【未来を手元に引き寄せろ!】メタバース未来戦略|久保田瞬,石村尚也

メタバース未来戦略
  • さて、メタバース、気になりますよね!?
  • 実は、ビジネスとしてどういうチャンスがあるかどうか見極めが大切です。
  • なぜなら、マネタイズポイントがいつになるかで、これからの会社・組織としての行動が変わるからです。
  • 本書は、2022年6月発刊の最新書籍で、メタバースについてかなり深ぼった内容となっています。
  • 本書を通じて、当該市場でのチャンスの解像度を上げることができるでしょう。

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メタバースの未来を俯瞰せよ!?

本書執筆時点(2022年)で、すでにメタバースと呼ばれているサービスは、将来”当たり前”となったメタバースの姿から振り返ると、あまりにも初期のものかもしれない。今、インターネット黎明(れいめい)期に作成していた「ホームページ」を見ると、何とも言えない懐かしい気持ちを感じるように――。

1 現状のメタバースは「フェーズ1」にすぎない

著者の久保田瞬さんと、石村尚也さんが、今後のメタバースのマイルストーンを俯瞰してくれています。お二人によるとメタバースは4つのフェーズを経て、市場定着をはたしていくと言います。大切なのは、すぐにマネタイズできないが、いまから仕込みが必要になるという事実です。どのようなカテゴリー市場に対して、どんな働きかけを今のうちから行っておくべきか、指針を考える必要がありそうです。

フェーズ0 シーズ期(2000年代~2010年代)
まだまだ、メタバースという言葉もない時代でした。基本は、MMORPGと呼ばれる、多人数同時参加型オンラインRPGというゲームが誕生し、これがほぼ市場をしめている状態でした。今では、爆発的な人気を誇る「フォートナイト」もこの時期に登場しました。

フェーズ1 黎明期(現在~2025年ごろ)
ゲームが主戦場です。メタバースを利用しているのは、イノベータ、もしくはアーリーアダプターと呼ばれる、テックや新しいものに興味関心がとても強い人たちに限られている状況です。少しずつ、企業のプロモーションやイベントでもメタバースを活用する取り組みがスタートしました。

フェーズ2 普及期(2025年~2030年ごろ)
いよいよ、メタバースに日常的に触れる人が増えるタイミングです。とくに若者に限って言えば、そのほとんどがメタバースを活用している時期になります。このころになると、メタバース内でのアプリケーションやバーチェルエージェント(利用者の代理的な存在のAI等)で大きな経済圏が生まれる兆しを感じるでしょう。

フェーズ3 定着期(2030年以降)
ついに、メタバースが一般化したタイミングです。新規ユーザーの流入は減少するものの、多くの人が経験者になる状況でしょう。2022年現在のスマホのような立ち位置になります。すでにガラケーは姿を消しつつあり、スマホがあらゆる生活のシーンに入り込み、さまざまな情報提供で、独自経済圏を発展させているような状況が訪れます。

メタバース4つのビジネスポジションとは!?

今後のメタバースの発展に向けてどのようにビジネスを組み立てていけばいいのか。次はメタバースにおいて企業の果たす役割を見ていきたい。

1 現状のメタバースは「フェーズ1」にすぎない

メタバース上での振る舞いは、次の1~5、とくに企業は、1~4に集約されるとされています。

①メタバースの基盤を作る役割
メタバースにプラットフォームを提供する事業です。プラットフォーム間の接続可能性も論点になるでしょう。

②モノづくりをサポートする役割
メタバース上で活動するコンテンツ等のクリエーターが活用する道具を供給する事業です。
たとえば、ゴールドラッシュにわくアメリカにおける、ジーンズやスコップメーカーのようなポジションです。

③メタバースでモノづくりを行う役割
クリエーターです。ここが日本の生きる道!だとする論点も非常に多いです。詳しくは「【新時代の教育方針とは!?】新版 超ヒマ社会をつくる|中村伊知哉」や「【これぞ知の統合!バーチャリティの本質論を今、読もう!】メタバースさよならアトムの時代|加藤直人」をご覧ください。

④メタバース上でサービスを提供する役割
例えばバーチャル店舗を運営する事業など、リアルバースで小売やアパレル、音楽などを提供しているプレイヤーがメタバースに取り組みます。

⑤メタバースに参加するユーザー
メタバースを利用するプレイヤー全体です。

ところで、本書でも7層のバリューチェーンが取り上げられています。詳しくは、「【100兆円市場にどう向き合う?】60分でわかる!メタバース超入門|武井勇樹」をご覧ください!

メタバースビジネスの勘所とは!?

本書のユニークな視点は、メタバース上でビジネスを運営していく時にポイントとなる視点を3つあげてくれているところです。さらに、いま登場し始めているメタバース上でのビジネスが、この3つをいかに満たしているかもチェックしてくれてます。

筆者は、メタバースビジネスにおいては以下の3要素が必要不可欠になると考えている。

1 現状のメタバースは「フェーズ1」にすぎない

1.ガワ(見た目)
メタバース内でのアバターや3Dアイテムなど、そこに没入感や所有欲をもたらすには見た目が重要です。メタバース上で消費されるものごとが、コンテンツであるとした場合、それらのデザイン性が極めて重要です。さらに、メタバースは、明らかに視覚的な優位性を発揮します。五感テクノロジーが今後進展しないとも言えないのですが、まずは、視覚優位の世界観が重視されてくるはずです。

2.マネタイズ
マネタイズポイントは、リアルバースの中でも論点になります。例えば、サブスクにするのか、あるいは売り切りなのか、メタバース上でももれなく、議論となることは間違いないでしょう。

3.運営
メタバース世界にあきないような、運営スタイルが重要です。メタバースに参加していて価値を感じるのはコンテンツだけではなく、イベントや人と人が集まるコミュニティ、つまり繋がりです。これらの運営をいかに企画し、盛り上げていくのかも争点になります。

本書の中では、これら3つのポイントを、既存のメタバース施策がどれだけ満たしているのかを確認しています。例えば、サンリオ、三越伊勢丹、ローソン、NIKE、JR東日本、角川ドワンゴ学園N・S高などです。ぜひ、本書をお手にとって、内容をご確認ください。

まとめ

  • メタバースの未来を俯瞰せよ!?――普及を確認し、タイミングを見極めた参入・活用を検討しましょう。
  • メタバース4つのビジネスポジションとは!?――事業の軸足となりうる領域を知りましょう。
  • メタバースビジネスの勘所とは!?――1.ガワ、2.マネタイズ、3.運営をおさえましょう。

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