寝る脳は風邪をひかない|池谷裕二

寝る脳は風邪をひかない
  • 人体って、不思議ですよね。とくに脳ってどうなっているんだろう!?って思うことありませんか?
  • 実は、脳の仕組みは、新たに紐解かれていることも多いんです。
  • なぜなら、いまはAI等の科学技術の発達によって、さまざまな脳の仕組みが解明され続けているからです。
  • 本書では、脳科学研究科であり、かつコメンテーターでも有名な池谷裕二氏が、最新脳科学を楽しく、わかりやすく解説してくれています1話読み切りのエッセー集で、つまみ食いスタイルも魅力!
  • 本書を読み終えると、自分の「意識」と新しい角度で向き合える発見があるかもしれません!
    今回の投稿では、とくに私が面白いなぁ!と思った切り口を3つご紹介します。
池谷裕二
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脳はサボるようにできている

脳の基本設計は、「いかに時間をかけずに少ない情報から即断できるか」

2 脳の基本設計は、「いかに時間をかけずに少ない情報から即断できるか」

シカゴ大学のクライン博士とオブリエン博士の研究によると、人は想像以上に直感に頼って自分の好みを決めているといいます。2人の現代アーティストのどちかが好きか選ばせる研究で、15枚以上の作品を比べて、人は判断するはずだと思われていましたが、なんと予想の2割程度の、3枚程度見ただけで、好みを判断したそうです。

ここから言えることは、脳は新しい情報をたくさん得なくても、それまで培ってきた経験や蓄積を元に、ある程度、(自分にとって)正しく思える決断ができるということです。

私も確かに、本を読んだり、新聞を読んだりする中で、こうした経験は多々あるなぁと思います。なぜなら、おおよその見出しで内容を予測して、それに異なるポイントがあるかな?という見方をしているからです。

ここで恐ろしいのは、「バイアス」です。

自分がしらずしらずに思い込んでいることは、多々あるのでしょう。あまりに直感に頼りすぎると、誤りや間違いも起きやすいはずです。「自分の脳は今日もサボりだ」と思って向き合うのがいいでしょう。

66日待てば、習慣になる

脳は「慣れる」のは比較的得意

4 脳は「慣れる」のは比較的得意

ロンドン大学の公衆衛生学者のラリー博士らが発表した調査によると、新しい生活のルールが自然と行えるようになるのは、平均して66日ほどだったそうです。2ヶ月ほど努力すれば、それが新しい習慣になるようです。

たしかに、コロナ禍に突入した直後、だいたい2~3ヶ月もすれば、はじめは恥ずかしかったり、生産性が低そうに思えた、オンライン打ち合わせに自然と慣れていたのを思い出します。

以前の投稿「ぼくたちは習慣で、できている。|佐々木典士」で、どうしたら習慣化を目指せるか?について触れました。ここでは、最初の我慢が大事で、あとは、自己肯定感という報酬を得ながら、ルーティン化できるという結論でした。

もしかすると、その我慢期間は、平均して66日なのかもしれないですね。

3日坊主×22倍というなかなかシビアな数字ですが、つづけることには、やはり価値がありそうです。

しっかり眠り込むのが、脳への最高の報酬

「寝る子は風邪をひかない」免疫力と睡眠の密な関係

11 「寝る子は風邪をひかない」免疫力と睡眠の密な関係

カーネギーメロン大学のコーエン博士らの有名な研究では、風邪のウイルス(ライノウイルス)を鼻から注入した被験者のうち、平均睡眠時間が7時間未満だった人は、8時間以上だった人に比べ、2.94倍も風邪の発症率が高かったそうです。

寝る子は育つそして、丈夫な体にもなる!という結果でしょう。

コロナウイルス感染症が収束しない現在ですが、しっかりと睡眠が取れる習慣を作っていきたいものです。

まとめ

  • 脳はサボるようにできている:脳がサボるようにできていることを自覚することが大切です。
  • 66日待てば習慣になる:自然とその行為を行ってしまうように脳を仕向けるには66日間の我慢が必要です。
  • しっかり眠り込むのが、脳への最高の報酬:やっぱり寝るのが一番大事。きちんと習慣にしていきたいものです。

    など脳をはじめ、神経科学に関する興味深いトピックスが本書には満載です。

コロナウイルス感染症によって、ニューノーマルな時代を迎えていますが、そんな新しい生活をどのように作っていくのか?が問われている時代でもあると思います。新たな理想的な習慣づくりをこの機会に、本書を手に取りながら、考えてみてはいかがでしょうか。


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