- 人生にもビジネスシーンにも、相手を重んじる心は常に必要です。
- 実は、「心づかい」という日本語を胸に毎日の過ごし方に軸を持つのも良いかも知れません。
- なぜなら、本物の「心づかい」とは、相手ありきのスタンスだからです。
- 本書は、JALで長年ファーストクラスの責任者を勤められ、現在はマナー講師としてご活躍されている江上いずみさんによる著書です。
- 本書を通じて、いかに相手ありきのスタンスを身につけることができるか、知ることができるでしょう。
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ファーストクラス専任客室乗務員としての心構えとは!?
専任客室乗務員(チーフパーサー)に昇格してからは、客室責任者として「お客さま一人ひとりに細かい配慮と心づかいを」という「おもてなしの心」を専任ポリシーに掲げて、後進の指導育成にもあたりました。
客室責任者として培ってきた「おもてなしの心」
JALにはなんと6000名近いCAが所属しているといいます。(2016年現在)これはどういうことかというと、お客様も初めましてだけではなく、一緒に働く同僚もはじめましての可能性が高いということです。そんな中、安全と安心が最低限求められ、かつ、ひとりひとりにあったおもてなしも求めらます。これは、ある種究極な業種と言ってもいいでしょう。
こうした中において、単に「おもてなしをしよう!」とか「心づかいを大切にしよう!」とか、抽象的な言葉だけでは、ひとりひとりの提供品質が向上しません。
江上いずみさんは、これらの言葉をロジカルに捉え、定義することで、さまざまな工夫を自ら行ってきました。
「心づかい」とはなにか!?
「心づかい」しばしば聞く日本語かも知れませんが、どんなイメージをお持ちでしょうか。江上いずみさんはこのように定義します。
それぞれ異なる立場の相手に対して、何をすれば喜んでもらえるか―そうしたことを純粋に考えようとする姿勢は、サービスとは異なるものなのです。
「心づかい」はサービスとは異なるもの
いわゆるサービスとは、ラテン語の「servire」が語源となっており、どうしても隷属や奴隷などのニュアンスが漂います。日本語でもサービスというと、与える者・受け取る者という感覚が伴い、一方的な印象や対価のありなしといった概念をひっぱってきます。でも、「心づかい」は違います。「心づかい」はまず、相手ありなのです。相手といっても杓子定規にみんないっしょに考えるのではなくて、ひとりひとり違うのだ、というスタンスで、適切な向き合い方を自分自身が変えていくことを志向します。
本書では、「心づかい」という言葉を起点に、江上いずみさんがJALの現役時代からこれまで、どのような心構えと方法で相手との関係性を作ってきたのかを具体的に紹介してくれます。
「心づかい」のルール7とは!?
本書では、サービス業に従事される方にとってのお客さま、その他の業種に従事される方にとってのお取引先など、広い意味での「顧客」に対する「心づかい」について、お話していきます。
ルール1 相手の時間を大切にする
本書の中では、「心づかい」を実践するときのスタンスを7つ紹介し、具体的な取り組み・習慣を30に分けて説いています。
ルール1)相手の時間を大切にする
ルール2)相手に恥をかかせない
ルール3)相手に関心を持って寄り添う
ルール4)「観察、状況認識、想像、判断、行動」の流れが基本
ルール5)「ほめる風土」の醸成からはじめる
ルール6)心づかいの表し方は一律ではない
ルール7)誰かの一番が、ほかの誰かの一番とは限らない
ところで、モノで差別化が難しい時代になりました。技術は成熟化して、なかなかモノ起点で、お客様のWOW!を作ることだけを志向していてもうまくいきにくいものです。過去の投稿「【これからの働き方の羅針盤!】ニュータイプの時代|山口周」で、これからのビジネスのシフトベクトルが示されています。解決策が成熟する中で、これからは問題発見に重きが置かれるということが説かれていました。ニュータイプへのシフトを目指すときにも「心づかい」はひょっとして重要なファクターになるのではないかと思います。相手のこと(得意先企業でも、お客様ひとりひとりでも)を考えて、問題を見出してあげる、あるいは、本当の欲望に一緒に気づいていく過程こそに、意味があるように思えるからです。
そう考えると、多くの業態・業種が、サービス業化する時代になったとも言えるのかも知れません。
まとめ
- ファーストクラス専任客室乗務員としての心構えとは!?――「心づかいとおもてなしの心」です。
- 「心づかい」とはなにか!?――それぞれ異なる立場の相手に対して、何をすれば喜んでもらえるかを、志向して、自分の言動にフィードバックしていくことです。
- 「心づかい」のルール7とは!?――どんな業種・業態にもこれからの時代に必要なサービス業の心構え7つを意識してみましょう。
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