- 答えを見つけることより、「問い」をいかにたてるか?が、大切な時代にどのように、問う力を磨いていけばいいでしょうか?
- 実は、フレームワークよりも、まずは考え方が大切かも知れません。
- なぜなら、フレームワークは思考を整理するためのもので、当てはめたからといって最適な方向性を得られるわけではないからです。
- 本書は、アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社IDEOの東京オフィス立ち上げに従事された佐々木健一さんによる、「問い」と向き合う1冊です。
- 本書を通じて、良い「問い」の視点を得られると思います。
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「問い」のちからとは!?
問題が希少化している時代だと言われます。過去の投稿「【これからの働き方の羅針盤!】ニュータイプの時代|山口周」でも、山口周さんは、これまでの時代よりも圧倒的に「問題自体」が少なくなっていて、解決策があふれている、競争だけが激しくなっていることを示唆しました。
こんな時代にあって、よりよく生きていく、あるいは働いていくためには、「問い」の力が求められていきます。好奇心をもって、世界をみて、自分なりの疑問を大切にしてみる、仲間に問いかけてみる、そういうことが、世界を変えていく動きになっていきます。
いま、求められているのは、「新しい選択肢を創造」することです。
本書は、IDEO日本立ち上げに関わった佐々木健一さんによる、そんな現代に活きる「問い」の力を磨く1冊です。
本書ではあえて、できる限り「フレームワーク」のようなものは挙げないようにしてきました。その理由は、読者の方に、「フレームワークにはめる」ことではなく、「フレームワーク自体をつくる」ことの重要性をお伝えしたかったからです。
おわりに
フレームワークを重視するよりも、視点を大切にすることは、そもそも「問い」を見つける過程を重視する考えからも生まれているかも知れません。「問い」は未知です。だから、きっと当てはめ思考ではなくて、その場の体感を通じてゼロから1を紡ぐ視点を磨くことより、近道はないのです。
クリエイティブに問いを立てる力は、スキルとして新たに学んで身につけるものというよりは、元々持っていたものを解放する側面が強いと考えています。
おわりに
ハーバード大学の児童心理学社であるポール・ハリスさんによると、子どもが2~5歳の間にする質問の数は約4万個ということです。
子どもが、問いを通じて、自分の素直な力を解放していくように、大人にとっても「問い」は自分の素直なポテンシャルを活用していけるヒントをくれると思います。
IDEOが大切にする「問い」の視点とは!?
IDEOではこの「どうすれば○○できるか」という問いかけを”How Might We……”という表現で設定します。
問いを立ててからアクションにいたるまでのプロセス
- How・・どのように=解決策があることを前提にしている。何かを創造できるという確信を与えてくれる。
- Might・・Canとは違い「できるだろうか?できるかも?」という曖昧な可能性を示唆してくれる。
- We・・1人ではなく、一緒に考えることを促してくれる。
フレームワークではなく、視点を大切にしてみましょう。これらの要素を大切にして、問いをゼロから紡いでみましょう。あなたの「え?」が案外ヒントかも知れません。自分の感じたことを、ないがしろにしないで、素直に表現してみましょう。
よき「問い」の条件とは!?
よりよい「問い」には、How Might We……の中につぎの3つのポイントが含まれているといいます。
1)対象は誰/どんな人なのか?を設定できている。
2)どんなインパクト(効果/影響)を与えたいのか設定できている。
3)求めている「答え」を示唆しないこと。
これらの3つのポイントを想定しながら、「問い」のバランス感覚を磨きながら、「問い」自体をブラッシュアップしていく考え方がポイントです。
問いのバランス感覚を身につけるために、佐々木健一さんはいくつかの事例をあげてくれています。たとえばこんなアイスクリームの問いの事例。
- (広すぎ・抽象度が高い問い)→「どうすれば新しいデザートが作れるだろうか?」
- (狭すぎ・具体的すぎてあまりワクワクしない問い)→「どうすればアイスクリームが溶けてこぼれないようなコーンをつくることができるだろうか?」
- (可能性を感じさせる問い)→「どうしればアイスクリームを子どもが楽しく持ち運べるようにできるだろうか?」
こんなかんじです。可能性を感じさせる問には、「子ども」という人がまじっていて、人感を感じます。
「人を中心に据えると前向きになる」
人を中心に据えると前向きになる
「人中心」にものごとを考えていく、そんな、問いを立てる重要性を感じます。
まとめ
- 「問い」のちからとは!?――新しい選択肢の創造を目指します。
- IDEOが大切にする「問い」の視点とは!?――How Might We……です。
- よき「問い」の条件とは!?――人を含み、人を鼓舞し、人を活かします。
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