定め、その達成に向けて具体的な手順を決めて、各計画を実現するために資源の配分を行います。

立案した計画を達成できる能力をかいはつするために、組織づくりと人員配置を行います。具体的には、計画達成に必要な組織構造と一連の各業務を創設して、そこに必要な人材を配置、計画の内容をメンバーに伝え、実行の責務を追わせて、モニタリングを継続します。

そして、統制と問題解決によって計画の達成を確実にします。報告書やミーティングといった方法によって、公式および非公式に計画と実績を詳細にモニターして、そのギャップを突き止めて手当をおこないます。

リーダーシップとは!?

組織に建設的な改革を起こすためにリーダーシップを発揮する場合には、まず方向性の設定が重要です。将来ビジョンと、その実現に必要な変革をおこすための戦略を、まず立案します。

この将来ビジョンに向かわせるためにメンバーを動機付けるため、リーダーは組織メンバーの心をひとつにすることを志向します。メンバーがビジョンを理解して、その実現に向けて努力を傾け、全員が一丸となれるように新しい方向性を伝えていきます。

ビジョンの達成には、動機づけが欠かせません。鼓舞し続けることが鍵になります。大切なのはモチベーションの源泉を人間の欲求や価値観、感性など、根源的ではあるものの表面には浮かび上がってこない要素に訴えかけます。変革を阻む大きな障害があったとしても、メンバーを正しい方向へ導き続けるのです。

リーダーシップの役割は広範囲にわたるが、これを効果的に発揮している人たちのキャリアは、えてして共通している。最も一般的で何より重要なのが、キャリアの早い段階で大きな試練に遭遇していることだろう。たいていのリーダーが、20代か30代に、リーダーの役割を果たそうと努力し、リスクを背負い、成功と失敗から学習するという機会を経験している。

リーダーシップ重視の文化を醸成する

革新的組織はマネジメントとリーダーシップとどう付き合うべきか!?

マネジメントとリーダーシップは、相違なるものであることがおわかりいただけたかと思います。

一部では、マネジメントよりもリーダーシップのほうが優位というような論調もあるかもしれませんが、これは今の時代が、変化の時代で、とくにリーダーシップ不在が嘆かされているからかと思います。

大切な視点は、それぞれの協働関係が重要であるということです。

リーダーシップとマネジメントは、相異なるも補完し合う行動体型である。

リーダーシップとマネジメントは補完関係にある

ただし、全く異なる性質だからこそ、人材育成の際などには慎重になる必要があります。

次代のリーダー人材を養成する段になると、「マネジャーとリーダーを両方こなせる人物はいない」という最近の文献を無視し、リーダー兼マネジャーを育成しようとしている。実際、リーダーシップとマネジメントの根本的な違いを理解すれば、一線級の人材に対して、リーダーシップとマネジメントの双方を教える訓練を着手できる。

リーダーシップとマネジメントは補完関係にある

組織設計を行う人が、まずこれらの違いを理解して、同時に遂行するのではなく、人や組織で分担をすることなどを視野に、組織戦略を描く必要がありそうです。

同時に、多くの組織では、「分権化」がキーになります。自然とリーダーシップが発揮されやすい環境を創るには、権限委譲を適切なレベルに引き上げることがポイントです。

変化の時代において、たしかに、リーダーシップがいま大量に求められているのも、事実でしょう。そのためにも、組織文化が重要であり、マネジメント層は、リーダーシップ育成のためのマネジメントを求められると言っても過言ではないでしょう。双方の役割を理解しながら、組織風土や制度をどのように変革すれば「リーダーシップ」を持つ人材を育成することができるのか?を考えなくてはならない状況でしょう。

まとめ

  • マネジメントとリーダーシップの違いとは!?――複雑さへの対処、変化への対処と、目的が大きく異なります。
  • それぞれの組織における行動の違いとは!?――マネジメントは計画について管理をし、一方リーダーシップは、ビジョンに向けて鼓舞し続けます。
  • 革新的組織はマネジメントとリーダーシップとどう付き合うべきか!?――双方が必要であるという視点を忘れずに、不足しているリーダーシップ育成の風土・文化を醸成させる、組織の制度設計をすべきである。
ジョン・P・コッター
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