- 生きづらい!どうしようもない!と感じる人が少なくないのではないでしょうか。
- 実は、歴史思考という考え方によって、ひとすじの解決策が差し込むかもしれません。
- なぜなら、あなたのその悩みは、歴史的に最近作られただけの価値観によるものかもしれません。
- 本書では、歴史上の偉人の生き方を参照しながら、いわゆる偉人像とは正反対の生き様・捉え方を知りながら、たまたまその様になったことをセンセーショナルに説きます。
- 本書を読み終えると、現代に生きる自分自身を俯瞰して観る着眼点を養いながら、自分自身で決めつけている「こうやって生きないと!」から少し自分を解放してあげることができるでしょう。
なぜ、現代人は生きづらいのか?
人々が過去のあらゆる時代よりも自由だということです。
エピローグ 今こそ教養が必要なワケ
現代の価値観は、目まぐるしくうごめいています。価値観多様な時代と言われて久しいことがその証でしょう。
お金を稼ぐのが偉い?資本主義が世界でイチバン?ナチュラルライフ?山ガール?
いろんな生き方が私たちの目の前を通り過ぎていきます。
さらには、コロナ禍で、生き方の多様化がさらに加速度的に解像度を増してきました。
でも、このように価値観がぐるぐると流転するのは、現代になってからのこと。
むかしは、あるひとつの価値観に縛られて(というか、しばられてという感覚すらないでしょう)、一生を(ぶじに?)終えることができました。
現代人は、100年時代を生き抜く中で、いくつもの価値観と自分との関係性について考える必要があるのです。
と、ここまで思いつきで書いて思いましたが、100年時代って、だから大変なんですね。なにも、第2のキャリアとか第3のキャリアを見つけて時間の過ごし方を探索することが大切ではないのです。
本当に大変なのは、ただですら、「価値観が変容する時代の中で、100年も生きるものだから、いくつもの価値観との距離感を絶えず考えなくてはならないこと」が超大変なんですね。
そんな現代において大切な生き方とは?
大切なのは、その価値観が唯一絶対だと思い込まず、ほかの価値観も認めておくこと。そのほうが、現代では生きるのが楽になるはずです。場合によっては複数の価値観を持ってもいいでしょう。
エピローグ 今こそ教養が必要なワケ
実は価値観というのは、固定しているから辛いのです。
固定した価値観の元では、「こうしないといけない!」「こう生きないといけない!」と自分を知らず知らずに苦しめてしまいます。
たとえば、過度にしつけが厳しい親に育てられたような人は、価値観が固定化されてしまっているかもしれません。もっと、柔軟に身構えることなく、流転の中に身を置くことが大切なのです。
僕たち人間の体の大部分は水分で構成されています。僕たちの体に含まれる水分量は常に一定に保たれていますが、水分そのものは、どんどん入れ替わっていますよね。僕たちの体を構成していた水分は、汗や排泄物として体から出ていき、あるものは大気中の水蒸気となり、あるものは川や海に漂う水となり、あるものは別の動物の体を構成していたりするわけです。もしかしたら、ある人の体を構成していた水分で構成されている僕と、かつて僕の体を構成していた水分で構成されている人は、同じ人間なのでしょうか。それとも別の人間なのでしょうか。少なくとも、僕たちが常日ごろ考えているほどに、「私」の範囲は厳密ではないかもしれません。科学的にも「私」はうつろう存在なんです。「僕」という個体は常に変化しています。
エピローグ 今こそ教養が必要なワケ
ちょっと長い引用ですが、この真理に、仏教の開祖であるゴータマ・シッダールタ(釈迦)はすでに何千年も前に、至っていたといいます。
複数ある価値観と距離を置くこと、ひいては、自分という存在すら固定化されなくなり、見えなくなり、固執しなくなるような感覚になること。これが悩みからの解放ということでしょう。
あらゆる現世の執着からとらわれることなく、本当の意味で、自由になれることを目指していきたいものです。
現代人への処方薬こそ、古典である!
僕たちの「当たり前」は、社会に規定されているものなのです。
6 僕らの「当たり前」は非常識 性、お金、命
古典を読むことは、何をもたらしてくれるでしょうか?!
それは、今と昔を比べることです。この比較の視点によって、特定の価値観や「私」自身との距離をとることができるのです。
歴史的に見れば、当たり前でないことがたくさんあるのです!それを、知りましょう。
そうして、現代人は、近視眼的な当たり前から解放されて、もっと楽になれるのです。
まとめ
- なぜ、現代人は生きづらいのか?――ぐるぐるといくつもの価値観が目まぐるしく目の前にたち現れるからこそ、自分自身の生き方を見失ってしまうのが現代です。
- そんな現代において大切な生き方とは?――特定の価値観と距離を置くことです。さらに、自分自身という存在すら、本当にあるのかないのか疑わしいという点にフォーカスしてみることです。
- 現代人への処方薬こそ、古典である!――歴史に触れましょう。その歴史の当たり前に触れることで、現代や今の自分の生き方に比較の視点を持ち込みましょう。
この本は目からウロコ!これは多くの人におすすめしたいです。なぜ、今これほどまでに苦しんでいるのか、悩んでいるのか、とてもよく客観視できました。時空を超えて、素顔の偉人が、私を楽にしてくれます。