【事業別の収益性管理の重要性とは!?】P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革 ROIC超入門|松永博樹,伊藤学

P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革 ROIC超入門
  • いま、注目される経営指標とは何でしょうか!?
  • 複数の事業を展開する事業者には、収益性管理に「ROIC」が向いているかも。
  • なぜなら、事業別の適正な収益性を判断することが可能になり、結果的に、全社的な事業ポートフォリオの検討ができるからです。
  • 本書は、そんなROICの入門的1冊です。
  • 本書を通して、これまでの社会で求められてきた経営管理とこれらについて、視点を得ることができるでしょう。

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松永博樹,伊藤学
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これまでの経営管理とこれからとは!?

ROICという指標が、経営管理に注目されています。まず、ROICとは何かを深ぼる前に、これまでの経営環境、つまり市場環境と競争環境はどんなものであったのかを俯瞰してみてみましょう。

ROICが多くの会社で導入されるようになってきた背景には、市場環境や競争環境の変化があるんだよ。

3なぜいまROICなんだろう?

1990年代以前:高度経済成長からバブル経済の時代

売上が伸びるのは当たり前で、どれだけ売上を伸ばすかがもっとも重要な時代でした。まさに、規模の経済という言葉が主役だった時代と言っていいでしょう。新しい商品(とくにモノ)を、より多く、よりたくさん、販売していくことが指標でした。

1990年代以降:バブル経済崩壊

バブル経済が崩壊すると売上がなかなか伸びない時代になりました。赤字を出すことを避ける目的で、利益を目標に管理する企業が大半を締めてきた時代です。倒産しない、効率的な経営に多くの企業が舵を切りました。

1990年代後半~:資本市場のグローバル化と株主価値重視

国内では、人口が頭打ちになりました。企業は海外への進出を加速させていった時代です。日本企業には、海外の株主から厳しい目が注がれるようになり、さらに利益追求が浸透します。この中で、ROE(株主資本利益率)やROA(総資産利益率)が、注目の経営指標となりました。

2000年代以降:ROICが経営指標となった背景

そして時代は下り、現在へ。企業は多角化やグローバル化の推進をしていくようになりました。しかし、経営資源は限られており、この効率性を事業別で管理することが、ポイントになります。こうした背景から、事業別の効率を判断する指標としてROICが注目されているのです。

本書の中でもとくに参考となると感じたのが、時代の変遷とともに、指標も異なってくるということです。事業を大きくするのか、あるいは、効率的に利益を生み出すのか、その軸足がかわってきているという点について、当たり前かもしれないですが、大きな把握をしてくと良いと思います。

【ヒントは、職人から経営者へ!】どんぶり勘定だからこそ、あなたの会社はこれから伸びる! ~小規模事業者革命~|立石裕明」の投稿でも、まずは、利益確保ということを説かれていました。あわせてご確認ください。

事業ポートフォリオに必要な3つの指標とは!?

事業ポートフォリオの管理とは、その会社の複数の事業の中で、どの事業に経営資源を配分し、どの事業を撤退させるのかを見極めることです。

事業ポートフォリオの管理とは?

事業ポートフォリオ、つまり、自社の事業の最適配置を考えるためには、次にあげる3つの指標が大切だといいます。これら3つはとくにROIC経営を推進する企業にとっての重要指標なっています。

1)成長性管理のための「売上高」
2)収益性管理のための「EVA®」
3)効率性管理のための「ROIC」

全て、事業別に算出することがポイントです。大切なのは、全社的にかかっているコストを按分することと、事業に関連のある投下資本を区別することです。これにおそらく莫大な手間がかかりますが、算出された指標を俯瞰することで、当社の事業戦略配置の現在地が見て取れるようになります。

ROICとは!?

ROICとは「ビジネスを行うために必要な元手(資金)に対して、どれだけ儲けたかを管理する指標」です。そしてROICは投資家や債権者の目線で会社を管理する指標でもあります。

ROICで管理する利益とは?

ROICは、(税引後営業利益)/(投下資本)で計算されます。

ここで、税引後当期純利益ではなく、税引後の営業利益を加味するのは、投資家への配分だけではなく、債権者への利息返還も想定しているためです。

EVA®は、配当金を含めた全てのお金を支払って、当社に残るお金の額ですが、これがプラスであれば、株主や債権者からの期待値を一定上回っていると言え、ROIC>WACCとなります。また、反対はしかりということです。

ちなみに、WACCと言うのは、借入にかかるコストと株式調達にかかるコストを加重平均したもので、株主と債権者(銀行などの融資元)の期待値となります。

グローバル企業や大企業が前提となっている指標かもしれませんが、私は、複数の事業を展開している会社であれば、事業を比べる時に重要な視点となると考えます。ぜひ、ご参考に、自社を俯瞰してみてみるヒントとしてみてください。

まとめ

  • これまでの経営管理とこれからとは!?――売上から、利益へ、さらに事業別の効率性へと経営管理は歩みを進めてきました。
  • 事業ポートフォリオに必要な3つの指標とは!?――1)売上高、2)EVA®、3)ROICです。
  • ROICとは!?――(税引後営業利益)/(投下資本)で計算される効率性の指標です。

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